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【CES】シャープ、最新版ICC-4K技術などを展示

−70型試作機も公開。新DLPプロジェクタも


シャープブース

 米国時間の10日にラスベガスで開幕した「2012 International CES」。ここではシャープブースの模様をレポートする。




■AQUOSの主戦場は60型以上の大型サイズへ

主力商品は60型以上という北米でのAQUOS製品展開。写真はAQUOS 8シリーズ。80型が唯一ラインナップされている

 2011年より、北米でのテレビ市場の主戦場が60型以上にシフトしてきた事と、シャープが60型以上の大画面テレビにおいて、北米で高いシェアを持つ事から、今年のシャープ・ブースの展示展開は大画面サイズのテレビを主役にしたという。ブースのキャッチコピーは「See the Bigger Picture」(大きな画面を見よう)となっている。

 展示されているのはAQUOS 6/7/8/9シリーズで、日本向けモデルの型番とはだいぶ異なる。

 6シリーズはUV2A技術ベースだが、4原色Quattronではなく、RGBの3原色パネルを採用したエントリーモデル。7シリーズはUV2Aの3原色パネルで3D対応。8シリーズと9シリーズは4原色Quattron採用モデルで、なおかつ3D対応モデルとなる。

 8シリーズと9シリーズは高画質モデルという位置づけだが、9シリーズは直下型バックライトによるエリア駆動対応、8シリーズはエリア駆動には非対応という機能の違いがある。

AQUOS 6シリーズはUV2A/RGBの2D専用モデルで、42型、46型、52型、60型、70型と言った最も多彩なサイズバリエーション展開 AQUOS 7シリーズはUV2A/RGBの3D対応モデル AQUOS 9シリーズはQuattron×直下型バックライト×エリア駆動の高画質モデル。ただし、最大画面サイズは70型まで
唯一の80型である「LC-80LE844U」は、Quattron採用だがエリア駆動は無し。なお、8シリーズの70型以下は、基本的に「エッジ・バックライトでエリア駆動無し」というスペックだが、「LC-80LE844U」だけ「エリア駆動無しで直下型バックライト採用」というやや特異な存在となっている

 画面サイズは6シリーズから9シリーズに至るまで、60型、70型が設定されているが、80型が設定されているのは8シリーズのみ。ハイエンドの9シリーズに80インチモデルを設定しないのは、「トップ・オブ・ザ・トップのモデルが価格的にあまりにも高くなりすぎるのを避けるため」だという。なお、昨年秋にも、80型モデルのAQUOSが北米に市場投入されたが、そのモデルもUV2AのRGB3原色パネルで、3D非対応のモデルであり、「トップ・オブ・ザ・トップ」のモデルではなかった。

 北米での今期の80型である8シリーズは、「LC-80LE844U」というモデル名。発売時期は4月で、価格は5,999ドル。日本での展開スケジュールは未定だという。




■AQUOSブランドの電子黒板

 液晶ディスプレイを使った業務用製品もラインナップしているシャープでは、この分野でも80型を訴求している。

AQUOS BOARDとしてブランディングされる電子黒板。日本での発売も確定。80型の「PN-L802B」は、北米で2月に13,795ドルで発売される予定

 電子黒板「AQUOS BOARD」と呼ばれるもので、ブースで80型を前面にアピール。発売は70型からで、順次60型と80型が追加される。なお、同様の電子黒板は日本でも発売される(国内での愛称はBIG PAD)。画面上に専用ペンで情報が書きこめ、その内容を保存する事などができる。

 主なスペックは全モデル共通で、直下型バックライト方式を採用。解像度はフルHDの1920×1080ドット)のUV2A/RGB3原色パネルにタッチ機能を実装したものになる。ブースでは、プロの似顔絵画家による似顔絵の実演が行なわれていた。




■フルHDを超える技術としてICC-4Kと8K4Kを実演

人気の高かったICC-4Kデモ体験コーナー

 アイキューブド研究所が手がける4Kアップスキャンコンバート技術「ICC-4K」の技術デモは、CEATEC 2011に引き続き、今回のCESでも行なわれた。

 「ICC」は、1,920×1,080ドットのHD信号から3,840×2,160ドットの4K映像を創造する映像クリエーション技術。「人間が現実の風景や被写体を直接見た際に発生する『認知』の働きと同等の体験を映像視聴時に得られることをコンセプトに開発。映像の遠近感や立体感、質感などを、自然界により近い形で認知させるというのが特徴となる。

 デモの内容がCEATECから更新され、ICC-4Kの処理自体もアップデートされたという。技術の詳細は、後日「大画面☆マニア」の方で紹介予定だ。

 また、これまでICC-4Kのデモは60型試作機での実演が中心だったが、今回、初めて70型の4K2K(3,840×2,160ドット/RGB)の試作機も公開された。

4K2Kの70型を初めて展示 フルHDを4面リアル表示出来ることをアピール ICC-4Kによる4Kアップスキャンのデモが基本的な位置付けだ

 また、CEATEC 2011で公開されているが、北米では一般初公開となる85型の8K4K(7,680×4,320ドット/RGB)液晶パネルの試作機も、ブース内の特設展示セクションで披露。人だかりができていた。

北米でも高い関心が寄せられた8K4K。「液晶100年」のキャッチコピーも添えられた特設展示セクションの前には黒山の人だかりが デモ映像はCEATEC2011のものと同じ、NHK提供によるものだ


■フリースタイルAQUOSを北米で初公開

 日本では発売済みのフリースタイルAQUOS(AQUOS F5)だが、北米では今回のCESが一般向けの初公開の機会となった。

 日本では「屋内での移動設置」、「停電を想定したバッテリー駆動(20インチモデルのみ)」をテーマにしている製品だが、北米でのマーケティングは少々異なるという。

 北米では、休日に広い庭を使ってパーティを開いたり、野球やアメフトなどのスポーツを大人数で見るといったホームイベントを行なう家庭が多いため、そうした“プチ屋外用途向けに最適”というアピールをしていくとのこと。

 会場では女性が32型や40型のフリースタイルAQUOSを持ち歩き、男性は60型をしょい上げ、「簡単にベランダや庭に持ち出せる」とアピール。日本とは雰囲気の異なるステージイベントとなっている。

左の女性は32型(約5.5kg)、右の女性は40型(約8.5kg)のフリースタイルAQUOSを抱えながらステージを闊歩 フリースタイルAQUOSならば、60型(約21kg)でもラクラク移動可能! というステージイベント


■パイオニアの北米向けブランド「ELITE」とシャープがコラボ

 パイオニアは北米でハイエンドユーザー向けの特別ブランドとして「ELITE」というブランドを展開。KUROブランドのプラズマテレビなどはELITEブランドで展開していたが、テレビ事業からの撤退後はオーディオ部門で展開されている。

 そんな中、ユーザーからテレビ/ディスプレイといった映像機器ジャンルでのELITEブランドの継続が望まれたために、この部門の製品を2011年から、シャープが引き継ぐことになったという。

 そのため、シャープブース内にはELITEブランドの展示セクションが設けられ、AQUOS 9シリーズをベースとしたスペシャル版、「ELITEブランドのAQUOS」が展示されていた。

 AQUOS 9シリーズとの最大の差は画調に表れている。パイオニア、シャープの両社スタッフ、そして北米の画質評論家達などとのコラボでチューニングされているそうで、価格もAQUOS 9シリーズよりも高めに設定されている。モデルラインナップは9シリーズと共通の60型と70型の2モデル構成だ。

AQUOSやSHARPのロゴがないELITEブランドのAQUOS。北米限定のパイオニアとシャープのコラボ製品だ


■DLPプロジェクタ「XV-Z30000」を公開

 ホームシアター向けプロジェクタはDLP方式を推進しているシャープ。新製品として「XV-Z30000」が発表された。しかし、実機の投写は行なわれず、展示機は背面に端子が実装されていないモックアップだ。

 DMDパネルの解像度は1,920×1,080ドット。輝度は1,600ルーメン。カラーホイールは5倍速の6セグメント方式。アクティブシャッター方式の3D立体視に対応。ここまでは日本既発売の「XV-Z17000」と同じだが、XV-Z30000ではダイナミックコントラストが5万:1にまで高められている点、3Dシンクロエミッターが別体型で提供される点が異なる部分だ。

 なお、3Dシンクロエミッターの接続にはミニジャックコネクタケーブルが利用出来るため、市販のオーディオ用ケーブルを流用し、自在に配線、レイアウトもできるという。

XV-Z30000は北米で3月に4,999ドルで発売予定。3Dメガネは2つ付属する


■北米の個人ユーザー向けに太陽光発電製品の提案

 太陽光発電は、北米では業務用やメガソーラーなどのBtoBソリューションがメインだったが、今期からは新市場開拓の意味合いを込め、個人向けにも本格的に乗り出すという。

 北米地区の住宅に合わせ、簡単に施工できる太陽光発電モジュール「SunSnap」を開発。玩具のレゴブロックのようにモジュール同士を比較的単純な施工だけで連結しながら設置が出来るソーラー発電モジュールで、「SunSnap」という名称は北米側スタッフによるものだという。

マイクロインバーターはenphase ENERGY製を採用。北米地区に多い屋根上の煙突などの遮光による発電力不均衡を緩和 北米向けの個人向け太陽光発電モジュール「SunSnap」。キャッチコピーは「最小構成で1000ドルから自宅にソーラー発電を設置できる」

(2012年 1月 11日)

[Reported by トライゼット西川善司]