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「画質でテレビ選ぶならOLED」、LGディスプレイが“RGBタンデム”の魅力訴求。液晶とのガチ比較も
2026年8月4日 11:44
テレビメーカー各社に有機ELパネルを販売するLGディスプレイジャパンは30日、メディア向けの説明会を開催した。有機ELの特徴を改めて紹介したほか、測定器を用いた液晶テレビとの比較デモも公開した。
ゲストとして登場した麻倉怜士氏は、赤・緑・青色の発光層からなる最新の“RGBタンデム”技術について、「ディスプレイの根幹は、何よりもコントラストだ。黒の沈みと白のピークが両立する高いコントラスト性能が最も重要であり、そこに広い色再現が加わるのが理想。その意味でRGBタンデムは、高画質の正しい方向性だ」と語り、その性能を高く評価した。
画質で選ぶならOLEDであるということを愚直に伝え続ける
冒頭、LGディスプレイジャパンの社長を務める沈昭暎(Soyoung Sim)氏が登壇。
「2013年にLG電子が世界初の55型WOLEDを発売してから13年が経つ。我々は有機ELに対する技術革新と合わせ、量産性・採算性も強く追及し続けてきた。いまでは、有機ELはディスプレイ市場におけるコア技術となっている。テレビはもちろん、ほとんどのスマートフォンに搭載される状況を見ると非常に感慨深い。“視覚”は人間がもつ五感の中でも、最も重要な部分。我々はこの視覚を通じて、人々の暮らしをより豊かに、より感動的に、より便利にするために、我々は進化を続けてゆく」と語った。
続いて、LGディスプレイジャパンの松山智勇氏からは、北米、欧州、日本地域における有機ELテレビの市場動向説明が行なわれた。
バックライトを使わずに、ピクセル単位で輝度と色をコントロールできる自発光型の有機ELは、2013年にLGディスプレイが大型パネルの量産に成功。LGエレクトロニクスの商品化に続き、テレビメーカー各社が有機ELテレビを発売。高い画質性能を求めるユーザーを中心に支持を拡大してきた。
2022年には、ライバルであるサムスンディスプレイが量子ドットを使ったQD-OLEDパネルを発表。有機ELの技術競争が加速し、北米・欧州エリアのハイエンドテレビ市場では、両社の最新有機ELパネルを搭載したテレビが高い人気を集めるようになっている。
一方日本市場では、ハイエンド市場における有機ELテレビは苦戦中だ。
こうした国内のマーケット状況について、松山氏は、海外とのテレビブランド構図の相違や販売現場・メディアへの情報提供不足なども要因にあると分析。
「我々サプライヤーも今後は、有機ELの特徴・魅力について、量販店様へのトレーニングやメディアへの情報提供も強化していく必要がある。今回、国内で初めての説明会を開催したのも、その取り組みのひとつと捉えて頂きたい。いかなる実使用環境においても“一貫したブレない画質”を提供できる我々のパネルの強みを、画質で選ぶならOLEDであるということを愚直に伝え続けなければならない」と述べた。
Tandem WOLEDの魅力は「環境に左右されないゆるぎなき描写力」
説明会では、LGディスプレイが展開する有機ELパネル「Tandem WOLED」におけるこれまでの技術進化が紹介された。
なお、Tandem WOLEDとは、これまでの「OLED.」に代わる有機ELパネルの新しいブランド名称。有機EL発光層が縦に並ぶ(Tandem)ことで、白色(White)を創り出す、独自のWOLED構造を表している。
同社のパネル進化を振り返ると、2022年、有機EL発光層に重水素材料を初めて採用。従来の水素よりも化学結合がより強固なものとなり、パネルの輝度(ピーク1,300nit)と耐久性(寿命)が大きく向上した。
2023年はパネル表面に微細なレンズ層を生成することで、内部の反射で失われていた光を取り出すマイクロレンズアレイ(MLA)技術を開発。消費電力はそのままに、ピーク輝度を2,100nitまで伸長させることに成功した。翌24年にも、MLAと駆動アルゴリズムの最適化でピーク輝度を3,000nitにまで高めた。
そして2025年、発光層にメスを入れた革新技術「RGBタンデム」を導入。従来の3層発光(青青黄)から、原色の4層発光(青青赤緑)になったことで、輝度の大幅アップとピュアな白色光の生成を実現。消費電力20%削減を実現しながら、4,000nitというピーク輝度、これまで弱いといわれてきた色域についても、DCI-P3カバー率99.5%、BT.2020カバー率83%まで拡大させた。
最新の2026年パネルでは、このRGBタンデム技術をバージョンアップ。発光効率や駆動のアルゴリズムを見直すことで、輝度ピーク4,500nitを達成した。
加えて、従来よりもさらに映り込みを抑える表面反射技術を導入。屈折率の異なる反射低減層を2層から3層へ増やし、トータル反射率0.3%(2025年は反射率0.6%)という世界最小レベルの低反射を実現した。
松山氏は「マット調の表面処理と異なり、我々のパネルは“グロッシー”な表面をキープしているのがポイントだ。映り込みを抑えながら、映像の鮮明さやピークの煌めき感は失われていない。照明のある環境にテレビを設置しても、パネルが光を拡散すること黒が浮いて見えてしまったり、色が変わって見えてしまうことがない」とメリットを強調する。
一方で、メーカーの要望によりマット調の表面処理を施したパネル(主にモニター用)も生産しており、常にメーカーや消費者の趣向に合わせた対応を心掛けていると説明した。
またTandem WOLEDが持つ高い基本性能についても言及。
「Tandem OLEDには、ピクセル単位で明暗表現できる正確な輝度、安定した黒の描写、安定した色再現性、そしてあらゆるシーンでコンテンツ本来の画を正確に再現できる描写性能が備わっている。フリッカーが無く、青色LEDなどと比べてもローブルーライトで、視覚への刺激が少ない。こうした特徴は、世界的な評価機関であるULやIntertekにおいても実証されている。我々のパネルの強みは“Always the Standard, Always Ahead(環境に左右されないゆるぎなき描写力)”にある」とアピールした。
ピクセル単位で明暗表現できる正確な輝度と安定した色再現性
会場では、液晶テレビと最新有機ELテレビの表示比較を実演した。
用意されていたテレビは、最新の有機ELテレビ「LG OLED77G6PJB」(77型)のほか、量子ドット×ミニLEDバックライトの液晶テレビ(75型)、RGB LEDバックライトの液晶テレビ(85型)の3つ。RGB LEDモデルに関しては、表面の液晶セルが取り外されて拡散シートが剝き出しになった状態のものも設置されていた。
有機ELの高いコントラスト性能のほか、特にデモで強調したのは、ピクセル単位で明暗表現できる有機ELの正確な輝度と安定した色再現性だ。
液晶テレビの場合、液晶分子そのものが発光している訳ではないため、LEDなどのバックライト光源が必要になる。バックライトの性能やそれをエリアごとにコントロールするローカルディミング技術は各社で年々進歩しているが、画面サイズやコストパフォーマンスもあって、LEDの個数やエリア分割数は限られる。このため、LEDの個数やエリア分割数が少なく、制御技術がプアな場合、一貫した輝度を保つのが難しくなる。
デモでは液晶・有機ELテレビの双方に、サイズの異なるブロックパターンを表示し、その輝度値を専用センサーで測定。液晶テレビは10%、0.5%、0.1%とブロック(ウィンドウ)のサイズを変えるたびに輝度が著しく変動してしまったが、ピクセルディミングの有機ELは輝度変動が抑えられていることを示した。
またRGB LEDモデルについては、映像信号で発光パターンが切り替わる点を指摘した。
RGB LEDは、原色(赤・緑・青色)の微細なLEDを発光させることで、明るく鮮明で色鮮やかな映像を生み出せるのが特徴。実際、量販店等で流れているデモ素材を見ると、高輝度かつビビッドな画が楽しめる。
ただし、様々なオブジェクトが混在する複雑な映像信号が入ってきた場合、各色を個別に発光させる“カラーディミング”が困難となり、RGB全色を発光させる“ホワイトディミング”に切り替わるのが一般的だ。この際、色域の低下やカラークロストーク(色の混じり)が発生するため、これらをどこまで抑制できるか? が、RGB LEDモデルを展開する設計・開発陣の腕の見せ所とされる。
松山氏は「デモに使用しているRGB LEDは、エリア分割数が低いモデル」と前置きしながらも、「現在ラボで様々なテレビの検証を進めているが、RGB LEDが抱える課題は、最新モデルであっても変わらない。この方式はブロック数が多いほど有利で、例えば115インチサイズで2万ブロック程度用意すれば、RGB LEDの効果を発揮しやすいだろう。逆にインチサイズが小さくブロック数が減ると、制御が難しくホワイトディミングになるシーンが増えがちだ。有機ELはピクセルディミングであるため、画面サイズによる実性能が異なることはない」と強調した。
消費電力性能についてもアピール。科学的な検証の最中ではあるとの前置きはあるが、一般家庭における視聴モード(スタンダードモード)で有機ELテレビとミニLED液晶テレビに同じ映像を表示させ、実際の視聴環境においては、同等かそれ以下の省エネ性能を実現していることを紹介した。
「国内の測定はAPL50%(画面上の黒:白=1:1)における画面中央輝度を約230nit以上に設定し算出されており、この輝度の維持に有機ELは多くの電流を要するため、液晶に対し不利な結果になりやすい。もっと消費者が分かりやすいよう、自動車の燃費表示のように、実際の使用環境におけるモード別消費電力を併記するなど、実際との乖離を丁寧に説明し、消費者への理解と認知を広めたい」と語った。
超大型サイズのコストイノベーションは継続中
質疑応答では、メディアから「液晶よりも大型・低コスト化が難しいこと」、加えて「輝度性能や耐久性に対する懸念」について質問が上がった。
この点に対して、同社は「日本での100インチ超えは技術アピール色が強いものの、90インチ台は実用領域として追随しなければならないと考えている」と説明。超大型サイズのコストイノベーションは継続されていると強調した。
耐久性に関しては、著名なレビューサイト「Rting.com」で昨年行なわれた加速テストを紹介。「液晶の不良率が約55%だったのに対し、部材が少ない有機ELの不良率は約15%だった。同じ映像を表示しつつければ焼き付きは起きうるものの、(異なる画像が表示される)一般的な使用状況においては、加速テストにおいても懸念される焼き付きはゼロであったことが報告されている」と述べた。
説明会には、ゲストとしてオーディオ・ビジュアル評論家である麻倉怜士氏が登壇。
麻倉氏は「これまでのディスプレイの中で本当の意味で“黒”を再現できたのは有機EL。ディスプレイの根幹は、何といってもコントラスト。黒の沈みと白のピークが両立する高いコントラスト性能が最も重要であり、そこに広い色再現が加わるのが理想」とコメント。
RGBタンデム技術については「有機ELのもともとの高い素性があるなかで、レンジが広く、色のケアもしっかり伸ばしてきた。高画質ディスプレイの正しい方向性だ」と語り、その性能を高く評価した。
そして、その高性能なディスプレイ“使いこなし甲斐があるディスプレイ”の存在がメーカー間の競争や画作りの個性を醸成してきたと指摘。
具体的には、LGは力強さと明瞭さが画の特徴だと紹介。グローバルで受け入れられやすい“世界画質”となっており、高コントラストかつシャープな力強いメリハリある作りと評価。
パナソニックについては、「同じコンテンツで各社比較すると、パナソニックの有機ELは、単に画質要素としてのハイクオリティに留まらず品格、風格という際立った上質さがポイントだと分かる。かつてブラウン管テレビに“画王”があったが、いまや“有機EL王”と評しても過言ではない」と評価した。
またシャープについては、QD-OLEDパネルを一時採用したことで、「色の良さや色で人を感動させる方向へ画作りが進んだ」とコメント。2026年モデルは、QD-OLEDで培ったノウハウをRGBタンデムモデルにも活かすことで、色使いや色への強いこだわりが感じられる画に仕上がっていると分析。
そしてレグザについては、「レグザは東芝時代からの徹底して画づくりに突っ込んできた。それを有機ELの最新パネルに活かし、たいへん説得力のある映像を得ている。まさにパネル力と画づくり力のダブルパンチが発揮されている」と話した。
最後に、有機ELの存在理由について「映像を正確に表示すること。制作者が意図する映像を正確に映すことができるディレクターズインテントにある」と指摘。「液晶の画がバラけてきている中で、有機ELはトータルでの“正確性”を信条として、今後もイノベーションを続けて欲しい」と語った。





























