ニュース
デノン、オープン型でも音質・低音追求「AH-C500W」。最上位と同じドライバで山内チューニング
2025年4月1日 09:00
デノンは、イヤーピースを使わないオープンタイプの完全ワイヤレスイヤフォンながら、音質やリッチな低音なども追求したという「AH-C500W」を4月2日に発売する。有線ヘッドフォン最上位モデル「AH-D9200」の技術を投入した12mmのバイオセルロース・ドライバーを搭載。価格はオープンプライスで、市場予想価格は15,000円前後。カラーはブラックとホワイトを用意する。
同日には、カナル型の「AH-C840NCW」も発表されている。こちらの市場予想価格は19,000円前後。AH-C500WとAH-C840NCWは同じ12mmのバイオセルロース・ドライバーを搭載しており、カナル型(AH-C840NCW)とオープン型(AH-C500W)というスタイルの違いで選べるラインナップとなっている。
AH-C500Wが目指したところ
イヤフォンはその形状により、得手不得手がある。一般的には、カナル型は低域の表現や遮音性に優れるものの、開放感が無く、外音取り込みも難しい。オープンイヤー型は、開放感や外音取り込みは優れているが、低域が不足し、遮音性も無い。
そして、インナーイヤー型は、カナル型とオープンイヤー型のちょうど中間という立ち位置になる事が多い。
AH-C500Wの開発にあたっては、こうした概念を打破。AH-C840NCWと同じユニットを採用し、イヤフォン形状を工夫する事で、開放感があり、外音も聴き取れる形状ながら、低域の再生能力に優れた、“いいとこ取り”のイヤフォンを目指したという。
D&Mホールディングス国内営業本部企画室の髙藤正弘氏は、「ボリュームを抑え気味に使えば、オープン型のように音楽と共にまわりの音が聞こえ、ボリュームを上げればカナル型のような没入感で楽しめるイヤフォンを目指した」と語る。
一方で、デノンとしては初のオープン型で、低域の再生能力を高めるために、イヤフォン形状には苦労したといい、「ミリ単位で削り、理想的な形状を追求した」(髙藤氏)という。
音質面では、デノンのサウンドマスター・山内慎一氏が、入念にチューニング。「山内も始めてのオープン型のチューニングで苦労していた。低域を強くするとバランスが崩れてしまうが、低音不足はダメ。チューニングをより綿密に行ない、一聴しただけで良さがわかる音を目指した」(髙藤氏)とのこと。
有線の最上位ヘッドフォン、AH-D9200のバイオセルロース・ドライバーを、イヤフォンのAH-C500Wに投入。振動板の素材だけでなく、振動板の動きを阻害せず、よりスムーズに振幅させるための“フリーエッジ”技術も採用。振動板を支えるエッジの素材に、非常に柔らかいものを使うことで、綺麗な振幅動作を実かつクリアで、パワフルなサウンドを実現したという。
筐体内の空気の流れを最適化するために、内部の空気を逃がすための穴を3個所に設けている。この穴に、メッシュを配置することで、音が変化する。メッシュの素材や密度などが異なる、3箇所・36種類の候補を用意。山内氏が繰り返し聴き比べて、最適な組み合わせを選んだ。
アクティブノイズキャンセリング機能は搭載していない。左右それぞれのイヤフォンに、2つのマイクを配置。口元の近くにマイクを設置できるスティック型の強みを活かし、周囲の雑音を最小限に抑えながら、ユーザーの声をしっかり捉え、通話相手にクリアな声を届けられるという。
Bluetoothは5.3に準拠し、コーデックはAAC、SBCに加え、LE Audioもサポートし、新しい標準コーデックのAC3にも対応。Auracastにもアップデートで対応予定。マルチポイント接続もサポートする。
IPX4の防滴性能を備え、雨や汗、水しぶきにも耐えられる。イヤーピースは使用しない。
1回の充電で7時間の再生が可能。充電ケースを併用すると、24時間再生できる。充電ケースはワイヤレス充電にも対応。充電ケースや、イヤフォンを横にスライドさせると取り出しやすい内部形状になっているほか、ケース自体もコンパクトにして、ポケットなどに入れやすい形状を追求した。
「Denon Headphones」アプリが利用可能。5バンドのイコライザーや、タッチコントロールのアサイン・カスタマイズも可能。イヤフォンの重量は4.5g、充電ケースは50g。