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ソニー、84型/4Kで“臨場感”を伝える液晶TV「84X9000」

−168万円。4K X-Reality PROでフルHDも4Kに


KD-84X9000

 ソニーは、84型で4K/2K解像度の液晶テレビ「BRAVIA KD-84X9000」を11月23日より発売する。価格は168万円。BRAVIAシリーズの最上位モデルで、ソニー初の4Kテレビとなる。受注対応で、納期は注文後4週間程度の見込み。予約受付は11月8日から。


KD-84X9000 通常スタンド利用時 テーブルトップスタンド利用時

■ 業界最大級の84型4Kパネル採用。4K超解像も

KD-84X9000

 4Kとしては業界最大となる84型パネルを採用。解像度は3,840×2,160ドットで、倍速パネルを採用。エッジ型のLEDバックライトを採用し、エリア駆動にも対応(エリア数は非公開)。4倍速相当の残像低減を謳う「Motionflow XR240」を搭載する。新開発の映像エンジン「4K X-Reality PRO」を搭載し、ネイティブ4K映像だけでなく、フルHD映像も高精細にアップコンバートし、4Kのパネルに高精細に表示する。

 フルHD視聴距離の半分(画面の高さの1.5倍)まで近づいても画素が気にならないため、約60度の視野角にわたり「臨場感のある映像を楽しめる」とする。


KD-84X9000。フロアスタンド利用時 テーブルトップスタンド利用時 84型の大画面で4K映像を表示
2Kの視聴イメージ(視野角30度) 4Kの視聴イメージ(視野角60度) 大画面に近づいて見ることで、臨場感を向上

 4K X-Reality PROは、BRAVIA上位モデルに搭載している「X-Reality PRO」と新開発チップ「XCA8-4K」を組み合わせて、4Kネイティブ映像の高画質化や、フルHD映像の高精細/高画質な4Kアップスケーリングを行なう。4K映像入力の場合は、パターンイメージを解析した後、映像の特徴に合わせた最適なパターンで超解像処理を行なう。一方、フルHD/2K映像については2K映像の段階で超解像処理(ノイズ低減/複数枚パターン検出/データベース参照超解像処理など)を行なった後、4Kにアップコンバート。その4K映像に、さらにデータベース参照超解像処理を行なう。

4K X-Reality PRO
大画面/高精細をアピール 4K超解像

 メモリーカードスロットやUSB接続したデジタルカメラ写真の再生にも対応。4K/829万画素の解像度を活かしたディテール豊かな写真表現が可能という。

 また、3Dにも対応。これまでのBRAVIAで展開してきたアクティブシャッターメガネではなく、パッシブ型の偏光メガネを採用。Blu-ray 3DのフルHD 3D映像の場合、3,840×2,160ドットにアップコンバートした上で、画面上の偏光シートで左右それぞれ3,840×1,080ドットの3D映像として、水平に1ラインずつ振り分けて表示。それをパッシブ3Dメガネで見ることで、3D映像を楽しめる。垂直方向は1,080ドットのままとなるが、バッテリ無しの軽量なメガネで3D体験が可能。

 また、PS3の2人でプレイするゲームで、プレーヤーそれぞれに異なる映像を2D表示できる機能「SimulView」にも対応する。3Dメガネ「BKM-30G」は2個付属。BKM-30Gの単品販売も検討しているが、現時点では未定とのこと。

偏光方式の3Dメガネ「BKM-30G」 垂直解像度が半分になっても、1,080ドットを確保し、3Dを楽しめる
背面

 HDMI入力は4系統装備し、うち2系統が4Kのネイティブ入力に対応する。HDMIの対応入力解像度は3,840×2,160ドット/30p/24pと4,096×2,160ドット/24p。4Kの60p映像については、現時点ではHDMIの規格が策定されていないため、入力できない。ソニーの4K出力(30p/24p)対応機器としては、BDレコーダ「BDZ-EX3000」などが用意されている。

 また、2012年度内にPlayStation 3用のアプリケーション「PlayMemories Studio」の4K対応バージョンを提供し、4Kの写真入力に対応予定。このPlayMemories Studioは、4Kプロジェクタ「VPL-VW1000ES」用の「PlayMemories 4K」とは別のものとなる。


PlayStation 3から4Kで写真出力 新PS3(CE-CH4000)のディスクトレーを開けたところ

■ スピーカーも強化し、S-Masterで10ユニット駆動

10ユニットライブスピーカーシステムを搭載

 映像だけでなく、音の面でも強化。ウーファ×4、サブウーファ×4、ツィータ×2の合計10基のサイドスピーカーから構成される「10ユニットライブスピーカーシステム」を搭載し、デジタルアンプ「S-Master」で駆動。出力は12.5W×4ch。独自の「S-Forceフロントサラウンド3D」により、仮想5.1chサラウンド音場を実現できる。

 チューナやネットワーク機能などは、HX950/850シリーズと共通。地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナを搭載し、別売のUSB HDDへの録画に対応。番組視聴中の裏番組録画に対応する。


音質をアピール 10ユニットライブスピーカーシステム(の片側) 独自の形状で定在波の影響を排除
4系統のHDMIのうち、2系統が4K対応 スタンド部
側面

 Ethernetのほか無線LANを搭載。Wi-Fiダイレクトモードに対応する。DLNA/DTCP-IPクライアント機能の「ソニールームリンク」も利用できる。ネットワークサービスは「Sony Entertainment Network(SEN)」に統合し、リモコンの専用ボタンで呼び出し可能。HuluやYouTube、Video Unlimitedなどのネット動画コンテンツのほか、Twitter、Facebook、Skype、ニコニコ実況などのコミュニケーション、ソニーの写真共有サービスPlayMemories Online、ショッピング、情報検索など多くのサービスをラインナップする。

 Android/iOSアプリ「Media Remote」によるスマートフォンからの操作や、VAIOとBRAVIAを無線LAN接続して、VAIOを簡易コントローラとして利用できる「Remote Keyboard」にも対応。HDMI入力は4系統装備し、ブラビアリンクに対応。D5入力×1、コンポジット入力×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)入力×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン出力×1などを装備する。FeliCa対応/無線接続のリモコン「おき楽リモコン」(RMF-JD011)が付属する。

 消費電力は574W(待機時0.20W)で、年間消費電力量は555kWh/年。省エネ基準達成率は81%。外形寸法は213.7×56.7×120.9cm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで80kg、フロアスタンド装着時で97.9kg、テーブルトップスタンド装着時で95.2kg。


■ 「五感に届く臨場感」を。4Kの最初の一歩

ホームエンタテインメント&サウンド事業本部 今村本部長

 ソニー 業務執行役員 SVP ホームエンタテインメント&サウンド事業本部の本部長 今村 昌志氏は、4Kテレビ投入の意義や戦略について解説した。

 同社のテレビ事業の構造改革については、「着実に実行しており、計画通りの進捗となっている」とし、2013年度の黒字化を目指し、数を追うのでなく、大型テレビの構成比を高めて、単価の向上と収益改善を図る方針を示した。アナログ停波以降はマーケットが縮小しているものの、大型の構成比は伸びており、国内市場の46型以上金額構成比は'11年度の約15%から35%まで拡大しているという。

 BRAVIAの基本戦略も、「大画面・高付加価値へシフト」で、大画面による高画質やネット動画も高画質で楽しめることなどを訴求。6月25日週から9月17日週までの46〜49インチと、50インチ以上の液晶テレビ販売では、それぞれシェア1位を獲得しているという。


大型テレビの構成比が高まる 46〜49インチと、50インチ以上の液晶テレビで国内シェアトップに

 4K BRAVIA「KD-84X9000」では、フルHDでは味わえない「五感に届く臨場感」をアピール。視聴距離もこれまでより短くし、視野角60度での“体験”で大画面/高精細の魅力を訴えていくとする。今村本部長は、「(KD-84X9000は)これまでのテレビの延長ではなく、これから実現したいものを世に問うその第一弾。テレビ市場は常に変化しているが、大きくてキレイなテレビを買いたい欲求は全世界普遍だと考えている。テレビの本質は、リビングに、皆がリラックスして楽しむ大画面。どんなにデジタルが進化しても、感じるのは人間。人々の五感を通して体験するリビングの窓になる。五感に届く臨場感、感性豊かな体験をお伝えしたい」と訴えた。

 また、「(KD-84X9000は)最初の一歩。まだまだ実現したいことはたくさんある。全社を挙げて、感動価値提供に邁進し、新しい価値を紹介していきたい」と説明。販売台数は非公開だが、「これから市場を作っていくための製品と考えている」とした。

 他社も4Kに取り組む中でのソニー4Kの特徴としては、「パネルと信号処理回路のすり合わせ、バックライト特性などをマッチさせることに注力した。BDコンテンツを高精細化するとともに、静止画も最適化した。特にソニーのデジタルイメージング製品の特性にマッチした画作りをしており、こうした組みあわせ、すり合わせの技術」と語った。

4Kや音質など総合力をアピール

 4Kコンテンツの拡充や提供方法については、「ソニーピクチャーズにおいては、4K映画が当たり前になっており、YouTubeにおいても4Kで配信できる。数については楽天的に考えている。ただ、(課題は)それを届ける仕組み。届ける方法については、全社のノウハウを集めて検討している。いつとは答えられないが、全社を挙げて、実現に向かいたい。また、4Kというフォーマットに注目されるとは思うが、我々が伝えたいのは“大画面だと2Kでは足りない”ということ」とも語った。

 なお、ソニーの'12年度の全世界のテレビ年間販売台数予想は1,550万台だが、この数字については下方修正される見込み。ローエンド製品の販売減が要因としている。


(2012年 9月 27日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]