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ソフトバンクとBeatsの提携記念パーティー。HIRO/VERBAL/テイ・トウワが語る音へのこだわり

 ソフトバンクモバイルは、Beats Electronicsと提携。全国500店舗以上のソフトバンクショップにおいて、Beatsのヘッドフォン/イヤフォンを12月5日以降順次取り扱いを開始する。これを記念し、4日に都内のホテルでパーティーが開催され、ソフトバンクモバイルの副社長兼COOの宮内謙氏と、BeatsのLuke Wood社長が登壇した。

白戸家のお父さん、ダンテ・カーヴァーさんも参加。右端がソフトバンクモバイルの宮内謙副社長兼COO、左隣がBeatsのLuke Wood社長

 Beatsは、Beats by Dr.Dreブランドで、様々なイヤフォン/ヘッドフォンを展開。5月には、米Appleが定額制音楽配信サービスのBeats Musicと共に総額30億ドルで買収している。

 今回のソフトバンクとBeatsの提携により、Beatsの製品を販売するコーナーがソフトバンクショップ内に設けられる。既存の製品を販売するだけでなく、「Studio Wirelessオーバーイヤーヘッドフォン」の新色・グラファイト(同37,800円)をソフトバンクショップにて独占販売する。

会場に飾られたポスター

 さらに、ハローキティの40周年を記念してコラボレーションした特別モデル「Solo2オンイヤーヘッドフォンハローキティスペシャルエディション」(オープンプライス/ソフトバンクショップ価格26,400円)、「urBeatsインイヤーヘッドフォンハローキティスペシャルエディション」(同14,800円)も販売する。この2モデルは、Apple Storeで11月から発売されているが、Apple Store以外ではソフトバンクショップが国内で唯一販売する。

左から「Studio Wirelessオーバーイヤーヘッドフォン」の新色・グラファイト、「Solo2オンイヤーヘッドフォンハローキティスペシャルエディション」、「urBeatsインイヤーヘッドフォンハローキティスペシャルエディション」

 登壇した宮内氏は、「Lukeさんとパートナーを組む事ができて大変嬉しく思っています。ソフトバンクでは7年ほど前からiPhoneを沢山販売してきたが、そのおかげでLukeさんとのパートナーシップを築けたのかなと思う。明日から、500店舗以上のソフトバンクショップで販売を開始する事を非常に楽しみにしています」とコメント。Luke氏と固い握手を交わした。

 Luke社長はソフトバンクモバイルについて、「時として、同じカルチャーや発想などを持った会社と出会える事がある。ソフトバンクはまさにそういうパートナーだ」と語った。

BeatsのLuke Wood社長、ソフトバンクモバイルの宮内謙副社長兼COO

 Luke社長は、エジソンが蓄音機を発明した後、オペラ歌手と蓄音機を並べ、それをカーテンで隠し、どちらが本物の歌手の声か聴き分けられるかというブラインドテストを行なったエピソードを紹介。その上で、「低価格なポータブルオーディオ機器が増加するにつれ、いつしか音質の話がされなくなってしまった。最近は映像の話ばかりで、SOUNDは取り残されてきた。アーティスト達は、音の1つ1つにこだわりぬいて作品を生み出しているにも関わらず、それを再生する際の音質が悪ければ、アーティストが込めたメッセージが阻害されてしまう」と語り、音質の追求を続けるBeats by Dr.Dreの姿勢をアピールした。

 ステージにはゲストとして、EXILEのリーダー兼パフォーマーを長年務め、所属事務所LDHの代表取締役社長も担当、2013年にパフォーマーを引退、現在はプロデューサーとして活躍しているHIRO、テイ・トウワ、m-floのVERBALが登壇。音楽業界でも活躍しているLuke社長も交え、影響を受けたアーティストや、音に対するこだわりなど、音楽にまつわるトークショーを行なった。

 音楽の“国による違い”についてVERBALは、「伝統によるものか、“刺さるメロディ”など、日本とアメリカ、日本と韓国など、国によって違いはある。それはファッションや物の価値観でも同じ」と説明。HIROは「音楽の受け手が変わると、音楽を届けた相手が、どのようにそれを受けているのかが変わるから、音楽も変わってくる」という。

 アーティストとして活躍する前、YMOに大きな影響を受けたというテイ・トウワは、「YMOの音楽に歌が入っていなかったのが(自分にとって)大きいかもしれない。英語でも日本語でも、歌詞を聞かずにサウンドだけを聴いてきた。その結果、インストゥルメンタルを作るようになり、(歌詞が無い事で自身の作品が)海外でも受け入れられやすいという面はある」と分析する。

 Luke社長は日本市場について、「世界で最も洗練されている。家電の販売店で1階のフロア、2階のフロアと、音にまつわる製品が多数売られているという光景は日本ならでは。技術が成熟し、聴き手も音楽に対して情熱を持っている。日本の音楽はもっと世界に広がっていくと思う」と印象を語った。

 音へのこだわりについてVERBALは、「実は昔はあまりこだわっていなかった(笑)。でも(プロデューサーとしても活動するようになるにつれ)自分の声がマイクを通して、お客さんにどのように伝わっているのか? 心地よい音楽とサウンドがインターセクトしていないと、人には届かないという事を痛感している。毎日勉強中です」と笑う。

 HIROは「私は音楽プロデューサーではないのですが、クリエイターの方にイメージを伝え、トラックを作っていただく。その際、クリエイターの音へのこだわりには惹かれます。ですから、それを仲間のアーティストとしっかり表現していきたいと常に思っています」とのこと。

 テイ・トウワは、「温泉が大好き(笑)なので、温泉に浸かっているような気持ち良さのサウンドを目指しています。音楽を作るのは、ゆっくり時間をかけて木を削り、彫刻を作るような作業に似ている。最大公約数的に、誰もが気持ち良いと感じてくれる事が大切。このスピーカーで気持よく再生されるけど、あのスピーカーではダメというのも、音楽としてはダメだと思う」と持論を語った。

 Luke社長は、「音楽を作ることは、アイデアを表現する事。フロアにいる観客をどう躍らせるか、自分の考えをどのように伝えていくか、そうしたアーティストの表現、音楽を、他の人が変えてはいけない」と、再生機器側で、アーティストの意図していない音に変化させるような事がないよう製品開発をしている姿勢を説明した。

 最後にVERBALは、Beats by Dr.Dreの製品について「(単純に海外から日本に)新しいヘッドフォンが来るという事ではなく、僕が強く影響を受けたDr.Dreのカルチャーが、製品に付随してやって来るという事。(自分が影響を受けたからこそ)今後、何か関われたらいいなと思っている」と語った。

白戸家のお父さんもBeatsのヘッドフォンを装着してご満悦
パーティーは虎ノ門ヒルズ最上階で行なわれた

(山崎健太郎)