ニュース

ソニーとパナソニック、次世代業務用光ディスク「Archival Disc」。'15年夏以降に市場へ

策定された「Archival Disc」のロゴマーク

 ソニーとパナソニックは10日、長期保存向けの業務用次世代光ディスク規格「Archival Disc」(アーカイバル・ディスク)を策定したと発表。規格の仕様やロゴマーク、今後の大容量化などのロードマップを明らかにした。

 光ディスクは温度や湿度の影響を受けにくく、防塵/耐水性も高いほか、フォーマット世代間の互換性が保証され、将来に渡ってもデータの読み出しが可能になる。こうした点から、コンテンツの長期保存に適しているとして、両社はアーカイブ事業向けの次世代光ディスク規格を策定することを'13年7月に発表。共同で開発を進めている。

 10日に発表した「Archival Disc」の仕様は、300GBの追記型ディスクで、光学パラメータは波長がλ=405nm、開口率がNA=0.85、ディスク構造は両面(片面3層)で、ランド・アンド・グルーブフォーマット。トラックピッチは0.225μm、データビット長は79.5nm、エラー訂正方式はリードソロモン符号を使用。

 狭トラックピッチ化に伴って増える隣接トラックからのクロストークを電気的に除去する「クロストークキャンセル」技術や、高線密度化に伴い低下する再生光スポットの分解能補正「PRML(Partial Response Maximum Likelihood)」信号処理技術を採用。大容量化と高い再生信号品質との両立を可能にした。

 ロードマップでは、1ディスクあたりの記憶容量が300GBのシステムを、2015年夏以降に各社が順次市場導入していくことを目指す。さらに、両社が持つ技術をベースに、1ディスクあたりの記憶容量を500GB、1TBへ拡大していく計画。

発表されたロードマップ

 映像制作業界だけでなく、ビッグデータを扱うクラウドデータセンターなどでもアーカイブのニーズが高まっていることから、Blu-ray Discフォーマット技術開発の実績を持つ両社が、業務用の次世代大容量光ディスク規格も積極的に推進していくという。

(中林暁)