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三菱、赤色レーザー+LEDの55型液晶TV「REAL LASERVUE」

−レーザー+DIATONEスピーカー。実売38万円


REAL LASERVUE(LCD-55LSR3)

 三菱電機は、バックライトに赤色レーザー光源とシアン色LEDを使って色再現性を向上した55型液晶テレビ「REAL LASERVUE(リアルレーザービュー)」(LCD-55LSR3)を6月29日に発売する。価格はオープンプライスで、想定売価は38万円前後。当初月産台数は3,000台。

 レーザー光源を使った高画質のほか、三菱REALの特徴である「DIATONEスピーカー」による高画質、BD/HDDレコーダ一体型の3D対応オールインワンなどの特徴を継承し、「価値オンリーワンのプレミアムテレビ」として展開する。



■ 赤色レーザー+シアン色LEDバックライトを採用

REAL LASERVUE(LCD-55LSR3)

 赤色レーザー+シアン色LEDのバックライトを採用した液晶テレビ。パネルは55型/1,920×1,080ドットのフルHDで、別売の3Dメガネ「EY-3DGLLC2」を追加することで、3Dにも対応する。

 R(赤)にレーザーを、G(緑)/B(青)には新開発のシアン(青緑)LEDを採用し、両方の光を効率良く液晶パネルに投射するバックライト光学系を新たに開発した。赤色レーザーは左右に16個、合計32個を搭載し、左右のエッジ側に照射、プリズムで反射させる。エッジライトのシアンLED光源は左右に合計160個搭載し、赤色レーザーの反射した光とあわせて、導光板と光拡散フイルムにより画面全体に光を導く。三菱電機ではこのパネルを「LASERVUE Panel」と命名している。

 人の目で識別しやすい赤色に純度の高いレーザーを採用したことで、赤い色の再現性や階調表現が向上し、真紅から桃色、紫などの色をより鮮やかに再現可能とした。また、白色LEDでは各色成分が混合して濁った光となるが、緑と赤の光波長がきれいに分離されているため、深緑やスカイブルーなどの色再現性も改善。白色LEDバックライト搭載のモデルに比べて色再現範囲を約1.29倍に拡大した。x.v.Colorにも対応する。

LASERVUE Panelを採用 パネルの概要 赤色レーザー
赤色レーザーを左右に向けて照射 照射したレーザーがプリズムを介してシアンLEDの光とまじり画面を照らす LASERVUE Panel
REAL LASERVUEの高画質技術

 コストについては「どれくらいとは言えないがかなり高い。しかし、これまで出せなかった色、質感が出せる」(三菱電機 京都製作所 阿部正治所長)としている。コスト以外の欠点としては「2つの光源を組み合わせるため、薄型化には不利」としているが、寿命の問題は無く、高い色純度は画作りの面でも優位点となるとする。

 高画質回路として「DIAMOND 3D Engine PRO」を搭載。縦8分割に配置した赤色レーザーとLEDバックライトユニットを画像の表示に同期して順次点灯し、残像感を低減する「Laser Backlight スキャンニング8」を搭載。インパルス発光制御による残像低減、エリアバックライト制御によるコントラスト向上などの機能も搭載。超解像技術「DIAMOND HD」も搭載する。



■ NCVスピーカーをウーファにも採用

NCVスピーカーをウーファにも搭載

 ボディカラーはブロンズ。本体前面とスタンドにブロンズカラー塗装を施すことで高級感を高めている。

 音質面でもこだわっており、カーボンナノチューブを配合した同社独自の「NCV振動板」を採用したDIATONE NCVスピーカーを搭載する。NCV振動板は、チタンに匹敵する高伝搬速度と、紙同等の適度な内部損失を両立した振動板。REAL LASERVUEでは新たにウーファにもNCV振動板を採用した10スピーカーシステムを採用している。

 スピーカー構成は、センターに4個、左右にサイドに各2個、ウーファ2個の合計10ユニットで、バスレフ方式を採用。出力は左右とセンターが各10Wで、ウーファも各10Wの合計50W。


DIATONEサラウンドスピーカーシステム 側面。奥行きはやや厚めだ

 DIATONEの音響技術も搭載。サラウンド再生機能「DIATONE サラウンド5.1」のほか、奥行を3段階で調整できる「DIATONEサラウンド 2.0」、ヘッドフォン用の「DIATONE サラウンド HEADPHONE」、圧縮音源の補正機能「DIATONE HD」や低音強化の「DIATONE BASS」、「DIATONEリニアフェイズ」などを備えている。また、ドルビーデジタルやDTS、AAC 5.1chのデコーダも搭載している。


■ 録画機能も充実。スマホリモコンやDLNAサーバーも

 録画機能も充実。地上/BS/110度CSデジタルトリプルチューナと1TB HDDを搭載し、2番組同時録画中の裏番組視聴も可能。1系統は視聴専用となる。最長12倍のMPEG-4 AVC/H-264長時間録画モードも装備。番組表はG-GUIDEで、おすすめ自動録画機能や、録画番組の音や映像の切替わりを認識して自動でチャプタを作成する「おすすめ自動チャプター」などを搭載。また、スポーツや音楽番組のみどころだけを自動再生できる「見どころ再生」にも対応する。

録画機能 BDドライブを前面に装備

 HDD容量は1TB。BD→HDDへの「ムーブバック」やHDD内での録画モード変更、BDXL、スカパー! HD録画、AVCRECなどに対応する。Blu-ray 3Dのほか、3D放送にも対応。2D→3D変換機能も搭載する。BDドライブは前面で開閉するため、ディスクの出し入れが簡単なことも訴求していく。

 DLNAサーバー機能を搭載。録画した番組を同一ネットワークのDLNA/DTCP-IP対応機器から再生できる。また、アクトビラやTSUTAYA TV、テレビ版Yahoo! JAPAN、GIGA TVに対応。iOS用アプリの「REAL Remote」も6月上旬よりApp Storeで提供予定で、iPhoneやiPadをREALのリモコンとして活用できる。

 オートターン機能や「しゃべるテレビ」などの「らく楽アシスト」機能や、人感センサーや節電画質など「節電アシスト」も搭載する。

 入力端子はHDMI×3(1系統はARC対応)とD4×1、コンポジット×3、アナログRGB×1など。出力端子は光デジタル音声出力やアナログ音声出力、ヘッドフォン出力。i.LINK(TS)やSDカードスロット、USB、Ethernet×2などを装備する。外形寸法や重量、消費電力などは未定。



■ 「規模ナンバーワンでなく、価値オンリーワン」へ

リビングデジタルメディア事業本部長の梅村博之氏

 三菱電機 常務執行役 リビングデジタルメディア事業本部長の梅村博之氏は、AV事業の基本戦略を説明した。

 「総合力を強みに変える体制の構築」として、同社が高いシェアを持つ赤色レーザーなど半導体レーザーデバイスをREAL LASERVUEに搭載したこと、車載向けスピーカー技術を活かしたNCV振動板など、各事業が連携して新しい価値を生み出していることを紹介。また、「小回りの効く事業体制構築」として、京都地区に、製造、開発、企画部門など全ての映像関連事業を集約。「ディスプレイ・モニターからプロジェクタ、ブルーレイなどを共有させ、ニーズに迅速に対応できる体制とした。規模ナンバーワンでなく、価値オンリーワンを目指す」と語った。販売面でもBtoBのチャンネルをフルに活用し、空調設備や照明などの販路、さらにはホテルや学校などへの販売も予定している。

 BtoBの販路については、'11年度は2割弱だったが、'12年度には「台数ベースで3割を超えるぐらい(京都製作所長 阿部氏)」と見込む。梅村事業本部長は、「高画質、高音質、使いやすさにこだわり、家庭で味わえる映画館の臨場感、感動を目指した。ロンドン・オリンピックの日の丸の赤は、REAL LASERVUEでご覧ください」と訴えた。

AV事業基本戦略 BtoBの販路を拡大 高画質、高音質、つかいやすさをいかしたプレミアムテレビを展開
京都製作所長 阿部正治氏

 京都製作所長の阿部正治氏は、市場動向やREAL LESERVUEの特徴について解説。国内薄型テレビ需要は、'10年度(2,568万台)をピークに、880万台とほぼ半減すると見込んでいるという。「その中で、より特徴ある製品が求められている。AVの本質価値は、画質、音質、大型、使いやすさなどなどのニーズが高まっている。また、録画機能への潜在的ニーズも高く、今後もBD/HDD内蔵型が増加する。われわれは“映画館体験”をコンセプトに掲げてきたが、高画質と高音質、使いやすさを追求した」と語り、レーザー+LEDの新バックライトシステムやDIATONEスピーカーなどの特徴を説明。「新カテゴリのAVシステムとして自信を持って市場に投入する」とした。

 なお、レーザー技術の今後について、梅村事業本部長「光源技術などレーザーはこれからも追いかけていき、プロジェクタなどにも広げている。ロードマップとして、テレビ以外も考えている」と言及。京都製作所 阿部所長は、「具体的にはまだ言えないが、フロントプロジェクタにも技術を活用し、環境面での水銀フリー化なども目指していきたい」とした。

 販売施策についても、近年は音質や3in1を打ち出し、数ではなく価値をじっくりと訴求する展開としており、「業界平均では単価5万円切っているが、三菱の3in1は10万を少し切るぐらいを維持できている」としており、「規模ではなく価値を訴えていく。ここにもう一段付加価値と単価を上げていきたい」と説明。スマートテレビ展開については、「テーマとしてはあるが、テレビの王道でプレミアム録画テレビとして差別化できている。今回は組み入れていない」と語った。


(2012年 5月 30日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]