ニュース

LG、有機EL TV開発継続に意欲。「WebOS 2.0」や音声入力対応も

 LG Electronicsは4日(米国時間)、「2015 International CES」の開催に先駆け、米国ラスベガス市内のMandalay Bayホテルのボールルームにてプレスカンファレンスを開催した。

LGのプレスカンファレンス

2015年製品戦略の三本柱

今年も最初に登壇したLGのCTO Dr.Skott Ahn氏。2015年の製品戦略を語った

 登壇したLGのCTOのDr.Skott Ahn氏は、2015年のLGの製品戦略を「プラットフォーム」、「コネクティビティ」、「エコシステム」の3視点から語った。

 「プラットフォーム」として推進していくのは、昨年に引き続き「WebOS」。同社のスマートテレビはWebOS 2.0ベースとなり、LGが北米で大きなシェアを持つデジタルサイネージやホテルへの組み込みテレビなどもWebOSで展開していく指針が語られた。

WebOSを強力推進していくLG

 「コネクティビティ」については、IoT(Internet of Things)デバイスの相互接続性をより確かなものにしていくために、IoT推進団体の「OneM2M」や「AllseenAlliance」への加盟を報告。

屋内で屋外で、あらゆる機器が相互に接続する時代がやってくる、としてLGが考えるIoT時代の未来像が語られた

 「エコシステム」については、LG製品のネットワーク相互接続システムのさらなる進化についてがアピールされた。昨年、LG製のスマートフォン、テレビ、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、照明器具に至るまで、あらゆる家電製品が相互連携できる仕組みとして「LG HomeChat」という自然言語によるチャットで家電製品をコントロールシステムを紹介したが、その2015年仕様では音声入力が可能になるという。

テキストベースの自然言語による会話で家電を制御できるLG HomeChatが音声対応へ

有機ELテレビの開発を継続

Tim Alessi氏(Head of New Product Development,LG Electronics USA)

 続いて、Head of New Product Development,LG Electronics USAのTim Alessi氏が登壇し、2015年のテレビ製品ラインナップについての紹介を行なった。

 2014年は、ソニー、パナソニック、そしてサムスンまでが有機ELテレビ開発からの撤退表明を行ったため、LGの動向が注目されたわけだが、LGとしては引き続き、次世代テレビの本命として有機ELを推進していく方針がAlessi氏によって語られた。

ブラウン管、プラズマ、CCFL液晶、LED液晶ときたテレビ製品。次世代テレビの本命は依然と有機ELであるとAlessi氏

 これまでサイズ展開、モデル展開が限定的だった有機ELテレビ製品が、2015年では液晶テレビ製品ラインナップに肉迫したバリエーション展開になることがアピールされた。最大サイズは77型で、湾曲型の「EG9700」と、平面・湾曲トランスフォーム型の「EG9900」の2タイプがラインナップされる。

 65型は超薄型の「EF9800」、湾曲型の「EG9600」、平面型の「EF9500」の3タイプが登場予定という。これまでも存在した55型は従来通り、湾曲型の「EG9600」、平面型の「EF9500」の2タイプが後継2015年モデルとして投入予定。LGは日本でもテレビを発売しているが、未だ有機ELモデルの投入はなく、今後が気になるところだ。

有機ELテレビ製品として平面版、湾曲版、そしてトップエンドモデルとしては平面・湾曲両対応のトランスフォーム型をラインナップさせる。競合の有機ELテレビ開発撤退で動向が注目されたが、LGは有機ELテレビ製品開発を続行させていくようだ
有機ELテレビラインナップ

 この他、液晶テレビについても、量子ドット技術を用いた広色域4Kテレビの新製品も勢力的に製品投入していく方針も打ち出していた。4K液晶テレビは、より大きな画面サイズ、具体的には105型までをラインナップしていくという。

2015年は前年比1.5倍の4K液晶テレビの売り上げが見込まれている
量子ドット技術により4K液晶テレビは広色域対応化が進む

 この他、洗濯機や冷蔵庫の白物家電製品や、スマートフォンの新製品が紹介された。

洗濯槽が上段と下段の二層あるダブル洗濯槽洗濯機や、冷気を逃さないダブルドア構造の冷蔵庫の新製品が紹介された
5.5型の湾曲型有機ELパネルを採用したスマートフォンLG「G flex2」もお披露目に

(トライゼット西川善司)