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LYTRO ILLUM、撮影後に本体でフォーカス/絞り調整可能に

AF速度は3倍に。Photoshop連携や3D動画書き出しも

 ライトロジャパンは、撮影後にフォーカス位置を変えられるライトフィールドカメラ「LYTRO ILLUM(ライトロ イルム)」をアップデート。本体ソフト「LYTRO ILLUM 2.0」と現像ソフト「LYTRO Desktop 4.3」を無償公開した。より精細な奥行き情報の撮影や、カメラ本体でのフォーカス位置などの調整、Adobe Photoshopとの連携に対応している。

LYTRO ILLUM

本体ソフト「LYTRO ILLUM 2.0」

 撮影/再生画面のフルスクリーン表示に対応。画面右上の拡大アイコンをタップすると全画面表示になるほか、日中でも画面操作がしやすいように、主要な情報には赤いインジケーターを用意している。

撮影モード画面

 また、リフォーカス領域を把握するためのデプススケール(DS)は、より詳細に距離を表示するように変更した。そのほか、オートフォーカスは最大3倍に速度を改善している。

左は、手前の黄色い1番ボールにフォーカスした場合。フォーカス位置はレンズ前28cm、リフォーカス領域はレンズ前23cm~37cm。右は、奥のオレンジの5番ボールにフォーカスした場合。フォーカス位置はレンズ前99cm、リフォーカス領域はレンズ前48cm~∞

 再生画面も強化され、撮影したカメラ上でフォーカス位置や絞りの変更、視点チルトができるようになった。1本の指でタッチしたところへリフォーカス。2本指で右へ円を描くことで最大F1まで絞りを開放、反対側へ描くことでF16まで絞ることができる。指を押し付けたままドラッグすると視点チルトが行なえる。

再生画面でフォーカス位置や、絞りの変更も行なえる

現像ソフト「LYTRO Desktop 4.3」

 AdobeのPhotoshopとのシームレスな連携を実現。「Photoshopで編集」を選ぶと、スタックファイルをそのままPhotoshopの中で8つのレイヤーとして編集できるようになった。奥行き情報を持つ、グレースケールの「デプスマップPNG」として、6つのチルト状態で保存されたレイヤーを編集すると、その結果がそのままLYTRO Desktop上に反映される。

 また、ILLUMで撮影したライトフィールドデータを、完全処理しないままでも取り込めるようになり、作業したいデータだけを優先的に現像することができるようになった。未処理のデータは黄色い枠で囲って表示され、後から単独/バッチ処理ができる。

 LYTRO Desktop上で直接深度マップを編集できる機能も追加。撮影時の光線の乱反射などで欠けた部位のタッチアップ、荒れた輪郭の補修などを素早く行なえるという。

 サイドバイサイド方式の3Dアニメーション書き出しにも対応。フルカラーのまま、サイドバイサイドに対応した3Dテレビで再生できる動画ファイルとして書き出せる。Google CardboardやSamsung Gear VR、ステレオメガネを使って立体視できる。

 3Dメガネを使わず裸眼で立体視できるレンチキュラー方式に合わせた書き出しにも対応。レンチキュラーで使うレンズ枚数に合わせた連番画像を出力できる。

書き出し時にレンチキュラー方式の3Dにも対応

(中林暁)