mmbi、4月開局「NOTTV」のサービス内容と番組編成を発表

-蓄積型でHD画質も可能。アニメは「エウレカAO」など


NOTTVの放送画面(コンテンツはデモ用のもの)

 NTTドコモとmmbiは16日、スマートフォン向け放送「NOTTV」(ノッティーヴィー)の開局と、これに対応した新スマートフォン/タブレット端末を発表する記者会見を開催した。

 発表された新端末はNECカシオ初のタブレット「MEDIAS TAB N-06D」(4月発売)と、シャープの「AQUOS PHONE SH-06D」の2機種(3月発売)。各モデルの詳細は既報の通り。

 「NOTTV」は、2012年4月1日にmmbiが放送開始する携帯端末向けV-Highマルチメディア放送「モバキャス」のチャンネル。基本料金は月額420円で、3チャンネルのリアルタイム視聴と、蓄積型放送(シフトタイム視聴/デジタルコンテンツ)が楽しめる。常に通信が可能なスマートフォンの特徴を活かし、双方向番組や、ソーシャルメディアを組み合わせた番組などを行なう予定。

 地上アナログ放送終了後の帯域を使って放送され、サービスエリアは4月の開始時点で南関東(東京スカイツリーから放送)、東海(愛知、三重)、関西(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良)、九州(福岡、沖縄)を予定。その後5月に広島、7月に静岡と岡山、10月に和歌山と熊本、2013年1月に宮城と石川、香川、愛媛、佐賀、4月に北海道、北関東、新潟、長野、鹿児島での開始を予定している。

 NOTTV開局を記念して、番組MCとして出演するタレントもゲストで登場。磯山さやかさん、押切もえさん、敦士さん、加藤夏希さん、宮地真緒さん、赤井沙希さんが番組を紹介。それぞれの意気込みを語った。

対応タブレット「MEDIAS TAB N-06D」(下)と、スマートフォン「AQUOS PHONE SH-06D」(上)4月の放送予定エリアと今後の予定左から磯山さやかさん、押切もえさん、敦士さん、加藤夏希さん、宮地真緒さん、赤井沙希さん


■ リアルタイムとシフトタイム。独立局系のアニメも

リアルタイムとシフトタイムの2種類の放送を用意

 放送は、前述の「リアルタイム」(RT)と「シフトタイム」(ST)の2種類。視聴には専用のアプリを使用する。

 リアルタイム放送は、ドラマやアニメ、オリジナルバラエティなどを用意。スカパー! のJリーグや、フジテレビONEの「プロ野球ニュース2012」など、CS放送からも番組を調達している。生放送も行ない、1週間の生放送時間は284時間。録画は非対応。EPGは8日先まで表示可能。EPGからの視聴予約については検討中としている。緊急地震速報にも対応する。

 アニメもリアルタイムで放送され、「エウレカセブンAO」や、「偽物語」、「妖狐×僕SS」、「Fate/Zero」などを予定。「話題作のほか、地方独立局のコンテンツなど地域によって観られない番組を用意する」としている。


チャンネルの基本構成。全13セグメントを図のように配分する

 1つ目のチャンネル「nottv1」はオリジナル番組を中心に24時間放送。自主制作のバラエティや、フジテレビドラマ制作センターと協力したオリジナル連続ドラマ(各話15分/50話)などを放送予定。月曜から金曜の10時~17時は、7時間連続生放送の「notty★LIVE 7時間」を予定する。

 「nottv2」は、追加料金で視聴するプレミアムコンテンツと、チャンネル1の再放送で編成。リアルタイム放送は1日20時間で、残り4時間は蓄積型放送で利用する。プレミアムコンテンツは、スポーツや音楽ライブなど専門性が高いものを予定している。

 「nottvNEWS」は24時間ニュースチャンネルとして、「TBSニュースバード」と、「日テレNEWS24」のNOTTVバージョンを放送する。

 シフトタイム放送は、夜寝ている間などに放送波で番組が自動でダウンロードされ、好きな時に観られるというもの。毎朝「おすすめ」として1つ以上の番組が紹介され、ユーザーが観たい場合はそれを選ぶと放送波で番組が提供され、ダウンロードが完了すると視聴できるようになる。映画のような長尺の番組も技術的には可能だが、開始当初は30分番組などを検討している。

 シフトタイムのコンテンツとして、電子書籍として雑誌の「DIME」や「東京ウォーカー」の電子版も配信予定。電子書籍のファイル形式はPDFで、今後は.bookなど他の形式にも対応予定としている。

 入手した番組には視聴期限が設けられる場合があり、ドラマでは次の回が配信されると前の回は消えるといったような運用が想定されているほか、視聴回数や期間に制限を設けることも可能としている。

 映像フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264で、リアルタイム放送はWVGA解像度/30fpsとなり、ワンセグに比べ高画質となる。さらに、シフトタイムは帯域を調整できるため、最大1,280×720ドットのHD解像度でも配信可能としている。

リアルタイム放送の基本番組表放送予定のコンテンツタブレットでの番組表表示
週284時間の生放送を用意7時間の生放送番組もTwitter表示機能も


■ 無料視聴などキャンペーンも。目標は'12年度100万契約

写真左奥に見える東京スカイツリーからの試験放送受信も行なっていた

 対応端末は、今回発表された2機種のほか、ドコモは2012年上期(5月~9月)にスマートフォン3機種/タブレット2機種を対応機種に加えることも予告している。

 また、新モデル「MEDIAS TAB N-06D」と「AQUOS PHONE SH-06D」の購入者に対しては、初回申込みから30日間の無料サービスも実施。また、対応端末を購入して店頭でNOTTVに加入契約すると、「NOTTVオリジナルイヤホン」をプレゼントする。プレゼントが無くなり次第終了する。

 また、開始に合わせて「MEDIAS TAB N-06D」と「AQUOS PHONE SH-06D」のモニターキャンペーンも実施。期間は3月1日~9月30日で、最大2万台を用意。1人2週間まで無料で利用できる(アンケートへの回答が必要)。なお、モニター用の端末はデータ通信専用で、通話などNOTTV以外の機能は利用できない。申し込みはドコモショップやNOTTVの専用サイトで受け付ける。


mmbiの二木治成社長

 発表会で登壇したmmbiの二木治成社長は、「NOTTVは100%オンラインで、双方向のソーシャルTV」という点をアピール。放送番組やコンテンツについて「どこよりも、誰よりも、早く知る」、「新しいことに、出会える、気づける、きっかけになる」、「簡単、探さない、すぐに使える」、「共有、共感、楽しくなる」といったキーワードで説明した。

 2012年度の目標として100万契約を設定。単年度黒字化については、500万契約を確保すれば見通しが立つとしており、2015年をメドに実現を目指す。こうした目標実現のカギを握る要素として、端末の販売台数と、ドコモショップなど店頭での販売促進の重要性を強調した。なお、前述した放送エリア内でも視聴できない場所があるといった視聴環境の問題については、今後の調査結果をみて改善していくという。なお、ロンドンオリンピック中継の実現に向けては、まず民放連への加盟を申請中で、「それが終わらないと次にいけない」(小牧次郎常務)としている。


登壇した磯山さやかさん、押切もえさん、敦士さん、加藤夏希さん、宮地真緒さん、赤井沙希さん

 発表会のゲストとして、前述した月曜~金曜の7時間連続生放送「notty★LIVE 7時間」の番組MCを務める磯山さやかさん、押切もえさん、敦士さん、加藤夏希さん、宮地真緒さん、赤井沙希さんの6人が登場。

 押切もえさんは、「コスメやファッション、グルメ、ビューティーなど私も気になる情報を生でお伝えできるということでとても楽しみ。ぜひ同世代の方に観ていただきたい。週の最初の月曜を担当するので『いい一週間にしよう』とみなさんに思ってもらえるようにしたい」と語った。

 敦士さんは、「7時間の生放送ということで、集中していかないといけないですね。毎日がスペシャル番組のような感じでお届けできると思う。こんな大役を受けてうれしいし、生の良さをみなさんにお伝えできれば」とした。

 加藤夏希さんは、「まるでマラソンのような、レギュラーとしては初めての長時間をほぼ毎日やるということで、すごく楽しみ。仕事の合間、休憩中、授業の合間、移動中など、ひまなときに観ていただいて、クスリと笑ってもらえるような番組にしたい」と話した。

 磯山さやかさんは、「7時間ということで、終わった後『ちょっと老けたね』と言われないように、疲れないように楽しく生放送お送りできたらと思う。同世代の女の子たちが結婚しているので、私もこの番組中に幸せな報告ができるように頑張りたい」との目標(?)を明かした。

 宮地真緒さんは「SNSを通して、視聴者のみなさんもぜひたくさん参加してもらって、皆さんと一緒に楽しめる番組が作れたら」と話した。

 赤井沙希さんは、「新しいメディアの可能性にワクワクしています。うちの父(赤井秀和さん)もあるいみチャレンジャーですが、そのDNAを引き継いでいるので、7時間生放送という大きい課題に挑戦して、番組を盛り上げたい」と語った。

7時間生放送への意気込みを語った出演者


(2012年 2月 16日)

[AV Watch編集部 中林暁]