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パナソニック、8K/120fps映像を1本で伝送できる光ファイバー採用ケーブル

 パナソニックは6日、8K/120fps映像を1本で伝送できる独自のコネクタ付ケーブルを、慶應義塾大学発ベンチャーのKAIフォトニクスと共同開発したと発表。B to B市場において8K機器の採用が広がることを想定し、簡易な接続を実現する同ケーブルの国際規格化を目指す。米ラスベガスで開催される「CES 2016」のパナソニックブースで技術展示も行なう。

8K/120fps映像を1本で伝送できるコネクタ付ケーブル

 従来の8K映像の伝送では、4K相当の映像に分割し、4本のHDMIケーブルを用いて伝送、受信機側で8Kに再合成するなど複雑な仕組みとなっていた。今回開発したケーブルは、プラスチック光ファイバーケーブルを採用することで、伝送スピードを向上し、8Kフルスペック(7,680×4,320ドット/120fps)映像を1本で伝送可能とした。

 ケーブルは、メタルワイヤーとプラスチック光ファイバーのハイブリッドタイプ。光ファイバーケーブルは光軸を正確に合わせることで高速通信を実現するが、抜き差しが可能なコネクタ付きケーブルでは接続部分での光軸合わせが難しく、接続不良が発生するなどの理由で、従来は映像伝送用ケーブルへの採用が見送られてきた。

 今回のケーブルでは、コネクタ部に、従来のメタルコネクタと、ボールペン型光コネクタを含んだ「プラスチック光ファイバー/ボールペン型接続技術」を採用。同技術は三菱鉛筆と慶應義塾大学の小池教授が共同開発したもの。同ケーブルに、パナソニックの広帯域信号の多値化伝送技術を適用することで、1本のケーブルで100Gbpsを超える伝送速度を達成したという。

(庄司亮一)