JRIA、2014年までの記録メディア世界需要予測を発表

-BD-Rへ需要移行と予測。磁気メディアは役目終える


 日本記録メディア工業会(JRIA)は7日、Blu-ray DiscやDVD、ビデオテープなどの記録メディアの世界需要予測を発表した。2014年度までの3年間の中期予測をまとめたもので、いずれも2011年度の推定実績に基づいて算出している。今回の発表では、記録メディア製品全体の需要が縮小する中、BD-Rと小型メモリーカードの需要増が見込まれると予測している。

 対象となる記録メディアは、BD-R(追記型)、BD-RE(書換型)、DVD±R(追記型)、DVD±RW(書換型)、CD-R/RW、オーディオテープ、録音用MD、ビデオテープ、ムービーテープ(ミニDVカセット)、小型メモリーカード。8cmDVDについては、需要規模の縮小を受けて予測を中止した。


■ BDは地デジ移行完了で需要増。海外市場の立ち上げが課題

 記録型BDについては、2012年に録画用の世界需要が39%増の2億6,800万枚、2013年は29%増の3億4,500万枚、2014年が17%増の4億200万枚に達すると予測。国内需要が中心で、大きな要因として、2011年7月に地上アナログ放送停波に伴う地上デジタル放送への移行が完了。BDレコーダの普及や薄型テレビ、PCへのBDドライブ搭載等による、インフラ整備が進んだことを挙げている。また、BDの海外市場の立ち上げが業界の大きな課題とした。

 国内需要のタイプ別予測は、2012年度でBD-Rが1億3,900万枚で構成比57%、BD-REが1億400万枚で構成比43%。2014年度にはBD-Rが1億9,800万枚で60%、BD-REが1億3,000万枚で40%と、BD-Rへの需要移行が強まると予測する。

【記録型BD世界需要】

-2011年度推定実績2012年度予測2013年度予測2014年度予測
日本182
(175%)
243
(134%)
296
(122%)
328
(111%)
その他地域11(157%)25(227%)49(196%)74(151%)
世界合計193(174%)268(139%)345(129%)402(117%)

単位:百万枚、()内は前年比

【BDタイプ別国内需要】

-2011年度
推定実績
2012年度
予測
2013年度
予測
2014年度
予測
BD-R99
(54%)
139
(57%)
175
(59%)
198
(60%)
BD-RE83
(46%)
104
(43%)
121
(41%)
130
(40%)

単位:百万枚、()内は前年比


■ 小型メモリーカードは需要増。「磁気メディアは役割を終えつつある」

 記録型DVDについては、追記型DVDの2012年度の世界需要が13%減の32億6,700万枚、書換型DVDは20%減の1億8,000万枚で、いずれも'13年度以降、20%前後の需要減と予測。JRIAでは「映画のネット配信の増大やPC、DVD/BDレコーダ、薄型テレビなどにおけるHDDレコーダの普及が大きな要因」と分析している。

 録画用DVDとデータ用DVDの、今回の用途別需要予測は国内需要に限定。録画用DVDは、'12年度予測で12%減の4億9,400万枚、データ用DVDが15%減の2億8,800万枚で、国内全体では15%前後減少すると予測。その理由について「世界需要減少の大きな要因となっているHDD普及に加えて、記録型BD需要の急速な拡大が大きく影響している」としている。

 記録型CDについては、データ用CD-Rの'12年度の世界需要が前年比17%減の28億2,400万枚、録音用CD-Rは18%減の1億1,300万枚、CD-RW(データ用、録音用含む)は21%減の5,400万枚と予測。また、いずれの項目も'13年度以降、20%前後減少するとみている。

 オーディオカセットテープは、'12年度が42%減の3,800万巻、'14年度が35%減の1,700万巻。録音用ミニディスクは、'12年度が31%減の1,100万枚、'14年度が39%減の500万枚。ビデオテープは'12年度が46%減の1,500万巻、'14年度が44%減の500万巻。ミニDVカセットは'12年度が36%減の3,900万巻、'14年度が30%減の1,900万巻と予測。「デジタル社会の進展により、磁気メディア製品は記録メディアとしての役割を終えつつある」としている。

 一方で、SDカードなどの小型メモリーカードの国内需要については、'12年度が1%増の5,700万枚、'14年度が2%増の5,900万枚と予測し、安定した成長を見込むとした。容量構成比は'14年度には「16GB以上」が27%を占め、大きな需要帯になると予測している。


(2012年 3月 13日)

[AV Watch編集部 庄司亮一]