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ソニー、3D内視鏡手術向けのヘッドマウントモニター

有機EL+3Dを医療分野に応用。PinPなど対応

HMS-3000MT

 ソニーは有機ELヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使い、内視鏡からの3D映像を表示するヘッドマウントイメージプロセッサユニット「HMS-3000MT」を8月1日より医療機関向けに販売開始する。価格はオープンプライスで、市場想定価格は157万5,000円。

 内視鏡手術では、精度の高い立体映像で手術患部を把握できるため、3D対応の内視鏡が増えているという。そのため、より精度の高い3D映像やモニターの需要が高まっていることから、ソニーの3D技術を活かした3Dワークフローとして提案する。

 外科用の3D内視鏡に対応したヘッドマウントイメージプロセッサユニットと、付属の3Dヘッドマウントモニター(HMM-3000MT)から構成される。プロセッサユニットには2台までのモニターを接続可能で、モニターを追加できる。モニターのHMM-3000MTの市場想定価格は105万円。

ヘッドマウントイメージプロセッサユニット
3Dヘッドマウントモニター「HMM-3000MT」

 表示デバイスには、0.7型/1,280×720ドットの有機ELパネルを左目用、右目用のそれぞれに配置。左右に独立したHD映像を表示して3Dを実現するため、映像が二重に見えるクロストークが発生せず、忠実な色合再現と精度の高い奥行き情報表示が可能という。

接続構成例

 これまでの内視鏡手術においては、医師は映像を外付けモニターで確認しながら施術するため、モニターへ向いた姿勢を保つ必要があり、動きが制限される。ヘッドマウントモニターを利用することで、3D表示とともに自由な姿勢での手術が行なえるとする。2つの映像を同時に表示するピクチャインピクチャ機能を使って、内視鏡映像だけでなく、超音波内視鏡の映像情報などを同時に表示できる。2D/3Dの切り替えや左右反転、180度回転表示にも対応する。

 立った状態でバランスが取れるように設計されており、頭部前頭部や頭頂部にクッションをもたせることで長時間装着に対応。ヘッドバンドの調整機構にはソニーのヘッドフォンのバンド技術を応用している。また、本体下部にスキマをもたせているため、ヘッドマウントモニターの映像と手元を小さな視線移動で見ることができるという。

 内視鏡からの入力はDVI-D×2とSDI(BNC)×2。スルー出力用のDVI-D×2やSDI(BNC)×2、ステレオミニのREMOTE端子も備えている。イメージプロセッサの外形寸法は約306×358×56.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.3kg。ヘッドマウントモニターの外形寸法は191×271×173mm(同)、約490g。

(臼田勤哉)