ニュース

LG、105型の湾曲“5Kテレビ”発表。スマートテレビにWebOS採用。プラズマ継続もアピール

105型の湾曲液晶テレビ「105UC9」

 LG Electronicsは、米ラスベガスで現地時間の1月7日より開幕するコンシューマエレクトロニクス展示会「2014 International CES」に先立ち、プレスカンファレンスを開催。湾曲タイプの105型“5Kテレビ”などを発表した。

家電と自然に会話しながらスマート機能を使う

2014年のLGのキーメッセージを発表するLG Electronics USAのVice President John I. Taylor氏

 2014年のLGのキーメッセージは「With LG,It's All Possible」(全てを可能にするLG!)とされ、2014年のLGのキーテクノロジーや、注目の製品ラインナップが紹介された。

 最大の注目技術として紹介されたのはネットワークで相互接続した家電製品群と、自然言語を用いてメッセンジャーアプリケーションでチャットが可能な「LG HomeChat」。例えば、「冷蔵庫の食材を教えて」、「その食材から作れるレシピを教えて」といった自然な会話を家電と交わしながら、家電のスマート機能を利用出来るようにするものだ。

 「これから3日間の旅行に行くので省電力モードに移行して」、「分かりました。寂しくなりますね」というような、家電側の受け答えにも茶目っ気があるのがユニークなところ。最初は冷蔵庫、掃除機、洗濯機などの白物家電からこの機能を搭載し、順次、採用機器を広げていく計画だ。対応メッセンジャーアプリケーションも対応範囲を拡大していくとのことだが、最初は「LINE」からの対応となる。

自然言語チャットで白物家電を制御する技術「LG HomeChat」

スマートTVはWebOSベースへ。4Kコンテンツ配信にも対応

 AV機器系では、スマートテレビの組み込みOSに「WebOS」を採用するとアナウンスされた。

LGのスマートTVはWebOSベースに

 WebOSは旧Palmが開発した携帯機器向けOSで、2010年に旧PalmがHPに吸収された後、2011年にはオープンソース化された経緯がある。2014年、LGが発売する8ラインナップ25製品のスマートテレビ製品の56%をWebOS搭載モデルにすることが発表されており、LGのスマートTV戦略は大きくWebOSに向けて舵が切られた格好だ。

 LGの社長兼CTOのDr.Skott Ahn氏は「スマートテレビの使い勝手をシンプルで分かりやすく再定義するため」と、WebOS採用の理由を説明している。

社長兼CTOのDr.Skott Ahn氏
WebOS採用モデルのデモも披露された
4KのLGTVはNetflixを皮切りに4K コンテンツ配信に対応。NetflixのReed Hastings CEOも登壇

 スマートTVのWebOS採用と連動する形で、2014年の後期からNetflixを初めとしたインターネットストリーミングVODサービスにて、4Kコンテンツを楽しめるようにする準備を開始していることもアナウンスされた。2014年の同社4K対応テレビには、基本的に全てHEVC H.265デコーダとH.264デコーダが搭載される見込みで、この機能を活用したサービスとなる。なお、デコードフレームレートは30Hzと60Hzの両方に対応するという。

湾曲型4Kテレビで世界最大の105型「105UC9」

105型の湾曲液晶テレビ「105UC9」。採用パネルはIPS液晶パネル。解像度が5120×2160ドットであることから「5K」テレビとして訴求される

 さらに、105型で21:9のIPS液晶パネル採用の湾曲型液晶テレビ「105UC9」も発表された。

 解像度は5,120×2,160ドットで、4Kではなく“5Kテレビ”として訴求される。アスペクト比は2.35:1となり、シネマスコープサイズの映画コンテンツを視聴するのに適しているとされる。16:9コンテンツは3,840×2,160ドット、いわゆるクアッドフルHDの4Kなので、4Kコンテンツ視聴時にも不利な点はないとされる。

 この105型5Kテレビも含め、LGは湾曲型ディスプレイパネルに力を入れており、有機ELテレビも湾曲モデルを投入していくことがアナウンスされた。ステージ壇上では、湾曲型有機ELテレビの最上位77型モデルの「77EC9800」が公開された。

湾曲型テレビはLGオンリーの製品として訴求される
77型の湾曲型有機ELテレビ「77EC9800」。解像度は4K
98型の4Kテレビ「98UB9800」。湾曲型ではなくフラットデザイン。液晶パネルはIPS
絵画風有機ELテレビ「55EA8800」はフルHDモデル。スクリーンセーバーモードでは名画を表示し、インテリアとして機能する

 2014年モデルの4Kテレビは、全てHDMI 2.0対応で、さらにHDCP 2.2準拠の著作権保護機能対応。HEVCデコーダを内蔵し4K放送/ストリーミングの受信に対応することもアピールされた。

 また、パナソニックがプラズマテレビ製造から撤退することを受けて、「LGは2014年も引き続きプラズマテレビを製造し続ける」というアナウンスを行ない、年次更新モデルとして4つの新製品ラインナップを紹介した。

LGの4Kテレビの2014年モデルはHDMI 2.0、HDCP 2.2、HEVCデコーダ内蔵を約束
プラズマ製造継続をアナウンス

 湾曲デザインは、今後のLGのキーデザインとなっていくことから、LGはこのデザインテイストをスマートフォンにも展開していく。

 プレスカンファレンスでは、6型湾曲型有機ELディスプレイを採用したAndroid 4.2.2ベースのスマートフォン「LG G FLEX」を北米としては初めて一般公開することを予告。既に韓国や香港では先行発売されている「LG G FLEX」だが、北米地区でも今春までに発売される事も発表された。北米での対応キャリアはSprint、AT&T、T-Mobileの3社。

LG G FLEXを掲げるFrank Lee氏(Mobile Communications,LG USA)
LG G FLEXの実現には湾曲デザインのバッテリ開発がキーであったことを振り返るLee氏
「LG G FLEX」の日本での発売時期は未定だが、今回のプレスカンファレンスで示されたLG G FLEXの発売スケジュールマップを見ると日本での発売が予定されていることが分かる
プレスカンファレンス終了後にはLGスタッフによるLG G FLEXのデモおよびプレゼンテーションが行なわれた。画面サイズは6型、解像度は720p。プロセッサは2.26GHz SnapDragon800+クワッドコアのKrait CPU。バッテリ容量は3,500mAh。サイズは150.5×81.6×8.7mm(縦×横×厚さ)、重量は177g

 この他、運動量測定に対応したウェアラブルデジタルデバイスの新製品や、サウンドバースピーカー製品、4Kアップスケーリングに対応したBDプレーヤーなども発表された。

運動量測定に対応したアクティビティトラッカーグッズ「Lifeba d Touch」は北米で2014年前半より発売開始予定
4Kアップスケーリングに対応したBDプレーヤー「BP740」も発表に
テレビ向け外付けスピーカーユニット「LAB540W」は4.1ch再生に対応。BluetoothやWiFi経由の接続にも対応

(トライゼット西川善司)