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ドコモ、4K対応のHEVC/H.265デコーダを提供開始

H.264の半分の帯域で配信。スマホでフルHD、PCで4K

 NTTドコモは、動画圧縮方式HEVC(High Effiiciency Video Coding)で圧縮された動画を、モバイル機器やPCでデコード(復号)するソフトウェアを国内外の事業者向けに3月中に提供開始する。スマートフォンでのフルHD再生に対応するHEVCデコーダソフトの提供は世界初という。

 HEVCは、ITU-TやISO/IECで標準化された動画圧縮方式。ITU-TではH.265、ISO/IECでは23008-2として承認されており、MPEG-4 AVC/H.264の次世代規格として期待されている。HEVCは、H.264に対し、動画を約半分のデータ量に圧縮できるという。800×480ドット30fpsの動画の場合、MPEG-4 AVCで約1.6Mbpsの動画をHEVCでは約800kbpsで配信可能。フルHDの1,920×1,080ドット/30fpsでは、AVCで3.2Mbpsの映像を1.5Mbpsで配信できるとする。

 ドコモが提供するデコーダは、HEVCで圧縮された動画をモバイル機器やPCなどの汎用動画プレーヤーで再生可能にする。スマートフォンでのフルHD(1,920×1,080ドット/30fps)再生に対応。再生遅延やコマ落ちをなくし、滑らかな実時間再生を実現しているという。また汎用PCでは、フルHDの4K(3,840×2,160ドット/60fps)動画の実時間再生に対応する。

 デコーダのライセンス提供により、様々な企業によるHEVC方式の導入開発を促進し、スマートフォンやタブレット向けの動画サービスの高画質化および通信ネットワーク負荷の軽減を目指す。今後は、dビデオやdアニメストアなど、ドコモの動画サービスにHEVCを取り入れる検討を進めていくという。

解像度スマートフォン
タブレット
汎用PC
800×480
30fps
1,920×1,080
30fps
3,840×2,160
60fps
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 ドコモは、HEVCの実演デモを2月14日から開催されるNTT R&Dフォーラムと、2月25日月曜からスペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress 2013」のドコモブースで展示する予定。

(臼田勤哉)