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クラリオンの新フルデジタルスピーカーをデモカーで試聴。東京オートサロン開幕

 クラリオンは、15〜17日開催の「東京オートサロン 2016」(会場:千葉・幕張メッセ)において、車載用フルデジタルサウンドシステムの新製品を搭載し、試聴も可能なデモカーを展示している。展示場所は西2ホール(ブース番号No.217)。一般入場料は当日大人2,200円、中高生1,700円。

 ブースには、デジタルプロセッサとフルデジタルスピーカーを組み合わせた車載用フルデジタルサウンドシステム(Z3/Z7/Z25W)を搭載したデモカーを2台用意。実際にハイレゾ相当の音源を車内で聴くこともできた。製品展示は昨年の東京モーターショーなどでも実施されたが、車内で試聴できるのは今回が初。

車載用フルデジタルサウンドシステム「Z3/Z7/Z25W」

 4月の発売を目指しており、日本、欧州、北米、豪州で同時リリース予定だという。価格は、デジタルプロセッサやツイータ、コマンダーで構成する「Z3」が12万5,000円、フルデジタルスピーカー「Z7」が87,000円、フルデジタルサブウーファ「Z25W」が73,000円。

SUBARU BRZ
フォルクスワーゲン Golf7

6層ボイスコイルをデジタル駆動できる新LSI開発。ハイレゾ対応も

フルデジタルサウンドシステムの概要

 フルデジタルサウンドシステムは、カーナビ/カーオーディオなどの再生機器からスピーカーまで、音源をすべてデジタル伝送・処理することで音質を高めているのが特徴。アナログ回路を含む従来のカーオーディオではDACでの信号劣化や、アンプによる音の歪みなどが発生するが、デジタル処理ではそうした問題がなく、ノイズの影響も受けにくいという。

クラリオンが手がけたフルデジタルサウンドシステムの歴史。新しいフルデジタルヘッドフォン製品についても検討している
デジタル処理ではオルタネータノイズの影響を受けにくいという
世界初の車載デジタルスピーカー用LSI

 今回の新フルデジタルサウンドシステムでは、クラリオンが開発した車載デジタルスピーカー用LSIをスピーカー部に搭載している。同社では'12年に初代フルデジタルサウンドシステム「Z8」、「Z17」を発売したが、これは民生用LSIを採用している。独自の車載用LSIはそれより前の'11年冬頃から着手していたが'13年に基礎設計を見直し、24.5MHzの高速駆動やオートモーティブスペック、ハイレゾ対応を1チップした化した新LSIを開発した。

 スピーカーに駆動回路を内蔵し、外付アンプは使わない。新開発のLSIは24.5MHzの高速処理が可能で、正確なデジタル音源再生を追求している。このLSIで、デジタル信号処理により入力音声を複数チャンネルに分割し、スピーカーを直接駆動する信号に変換。これをD級ドライバに送り、スピーカーに備えた6層マルチボイスコイルを駆動することで音を鳴らしている(ツイータは2層ボイスコイル)。

フルデジタルスピーカー「Z7」を収めたドア
サブウーファ「Z25W」

 高出力時はすべてのドライバをフル稼働し、小音量時は稼働するドライバを減らすなど、効率的な電力利用が可能。高効率な回路も採用して発熱を抑え、ヒートシンクレスによる小型化も図っている。

スピーカー駆動の仕組み
スピーカー後部にLSIを備える
スピーカーに6層マルチボイスコイルを備える
デジタルプロセッサ部

 デジタルプロセッサとカーAV機器は、同軸デジタルや光デジタルで接続可能。さらに外部オーディオ機器やハイレゾ対応のスマートフォン/タブレットとUSB接続して音楽をデジタル再生することもできる。デジタルプロセッサ部はハイレゾ音源入力にも対応し、内部でのデジタル処理は96kHz/24bitで行なう。

デジタルプロセッサの側面の端子

 SHARC DSPを搭載し、31バンドのイコライザで好みの音質に調整可能。入力は光デジタルと同軸デジタル、アナログRCA×2、スピーカーレベル×2。出力はデジタル出力×7とアナログ出力(RCA)×2。一般的なプロセッサーよりも筐体を小さく抑えているのも特徴で、デジタルプロセッサの外形寸法は116×180×37mm(縦×横×厚み)。

カーAV機器やスマホと接続可能。ハイレゾ音源にも対応する
独自の信号処理技術も採用した

 クラリオンではiOS/Android搭載のスマートフォン/タブレット用アプリも開発しており、タッチ操作でイコライザのカーブを描いて直感的に音質設定することも可能。さらに、オンキヨーのハイレゾプレーヤーアプリ「HFPlayer」などを推奨アプリとすることも検討している。

専用アプリはクロスオーバーやタイムアライメント、イコライザ設定が可能
直感的な音質設定ができる
接続性の自由度を高めた仕様

 他のカーナビなどと接続して外部スピーカーシステムとしても利用可能。カーナビ/オーディオなどのセンターユニットは、純正品のほか市販品も利用でき、デジタル出力/アナログ出力を問わず接続できる。

さまざまなカーナビ/オーディオシステムと組み合わせられる
デジタル/アナログ接続混在でも利用できる

デモカーで試聴してみる

Golf7の車内

 デモカーのフォルクスワーゲン「Golf7」で、実際にフルデジタルサウンドシステムを試聴した。Golf7のシステム構成は「Z3」に含まれる再生周波数帯域1.5kHz〜40Hzのツイータ2基、28Hz〜15kHzのフルレンジ「Z7」4基、20Hz〜200Hzのサブウーファ「Z25W」1基となっている。

 振動板はツイータが繊維強化ポリエチレンテレフタレート、フルレンジがACMI-PPコーン(アラミド・カーボン・マイカ)、サブウーファはGAC(グラスファイバー・アラミド・コンポジットコーン)をそれぞれ採用している。

フォルクスワーゲン Golf7の構成
SUBARU BRZの構成はGolf7と一部異なる
CD音源を参考出品のカーオーディオ機器で再生して試聴した

 試聴音源はCDで、デジタルプロセッサにより96kHz/24bitのハイレゾ相当にアップコンバートされている。比較的ゆったりした洋楽やジャズを中心に収録しており、今回はその中から5曲をかいつまんで聴いてみた。

 音を聴いてすぐに気づくのは、弦楽器の細かい音や擦れが聞こえたり、打楽器のビートのキレが良く感じられる点。やや低音が強めだったが音の抜けも良いように感じられ、フロントガラスの向こうで実際に演奏や歌が披露されているような感覚を味わえた。約15分程度と短時間の試聴ではあったが、もう一度聴いてみたくなる音だと感じた。

「Z3」のツイータはAピラーに内蔵されている
音量や音質設定ができるコマンダー

 東京オートサロンではこのほか、マツダや日産などのメーカーブースや、カスタムカー用のパーツディーラーブース、有志のカスタムカー展示などが行なわれている。詳細は僚誌Car Watchのイベントレポートを参照して欲しい。

東京オートサロン 2016の会場、千葉・幕張メッセ
場内の様子。クラリオンブースは西2ホール(写真の中央左寄り)
マツダのロータリースポーツコンセプト「Mazda RX-VISION」
日産「MOTUL AUTECH GT-R」
ホイールなど車のカスタムパーツのブースが多数展開
車体後部に大型スピーカー搭載のカスタムカー展示も

(庄司亮一)