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ソニー、ハイレゾポータブルヘッドフォン「MDR-10R」

NC/BTに加えオンイヤーモデルも。約19,000円

コンパクトな密閉型の「MDR-10R」、ブラックモデル

 ソニーは、価格を抑え、携帯性に優れた新ヘッドフォンシリーズ「MDR-10」4機種を10月25日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、密閉型の「MDR-10R」が19,000円前後、Bluetooth対応の「MDR-10RBT」が27,000円前後、アクティブノイズキャンセリング「MDR-10RNC」が30,000円前後、オンイヤータイプの「MDR-10RC」が19,000円前後。

 カラーバリエーションとして、「MDR-10R」はブラックとホワイトの2色を用意。「MDR-10RBT」と「MDR-10RNC」はブラックのみ。オンイヤーの「MDR-10RC」は、ブラック、ホワイト、レッドの3色を用意する。

 同社はヘッドフォンラインナップとして、音質へのこだわりを追求した「MDR-1」シリーズを最上位として、「MDR-1R」などのモデルをラインナップしている(本日後継モデルMDR-1RMK2などが発表された)。新しい「MDR-10」は、これらMDR-1シリーズを小型・軽量化し、オンイヤーモデルも追加するなど、携帯性に優れたモデルとして位置付けられている。また、価格も抑える事でユーザー層の拡大も図っている。

 10Rシリーズに共通する特徴は、1Rシリーズで採用されたモダンなデザインを踏襲しながら小型化しつつ、1Rに採用されているHDドライバーユニット、ビートレスポンスコントロール、エンフォールディングストラクチャーなどの技術を投入している事。ハイレゾ音源の再生にも対応するよう、ワイドレンジな再生機能も持たせている。ただし、1Rシリーズの特徴である振動板素材の液晶ポリマーフィルムは使われていない。

 ソニーではハイレゾ製品の拡充を進めている。同社が定義する「ハイレゾ製品」は、再生周波数帯域40kHz以上のモデルで、その中でも社内の聴感検査をパスしたモデルと定めている。この記事の中では、「MDR-10R/10RBT/10RC」が該当となる。

MDR-10R

「MDR-10R」のホワイト

 40mmのドライバを搭載。広帯域再生を実現するため、「HDドライバーユニット」技術を採用。振動板の素材と形状に新たな改良を加える事で、再生帯域5Hz〜40kHzを実現した(MDR-1Rは4Hz〜80kHz)。

 ハウジング上に通気孔を設けることで、低域の通気抵抗をコントロールする「ビートレスポンスコントロール」も搭載。リズムを正確に再現できるとする。

 装着面では、低反撥ウレタンフォームを立体的に縫製したイヤーパッドを採用した「エンフォールディングストラクチャー」を採用。パッドが耳を包み込むような形になることで、快適な装着性と高い気密性を実現。音漏れも低減し、低音の迫力もアップするという。なお、MDR-1R独自の、ハウジングの回転軸を内側に向けるハンガー構造「インワードアクシスストラクチャー」は採用していない。

 ハウジングは密閉型。ケーブルは片出しの1.2mで着脱可能。通常のケーブルと、スマートフォン向けのマイクリモコンを備えたケーブルの2種類を同梱する。重量は約180g。

通常のケーブルと、スマートフォン向けのマイクリモコンを備えたケーブルの2種類を同梱

NFC/AAC/aptX対応のBluetoothモデル「MDR-10RBT」

MDR-10RBT

 MDR-10Rをベースに、Bluetooth対応したモデル。ドライバは40mm径。Bluetooth 3.0に準拠し、プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSPをサポート。コーデックはSBC/AAC/aptXに対応し、高音質な伝送・再生が可能。SCMS-Tにも対応し、ワンセグ音声もワイヤレス伝送できる。

 ペアリングはNFCに対応。NFC対応のスマートフォンをヘッドフォンにタッチするだけでペアリングができる。スマホと連携し、ハンズフリー通話も可能。内蔵バッテリによる連続再生時間は約17時間。充電時間は約2.5時間。

 MDR-10Rが採用しているHDドライバーや、ビートレスポンスコントロール、エンフォールディングストラクチャーにも対応。上位モデルにあたる「MDR-1RBTMK2」のDSEEやデジタルサウンドエンハンサー、アンプのS-Masterには非対応。

 再生周波数帯域は5Hz〜40kHzだが、これは有線接続のパッシブ利用時。Bluetoothの伝送帯域は20Hz〜20kHzとなる(44.1kHzサンプリング時)。有線接続用に、1.2mのケーブルが付属。ケーブルは着脱可能。重量は約210g。

有線接続用ケーブルも同梱
充電用USBケーブル

NCモデル「MDR-10RNC」

MDR-10RNC

 ドライバは40mm径。MDR-10RをベースとしたNCヘッドフォン。ビートレスポンスコントロールやエンフォールディングストラクチャーは採用しているが、HDドライバーユニットではない。

 NCヘッドフォンには、ヘッドフォン内部に配置したマイクが、耳元に近い位置で集音した騒音を、ノイズキャンセリング回路で解析し、逆相の音を出す「フィードバック」方式と、ヘッドフォンの外側に設置したマイクで騒音を集め、キャンセル信号を再生する「フィードフォワード」方式がある。

 MDR-10RNCでは、ヘッドフォンの外側と内側の両方にマイクを搭載し、集音した騒音と、プレーヤーからの音楽信号を、DNC(デジタルノイズキャンセリング)ソフトウェアエンジンでデジタル化。フィードフォワード・フィードバックの2つの方式を統合し、騒音を打ち消す、逆相の音を高精度に生成する事で、約99.4%のノイズキャンセリング性能を実現したという(上位モデルのMDR-1RBTMK2は約99.7%)。

MDR-10RNC

 環境に合わせてNCモードを切り替えできる「AIノイズキャンセリング」を搭載。他にも、理想的な周波数特性を実現するというデジタルイコライザや、フルデジタルアンプのS-Masterなどを採用している。

ハウジングは折りたたみが可能
イヤーパッドにはエンフォールディングストラクチャーを採用

 電源は単4電池を使用(MDR-1RBTMK2は内蔵リチウムイオン)。約20時間の使用が可能。ケーブルは着脱可能で、通常の1.5mタイプと、マイク付きリモコンを備えた1.2mタイプが付属。重量は約205g。折りたたみもできる。

操作ボタン部分
ケーブルは着脱可能

オンイヤー型「MDR-10RC」

MDR-10RCのブラックモデル

 密閉型オンイヤータイプのヘッドフォン。新開発の40mm径ユニットを採用。再生帯域は5Hz〜40kHz。ビートレスポンスコントロールも採用している。

 軽量設計と耳ざわりの良いパッドを使う事で、長時間の使用でも疲れない装着性を追求。折りたたみ機構も採用している。

 ケーブルは片出しで着脱可能。1.2mの通常タイプと、スマホ向けに通話や再生操作が可能なマイクリモコン付きケーブルも同梱する。重量は約165g。

左からブラック、レッド、ホワイト
肉厚パッドを採用したオンイヤータイプ
ケーブル着脱が可能
レッドモデル

ファーストインプレッション

 短時間だが、通常タイプのMDR-10Rと、オンイヤータイプのMDR-10RCを試聴したので印象をお伝えしたい。再生プレーヤーにはAstell&Kern「AK120」を使用した。

 人気モデル「MDR-1R」を、そのまま小型化したようなデザインが特徴の「MDR-10R」。実際手にしてみると、ハウジングがかなり小型化されたのがわかる。装着してみると、耳の周囲がスッポリと覆われ、特に細かな調整をしなくてもピッタリフィット。1Rの装着感と良く似ており、小型化した事による装着感へのマイナスはあまり感じない。

 再生してみると、高域の抜けが良く、ワイドレンジで、トランジェントの良い音の傾向は1Rを彷彿とさせる。ただし、振動板が液晶ポリマーフィルムではないため、高域のナチュラルさは若干落ちるが、単体としては極めてハイレベルだ。

 低域は思いのほか厚く、迫力がある。1Rのようなトストスと切れ込むような鋭さよりも、量感が印象に残る。全域に渡って付帯音は少なく、素性の良いヘッドフォンだ。

 MDR-10RCはオンイヤータイプ。装着すると、耳の下部、耳たぶ付近でもイヤーパッドと耳が浮かず、フィット感は良好。オンイヤータイプでは、耳の下部が浮いて密閉度が低下するので、ここは意外と重要なポイントだ。

 他のオンイヤーヘッドフォンがそうであるように、サウンドのバランスは低域が強め。量感も豊かで、1Rのバランスを想像すると異なり、よりダイナミックに音楽を再生するタイプだ。ただ、中低域の迫力がありながら、オンイヤータイプとしては音場が広く、圧迫感が少ないのが特徴だ。

(山崎健太郎)