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パナソニック、UHD Blu-rayや高速プロジェクションマッピング、新開発8K対応ケーブル
(2016/1/7 20:01)
パナソニックは、「CES 2016」において、4K/HDR対応などを示す「Ultra HD Premium」ロゴを取得した65型4K液晶テレビ「TX-65DX900」や、65型有機ELテレビ「TX-65CZ950」のほか、8K映像ディスプレイ/ケーブル、Technicsのアナログターンテーブル「SL-1200GAE/1200G」などを展示している。
4K/HDR認証テレビを披露。高速プロジェクションマッピングなど新たな映像提案
「TX-65DX900」は、CES開幕前にUHD Allianceから発表された「Ultra HD Premium」規格に準拠した4K液晶テレビで、'16年内に欧州で発売される。また、2015年秋に欧州で発売した有機ELの4Kテレビ「TX-65CZ950」も米国で披露され、多くの来場者が立ち止まって注目していた。
合わせて、4K/HDR対応のUltra HD Blu-rayプレーヤー「DMP-UB900」も展示。これまでは試作機の展示だったが、米国では'16年に発売予定。4K動画/静止画再生が可能なほか、DSDやFLAC/WAV/Apple Losslessのハイレゾ音楽も再生できる。
コンシューマ向けテレビの同社ブース内での展示は前述した2製品が中心で、それ以外はプロジェクタや次世代ディスプレイを使った新たな映像体験のデモが多い。
ARマーカーなどを使わずに、人間など動く物体に映像を投写する「高速プロジェクションマッピング」は、高速センシング/プロジェクション技術と、高精度なエッジ/深度測定技術で構成する「3Dマッピング」技術と、遅延10ms以下という高速な2Dトラッキング技術により実現。
デモのコーナーでは、動くボールに合わせて映像を投写することで、ボールの軌跡が光の線で見えるような効果を表していた。また、ダンサーの動きに合わせて映像を投写することで、ダイナミックな表現を可能にしていた。
透明型ディスプレイや、8K映像を光+メタルの1本で送るケーブルなど
テレビの新たな形として、普段はインテリアに合わせた1枚のガラスとして機能し、使うときだけ映像を表示する「透明LCDディスプレイ」も参考展示。試作機のサイズは55型で、解像度はフルHD。
映像コンテンツや思い出の写真を見たいときに、タッチ操作などで棚の上の方にあるガラス板が電動で下に降りてくる。子供の目線に合わせた高さにすることなども可能。音声は、カーペットの四隅にあるスピーカーから出力。聴きたい人の場所に合わせて音を届ける範囲をコントロールできる。
業務向けの8K映像関連では、55型8Kディスプレイと、8K/120fps映像を1本で伝送できるメタルワイヤー+光ファイバー採用のケーブルを参考展示している。MHLが提案している8K伝送の「SuperMHL」とも異なり、8Kフルスペック(7,680×4,320ドット/120fps)映像を圧縮せず1本で伝送可能。伝送帯域幅は144Gbpsで、8K/120fpsの12bit映像と、32chまでの24bit音声伝送をサポートする。
今回展示されたケーブルは既存のHDMIケーブルをベースとし、コネクタ部に従来のメタルコネクタと、ボールペン型光コネクタを含んだ「プラスチック光ファイバー/ボールペン型接続技術」を採用。ケーブルはメタルワイヤーとプラスチック光ファイバーのハイブリッドタイプとした。
NHKなどが進める8Kスーパーハイビジョン放送の伝送用などに、このケーブルの利用を提案。2020年までの製品化を目指すという。
Technicsターンテーブルは夏発売。マイクNC技術や骨伝導ヘッドセットも
オーディオ関連では、これまで試作機が展示されていたTechnicsブランドのアナログターンテーブル(レコードプレーヤー)が正式発表された。50周年記念の上位モデル「グランドクラス SL-1200GAE」は1,200台限定で今夏発売、通常モデルの「SL-1200G」は'16年度冬に発売予定。価格はどちらも4,000ドル程度の見込み。
新開発のダイレクトドライブモーターと高精度な制御技術により、回転中の微小な振動や回転ムラを抑制したという。詳細は別記事で紹介している。
CES会場では、Technicsのスピーカーやアンプと組み合わせてレコードの再生デモを行なっているほか、内部のモーターなども展示している。このほか、同ブランドのヘッドフォン「EAH-T700」や、一体型システムの「OTTAVA」なども展示している。
業務向けの音声技術としては、マイクのノイズキャンセリング技術を紹介。タブレット「TOUUGHPAD」などに装着して、騒音の多い場所での作業時にもクリアな会話ができるようにするのを目指した製品で、8つの素子で構成するマイクアレイを活用し、音が届く時の位相差などを認識することで不要な音声のみをカット。現時点では30dBほどのノイズ抑制効果があるという。'16年中にマイクユニットの小型化を進め、それ以降の製品化を目指すという。
業務用の骨伝導ヘッドセットも開発。これまで同社は音楽用のコンシューマ向け骨伝導ヘッドセットを製品化しているが、業務用では、低域~中域までのフラットな周波数特性を追求し、声の帯域に特化することで、周囲の音から耳を塞がずに会話などが聞こえやすくしている。