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Appleがヘッドフォンの「Beats」を30億ドルで買収

BeatsブランドやBeats Music継続。AppleにDr.Dre

 米Appleは28日(現地時間)、ヘッドフォン/イヤフォンやスピーカーを手がけるBeats Electronics(Beats)と定額制音楽配信サービスのBeats Musicを買収すると発表した。買収総額は30億ドル。

 Beatsのブランドは今後も継続し、Apple Storeや小売店で展開。定額制音楽配信のBeats Musicは、無料のiTunes Radioとは別に展開される。この買収により、Beats創業者のジミー・アイヴォンとヒップホップアーティストのDr.DreがAppleに加わる。

Beats Pro(Infinite Black)

 Beatsは、2008年にヒップホップアーティストのDr.Dreと、A&Mレコード(Interscope Geffen A&M Records)の創設者であるジミー・アイヴォンが共同で設立。特徴的なデザインなどで人気を集め、同社によれば2012年には「10億ドルと試算されるプレミアムヘッドフォン市場の51%のマーケットシェアを獲得した」という。

 ヘッドフォン/イヤフォンだけでなく、スピーカーや高音質化技術の「Beats Audio」や会員制音楽配信サービス「Beats Music」も展開している。

 なお、Beatsブランドの立ち上げ当初は、米MONSTERと協力していたがその後提携関係を解消。また、2011年にはHTCからの出資を受けて提携したが、それも後に解消している。

 Appleのティム・クックCEOは、「音楽は我々の人生において重要で、Appleのハートの特別な場所にある。革新的な音楽製品やサービスへの投資を続けていく」と表明。またBeatsのジミー・アイヴォンは「BeatsはいつもAppleとともにあると感じていた。Appleがカルチャーとテクノロジーを融合させる取り組みに影響されて、Beatsを立ち上げた。Appleの音楽業界、アーティストに対する協力は音楽業界にとって特別なものだ」とコメントしている。

 なお、日本国内でBeats製品を取り扱っている完実電気は、「国内でのBeats製品展開は当面変わらない」としている。

(臼田勤哉)