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【ヘッドフォン】ULTRASONE、約19万円の「edition12」初公開
Shure「SE846」、日本初上陸SMS Audioなど
(2013/5/11 21:26)
タイムロード
タイムロードのブースでは、独ULTRASONEのハイエンドヘッドフォン「editionシリーズ」の新モデル「edition12」の試聴機を用意。多くの来場者が列を作っていた。発表当初は7月発売とアナウンスされていたが、6月下旬に前倒しされ、価格も195,300円に決定した。
オープン型で、頭内定位を解消する独自技術「S-Logic Plus」を採用。40mmのゴールドプレイテッドドライバーを採用し、再生周波数帯域は6Hz~42kHz、出力音圧レベルは99dB、インピーダンスは40Ω。ヘッドパッドには、エチオピアン・シープスキンレザーを使い、ケーブルは両出しの3m。
また、タイムロードはフランスのヘッドフォンメーカー、Aedle Headphonesの総代理店契約を締結。夏頃に第1弾ヘッドフォンの「VK-1」の発売を予定しており、会場にClassicとCarbonの2色を参考展示した。価格は未定。
「最新のテクノロジーとフランスの伝統的職人技を融合させた」というヘッドフォンで、40mm径のチタンドライバとネオジウムマグネットを搭載。ハウジングはアルミ削り出しで、デザイン性が高いだけでなく、共振を抑える役目もあるという。ヘッドバンドはマンガン鋼をラムスキンで覆い、イヤーパッドにもラムスキンを使用している。
また、5月11日から発売を開始する、オーストラリアのヘッドフォンメーカー・Audiofly(オーディオフライ)の製品も一挙に展示。カナル型(耳栓型)イヤフォン4シリーズで、それぞれに、スマートフォン用のマイク/リモコン「Clear-Talk」が付いたモデルも用意。
フラッグシップモデルの「AF78シリーズ」には、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型のデュアルドライバを搭載(Clear-Talk付きが実売26,502円前後、Clear-Talk無しが25,400円前後)。
下位モデルはいずれもダイナミック型ユニットのみ採用で、「AF56シリーズ」は13mm径(Clear-Talk付き:実売12,600円前後/無し:13,902円前後)、「AF45シリーズ」は11mm(7,497円前後/8,799円前後)、「AF33シリーズ」は9mm(3,801円前後/5,103円前後)のユニットを搭載。
Shure
3ウェイ、4ドライバを搭載した最上位のカナル「SE846」(7月中旬発売/実売約12万円前後)を発表したばかりのShureブースでは、試聴用の整理券を配布するほどの人気ぶり。開場と共に、整理券を求めて多くの人が集まり、その後も常に人だかりが出来ていた。
また、来日しているモニタリング・カテゴリー・ディレクターのマット・エングストローム氏、イヤフォン・プロダクト・マネージャーのショーン・サリバン氏も参加。ユーザーに感想を聴くなどの一幕もあった。
イーケイジャパン
真空管アンプのキットなどでお馴染みのイーケイジャパンは、5月下旬に発売予定の真空管ハイブリッドポータブルヘッドフォンアンプ「TU-HP01」を展示した。キットではなく完成品で、価格は19,950円。
入力部に真空管、出力部にオペアンプを使用したハイブリッド構成のポータブルアンプで、「若いユーザーにも滑らかで芳醇な真空管の音を気軽に楽しんで欲しい」というコンセプトで開発したという。
外形寸法117×78×16mm(縦×横×厚さ)、重量125g(電池含まず)という薄型アンプだが、採用している真空管が電池管(Raytheon 6418)であるため、消費電流が少なく、発熱&発光もほとんど無いという。筐体に放熱用の穴が空いているが、「放熱のためよりも、真空管が入っているのを見せる意味合いが強い」とのこと。真空管だが、電源をONにしてから数秒で使用できるとのこと。
真空管を基板から浮かせる事で、ショックを与えた時に発する「キーン」というマイクロフォニックノイズを低減。出力部のオペアンプは差し替えが可能で、JRC「MUSES8820」とBurr Brown「OPA2604」の2種類を標準で同梱。出荷時にはMUSES8820を実装済で、差し替えて音の違いが楽しめる。
周波数特性は10Hz~65kHz、対応ヘッドフォンは16Ω~32Ω推奨。ステレオミニの入出力を各1系統備える。電源は単4電池4本で、約10時間の使用が可能。
SMS Audio
モダニティが日本で発売を予定しているのが、SMS(スタジオ・マスタード・サウンド) Audioというブランド。ラッパーの50 Centが立ち上げに加わったブランドで、「SYNC by 50 Cent」と「STREET by 50 Cent」という2つの製品ラインがある。なお、いずれの製品も日本での価格や発売日は未定。
「SYNC by 50 Cent」のアラウンドイヤー型ワイヤレスヘッドフォンは、ワイヤレス音楽伝送技術「Kleer」に対応したモデルで、送信機と入力端子を兼ねたユニットと、受信機を内蔵したヘッドフォンで構成。ドライバは40mm径のダイナミック型を内蔵。耐久性と柔軟性が高いのが特徴で、ヘッドバンドにはカスタム高分子プラスチックを使った「Shatterproof UFP」を採用。ねじるようにしても破損しない。
「STREET by 50 Cent」ラインでは、40mm径ドライバを採用したオンイヤータイプと、40mmドライバのアラウンドイヤータイプ、さらに40mmドライバ採用のDJ向けモデルも用意。DJ向けモデルは、ハウジングが回転でき、片耳モニターが可能。
その他
オーディオテクニカブースでは、重低音再生を特徴としたSOLID BASSの新イヤフォン「CKS77X」などと共に、アートモニターシリーズも一挙に展示。さらに、PlayStation 3からアップサンプリング出力した音楽を、24bit/192kHz対応のDAC内蔵ヘッドフォンアンプ「AT-HA26D」と接続し、ハイレゾ音楽でヘッドフォンの実力が試せるようにしていた。
Agaraでは、夏の発売を予定しているというヘッドフォンアンプ「AGH-7」を参考展示。最高の音質を目指したというモノ構成のアンプで、21ステップのアッテネータを搭載。電源部追加により、左右独立電源構成にもでき、プリアウト機能も備える。これをベースに、パーツに超高級なものを使うという限定バージョンも予定。32bit/384kHz対応DAC機能を備えたモデルなども予定しているという。
ゼンハイザーブースでは、24bit/192kHz対応のDACを備えたヘッドフォンアンプ「HDVD 800」を豊富に用意。HD800などで試聴できる環境を整えた。ただし、アンプの発売日はまだ決まっていないという。HDVD800は、シンメトリカルなレイアウトを採用。標準プラグだけでなく、4ピンのバランス出力端子も備えている。
ラックスマンブースでは、USB DACの「DA-06」と、バランス駆動対応ヘッドフォンアンプ「P-700u」の試聴環境を用意しているほか、イベント用の実験仕様として、「P-700u」をモノラルヘッドフォンアンプに改造したものを出展。2台のモノラル仕様「P-700u」を使って、1台のバランス接続ヘッドフォンをドライブするというもので、来場者はリッチなサウンドを楽しんでいた。
中村製作所のブースでは、プレーヤーとヘッドフォンの間に接続し、トランスを用いて高周波ノイズを除去するヘッドフォンコンディショナー「AClear Porta(アクリア ポータ)」の新製品を展示。ポータブルタイプ「NIP-02SQ」と、据え置き型「NIP-03」が追加される。
共通の特徴として、ノイズ除去だけでなく、ソースのステレオ感を調整する「ステレオミックス回路」を搭載。ステレオ録音が始まった頃の、ステレオ感を強調したような録音の楽曲を再生する際の違和感を緩和したり、片耳が不自由な人がステレオソースの情報量をモノラル化して片耳で楽しむといった使い方もできるという