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民放キー局が共同で「ネットで見逃し番組配信」実現へ

在京5局が検討を開始。「15年度には実験を」

 在京民放キー5局が共同で、インターネットを使ったテレビ番組の「見逃し配信サービス」の検討に入った。CM付きの無料見逃し配信サービスを想定し、今後コンテンツの権利処理やシステム、対象番組、ジャンルなどについて検討を進めていく。民間放送連盟(民放連)の井上弘会長が18日の会長会見で明らかにしたもの。

 井上会長は、放送のメディア価値向上を目標とし、在京キー5局が'13年末から協議してきた中で「インターネットを使ったテレビ番組の見逃し視聴サービス」の検討を5局で行なうことで意見がまとまったと言及。「民放連でも利害がからむ面があり、難しいことは承知しているが、メリット・デメリットを含めて検討し、少しでも前へ進めるよう(民放連の)理事に理解を求めた」とした。

 システムなどの技術面はまだわからないことが多いものの、「投資を抑え、視聴者が使いやすいものにしたい。違法動画対策も同時にやり、権利者とも話し合い利益をリターンしていきたい」と語っている。

 実現時期については、「個人的には、来年度(2015年度)中には実験レベルのことができればと思っているが、今後の検討による」としている。また、NHKの参加については、「一緒のほうが全体としては有利かもしれないが、NHKには『あまねく普及』義務などがあり、設備が膨大になる可能性がある」とした。

 番組のジャンルや、著作権なども今後の課題となっており在京キー5局が今後具体的な検討を進めるという。

(臼田勤哉)