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4Kでシェア3割を狙う新VIERA発表。「4Kでプラズマ超え」

パナソニックが目指す「テレビを超えるテレビ」とは?

新4Kテレビ「VIERA AX800シリーズ」

 パナソニックは、2014年のVIERA新製品として、4K対応テレビ「AX800シリーズ」5機種をはじめ、3シリーズ10機種を、5月中旬から発売する。Life + Screenをコンセプトにした「テレビを超えるテレビ」として、4Kの高画質や“簡単”操作などをアピールした。

 1月8日に発表したA300シリーズおよびTH-32A320、4月1日に発表したTH-50AS630/600を含めると、2014年のVIERAは、7シリーズ17機種のラインアップになる。また、今後、スマートビエラの構成比を高めていく姿勢を示した。4K VIERA「AX800シリーズ」やフルHDの「AS800/AS650シリーズ」の詳細については別記事を参照してほしい。

新VIERAラインナップ
4K VIERA AX800/AX800Fラインナップ

誰が見てもきれい、誰が見ても使いやすい「VIERA」へ

パナソニック アプライアンス社 上席副社長 ホームエンターテインメント・ビューティー・リビング事業担当 兼 ホームエンターテインメント事業部長の楠見雄規氏

 大阪市内のホテルで会見したパナソニック アプライアンス社 上席副社長 ホームエンターテインメント・ビューティー・リビング事業担当 兼 ホームエンターテインメント事業部長の楠見雄規氏は、「2014年のVIERAは、従来のテレビの概念を超える『テレビを超えるテレビ』と位置づけ、Life+Screenをコンセプトに、先進技術で感動と驚きのテレビ体験をプラスしていく。新製品のポイントは、4Kによるリアルな映像で提供する感動の体験と、かんたんに見たいものがみつかる驚き体験。テレビ市場をリードし、より豊かなライフスタイルの創造に貢献していく」と述べた。

 パナソニックは、2011年から「きれい」、「かんたん」、「つながる」、「エコ」、「デザイン」の5つの軸を基本コンセプトに掲げてテレビを開発してきた経緯があるが、「今回のVIERAでは、きれいとかんたんが飛躍的に進化した」(楠見事業部長)、「液晶No.1画質の実現と、Smart Innovationの追求した製品。パナソニックのテレビは誰が見てもきれいで、誰もが使いやすい製品を徹底的に追求した」(パナソニック コンシューマーマーケティング本部AVCグループ・宮地晋治グループマネージャー)と自己評価する。

2014年VIERAが目指す姿
新VIERAのコンセプト

 きれいでは、新開発の広色域忠実色再現技術「HEXACHROMA(ヘキサクロマ)ドライブ」をAX800シリーズおよびAS800シリーズに採用することで、業界最高レベルの「きれい」を実現したことを強調する。

 「テレビの映像を絵画に例えると、液晶パネルは絵の具。色の数が多いほど、表現の幅が広がる。今回は、プラズマディスプレイパネルに匹敵するDCI比98%の広色域パネルを採用した。一方で、絵の具を使う画家は、高画質化処理技術に当たる。画家によって名画になるかどうかが決まる。つまり、リアルな感動体験を実現できるかどうかは画家次第であり、高画質化処理技術だといえる。そこには、広色域液晶パネルの豊かな色表現力を引き出すために、すべての階調で正しい色を出すための広色域技術を開発した。これがヘキサクロマドライブになる。RGB(赤、緑、青)による3軸での色座標補正に、補色であるCMY(水色、紫、黄色)を加えて、6軸の色座標で補正することになる。そうした背景から、ギリシャ語で6を意味するヘキサという名称を使っている」(楠見事業部長)などと語った。

液晶パネルは「絵の具」と映像エンジンを「画家」にたとえて高画質化技術を説明
AX800の広色域液晶パネルはDCI比98%
ヘキサクロマドライブに対応
6軸座標補正で中間色の微妙な色合いを再現

 また、宮地グループマネージャーは、「6軸の色座標で補正することで、肌色や中間色の淡い色合いでも発色がよくなる。さらに暗いシーンでの発色を改善するためにAX800シリーズでは3次元カラーマネジメント回路を搭載。微妙な色合いが再現でき、オリジナルの色調に迫ることができる。また、艶やかな黒と、豊かな発色を両立する暗部階調制御技術を進化させたほか、明るい部分を分析して輝度を制御するエリアガンマ制御により、黒浮きを抑えることができ、立体感のある引き締まった映像表現を実現した」とし、「これらの技術を生かして実現したのが新シネマモード。液晶テレビでは難しいとされていたスタジオマスターに込められた制作者の想いを再現することを、色と質感の観点から可能にした」と述べた。

3次元カラーマネージメント回路
暗部階調制御技術
シネマモード
HEVCにも対応
AX800シリーズのスリムフロントスピーカー

 さらに、AX800シリーズでは、スリムフロントスピーカーを採用。高音質とスタイリッシュな狭額縁のデザインを実現。「こもらない、切れのある音を実現するとともに、不要な振動、ローリングを、磁性流体で制御し、歪みの少ない音を実現した。ドラマのセリフや川のせせらぎなどの中高音域の音が聞き取りやすくなっている」とする。

 一方、「かんたん」に関しては、音声認識技術の進化などにより、利用者の好みをキャッチした直感的な快適性能を追求しているという。

 「今回のVIERAでは、見たい番組、や知りたい情報にアクセスするためのかんたんさに徹底的にこだわった」(宮地グループマネージャー)という。

これまでのテレビ

 また、宮地グループマネージャーは、「YouTubeで見たい動画をどうやって探したらいいのかわからない、お気に入りのドラマが、地デジ、BS、CSのどこで放映されているのかわからないという場合にも、見たいコンテンツを一覧表示することができるほか、フリーワード検索で見たい番組をすぐに検索できる。しかも、付属の音声タッチパッドリモコンではマイクに向かって話しかけるだけで見たい番組を表示する。リモコンのiボタンを押すだけでも好みの番組を表示。使うほどその精度を高めることができる。リモコンに『マイチャンネル』と話すだけで、内蔵カメラによる顔認証を行ったり、部屋が暗い場合には声紋認証により、家族を特定。ひとりひとりにあったマイチャンネルを表示する。音声機能により、そのほか、要望が高かったDIGA連携を実現し、録画操作や検索が可能になる。タイムレスで、ストレスレスのテレビ視聴環境を実現する」などと機能を紹介した。

 さらに、テレビに近づくと、テレビが個人を認識し、テレビが知りたい情報を表示する「インフォメーションバー」、テレビ放送、ネット動画、VOD(ビデオオンデマンド)などから好みのコンテンツを表示する「マイチャンネル」を搭載。「新たなインターフェースを実現した」(楠見事業部長)と胸を張る。

マイチャンネル
マイチャンネル(音声検索)
マイチャンネル(顔認識、声紋認証)
DIGA連携

 「大画面化する一方で、テレビを見ていない時に黒い画面が気になる場合もある。AX800シリーズは新たな提案として、役立つ情報を表示するインフォメーションバーを搭載。マイチャンネルや録画一覧、家族から送られてきたスマートフォンからのメッセージ表示などが可能になる」とした。

見てない時の黒画面が気になる……
インフォメーションバーではテレビに近づくだけで、必要な情報を表示
天気や録画番組などを表示
リモート視聴に対応

 さらに6月からは、宅外視聴にも対応。外出先でタブレットやスマートフォンで放送中の番組を楽しむことができるという。

 そのほか、スタンドをなくすことで家具のように設置できるデザインとしたこと、エコナビ対応として省電力化を図っていることなどの特徴についても説明した。

 「大画面テレビをローボード上に設置しても、見上げずに視聴できるようにするため、3度の傾斜を設けるスラントデザインモデルによる設計としたほか、背面ケーブルもすっきりとまとめるスタンド構造とした」(宮地グループマネージャー)

 楠見事業部長は、「これらの進化を通じて、2014年のパナソニックは、より豊かなライフスタイルを提案する『Life+Screen』を実現していく」と語った。

スラントモデルのコンセプト
ケーブルマネジメント
4Kテレビで省エネNO.1

4K対応製品と連携し、シェア3割を。4Kでプラズマ超え

 VIERAのコミュニケーション戦略では、ネイマールやメッシといったスター選手を抱えるFCバルセロナを起用。テレビCMや雑誌、ウェブなどへの起用のほか、東京、大阪での体感イベントを開催するという。

FCバルセロナをコミュニケーション戦略に起用
テレビCMも全国展開
リアルイベントも実施

 一方、楠見事業部長は、「これまではパナソニックの4K対応テレビは、65型しかラインアップしていなかった。具体的な販売台数は公表できないが、その状況ならではの台数を出荷しており、予想通りの数字である。今後は、4K放送が開始されるだけでなく、ビデオカメラやデジタルカメラでの4K対応のほか、スマートフォンも4K撮影ができるようになるといった動きも期待しており、これらを含めて、今年から来年にかけて、4Kを楽しめる状況が生まれると予想している。それにあわせて今回、ラインアップを広げた」とする。

4Kワールドを訴求
4K対応機器を相互に接続

 また、「4K対応テレビの国内市場規模は、2013年度は9万台であったのに対して、2014年度は34万台の出荷が見込まれる。パナソニックは、このなかで3割のシェア獲得を目指す」としたほか、宮地グループマネージャーは、「パナソニックでは、AX800シリーズの発売にあわせて、多彩な4K対応製品を続々と市場投入する。4K動画撮影が可能なLUMIX GH4のほか、4K動画記録に対応したSDカード、4K出力対応のシアターバー、4Kアップコンバート対応のBDレコーダーを順次展開し、今後も積極的に4Kワールドを展開していく」と述べた。

 また、プラズマテレビ事業からの撤退後の動きに関しては、「プラズマテレビは、大画面で、お求めやすい価格設定ができ、画質が高いという点が評価されており、事業終息については、国内外のユーザーからも、残念がる声やお叱りの声もいただいた。だが、プラズマの技術者を最大限生かして、液晶技術を進化させている。プラズマテレビの終息を乗り越え、4Kではプラズマテレビを超えていきたいと考えている」とした。

 さらに、「パナソニックのテレビ事業は、プラズマテレビ事業の終息に加え、米国、中国での事業再構築を進めている。それにより、経営体質は良化している。2013年度のテレビ事業の実績は、当初計画よりは水面下に潜る形になっているが、経営体質のさらなる改革によって、2014年度は黒字化を目指す」とした。

住空間のなかでスマートテレビを超える提案を

パナソニックの目指す姿

 一方で、楠見事業部長は、4月1日付けで、テレビ事業部が、ホームエンターテインメント事業部に名称を変え、レコーダー、オーディオ事業などともに、AVCネットワークス社から、白物家電を担当するアプライアンス社に移行したことに関しても言及。「パナソニックは、人にやさしく、使い勝手のいい技術といった、家電で培ったDNAを、いいくらしとして実現。これを様々な分野に広げることで、成長に転じる活動をしている。幅広い家電のシナジーによって、新たな価値を顧客に届けるべきだと考えている。そのために、テレビやオーディオ、ビデオなどのコンシューマAVC事業を、ホームエンターテイメント事業部として、アプライアンス社のもとに集結した。パナソニックが考えるホームエンターテインメント事業とは、AV機器とネットワークを連携、融合させ、時間や場所を選ばず、驚くほどかんたんに、映像や音の感動を顧客に提供することである。住空間のなかで大きな画面がどう生きるかを追求したい。リビングのなかに置かれたスクリーンから、なにができるのかを追求したい。欧米では、Beyond Smart TVという言葉を使っているが、スマートフォンとの連携だけを追いかけるわけではなく、スマートテレビを超える新たな提案を、住空間のなかで行っていきたい。新たな体制で、魅力的なホームエンターテインメントを実現する」と語った。

パナソニックホームエンターテイメントの目標
テレビの臨場感はオリンピックとともに

 さらに、パナソニックが、オリンピックのオフィシャルスポンサー契約を2020年まで延長し、東京オリンピックでもスポンサーを務めることにもついても触れ、「テレビの進化とオリンピックとは、密接な関係がある。オリンピックの感動をよりリアルに伝えたいという想いから、1964年の東京オリンピックではカラー化、2004年のアテネオリンピックではフルハイビジョン化、2012年のロンドンオリンピックでは3D撮影が行なわれ、2014年のソチオリンピックでは4K撮影を行なった。テレビの臨場感は、オリンピックとともに進化している。2020年の東京オリンピックでは、パナソニックは、よりリアルな感動を目指す」などと述べた。

(大河原 克行)