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【CEATEC 2013】シャープ、フルHDで4Kに迫る「クアトロン プロ」

クアトロンの1画素を4分割駆動。フルHD TV上位モデルに

参考展示された「クアトロン プロ」の80型と70型

 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2013」が10月1日〜5日にかけ、幕張メッセで開催される。その前日となる9月30日、マスコミ向けに一部ホールが先行で公開された。なお、1日〜5日のスケジュールの内、1日は関係者などに向けた招待日。2日〜4日は公開日で、入場料は一般1,000円、学生500円。5日の土曜日は無料公開日となる。

 ここでは、シャープブースで発表された、フルHDパネルながら、4K相当の高画質表示を可能にするという「クアトロン プロ」の展示をレポートする。

 「クアトロン プロ」は、フルHDパネルながら4K相当の高画質表示ができるという新技術で、ブースではその紹介と、80、70、60、52型などの試作機を展示している。

70型と80型の「クアトロン プロ」搭載AQUOS
従来機との比較
1ピクセルを上下に分割して駆動する

 同社は既に、RGB(赤緑青)にY(黄)を加えたクアトロン技術を液晶テレビなどに採用している。この技術は、4つのサブピクセルを1ピクセルとして駆動しているが、「クアトロン プロ」では、パネル自体は従来通りのクアトロンのフルHDを採用しながら、その駆動回路を強化。4つのサブピクセルの真ん中から上下を、それぞれ個別に駆動できるようにしている。これにより、垂直方向の解像度が2倍相当になる。

1画素に2つの輝度ピークがあることに着目し、水平解像度も2倍に

 さらに、RGBYの4色において、輝度が高く、ピークとなる色が“緑“と“黄”の2色あることに着目。クアトロンの1ピクセルを、上下だけでなく、左右にも分割して考え、緑と黄それぞれに輝度ピークを設け、水平解像度も2倍化した。つまり“RGB”、“BYR”、“RGB”、“BYR”という光り方になる。この方式では、Gをピークにした時、Yをピークにした時で色味に違いが出るが、Gの時は隣にあるBが、Yの時は隣のピクセルの端にあるRが色を補う事で、正常な色に補正する。これにより、垂直、水平方向、それぞれ2倍とした。ただし、ピクセルが4K解像度分あるわけではないため、シャープではあくまで「4K相当の高精細な表示ができる」と表現。4K相当画質の根拠としては、「4K2K解像度チャートによる輝度信号解像度評価に基づく評価結果」としている。

 この技術は「超解像 分割駆動エンジン」と名付けられている。4Kではないコストの安いフルHDパネルを使いながら、駆動回路を強化して、フルHDを超える高精細な表示を可能にしている。これにより、例えば50型以上の大画面フルHDテレビを近接鑑賞しても、ビルの窓や木の葉など、細かな模様や斜め線の滑らかさなどにおいて、4Kに迫る高精細な表示ができるとする。

通常のフルHDとの比較展示
こちらがフルHDの表示。窓の形状や建物の斜め線がギザギザ、カクカクしている
クアトロン プロの表示。いずれも滑らかな線になっているのがわかる
30日に開催した発表会で、クアトロン プロを説明する代表取締役 副社長執行役員 技術担当の水嶋繁光氏

 価格面で4Kテレビを躊躇しつつも、フルHDの大画面テレビでは“絵が荒い”と感じるユーザーに対して、フルHDとネイティブ4Kテレビの橋渡をするフルHDテレビのハイエンドモデルとして今後展開していく予定で、発売は年内を目指しているという。

 なお、「クアトロン プロ」モードの駆動と、通常のフルHD駆動は切り替える事ができ、「クアトロン プロ」を高画質モードの一種のような感覚で使う事ができるという。パネルは倍速駆動。表面には、反射を抑えたモスアイパネルを使っている。

 試作機には2Kのソースを4Kにアップスケーリングし、クアトロン プロモードで表示する機能を搭載。ただし、HDMI入力のバージョンは1.4となる。HDMI 2.0は試作機ではサポートしていないが、製品化の際にどのような仕様になるかは、今後検討していくという。なお、2Kから4Kへのアップスケーリング技術は、同社4Kテレビで採用されているものではなく、「クアトロン プロ」向けにカスタマイズしたものになるという。

(山崎健太郎)