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東芝、撮影後にピントを調整できるカメラモジュール

2カメラで位置情報付与。動画でジェスチャ操作も

TCM9518MD

 東芝は、スマートフォンやタブレットPC向けに、1/4型500万画素CMOSセンサーを2個搭載し、被写体との距離と撮影を同時に計測/出力できるカメラモジュール「TCM9518MD」を製品化し、2014年1月よりサンプル出荷、4月より量産開始する。

 2つのカメラで計測した被写体までの距離情報を画像に付与することで、撮影後でもピント合わせやぼかしなどの加工や編集を可能にする。近年、レンズや絞りなど光学系のハードウェア技術と高度な映像処理を用い、従来のカメラでは不可能だった画像を作り出す「コンピュテーショナルカメラ」の開発が進められているが、そうした製品に向けたカメラモジュールとして展開する。

 2個のカメラと独自開発の画像処理LSIを用い、撮影と同時に撮影範囲に含まれる被写体までの距離を計測、出力する。具体的には、距離情報を色の濃淡で出力する「奥行き距離情報」と、広い範囲の被写体にピントが合った「ディープフォーカス画像」が記録され、画像とあわせて出力される。。

 これらの情報を用いることで、撮影後に画像内の任意の被写体を選んでピント合わせを行なう「リフォーカス」や、その逆に任意の被写体のピントをぼかす、消すなどの加工編集を行なえる。また、動画を通してジェスチャによる機器操作を行なうなど、組み合わせるアプリケーションにより、さまざまな新機能が想定できるという。

 また、搭載している画像処理LSIにより、2つのカメラで撮影した画素情報を用いて、1,300万画素出力が可能となる。これにより、通常の1,300万画素カメラモジュール1個よりも厚みが薄くでき、搭載機器の薄型化が可能としている。

(臼田勤哉)