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Qobuz、独自システムでAI楽曲を識別。プレイリストなどは人間が選定
2026年3月9日 14:00
音楽配信サービスのQobuzは、AI生成コンテンツからアーティストとリスナーを保護する取り組みとして、独自のAI検知システムを導入したことを明らかにした。同システムを使って「新作および既存のカタログを対象に、人間の創造的介入のない、100% AIによって生成された楽曲を識別・タグ付けしていく」という。
QobuzがAI生成コンテンツに対しての方針を示した「AI基本方針」に基づき、その方針を実行に移す施策として、独自開発のAI検知システムを導入。これを使ってカタログ全体の分析を開始した。
これにより、100%AI生成と判定されたコンテンツにはタグづけを行ない、今後数カ月以内に、すべてのQobuzアプリ上で表示予定。すでに不正アップロードを検知するツールを導入しており、技術および規制面での進展に応じて、これらのシステムを継続的に強化・改善していくという。
また、アーティストのなりすましやストリーミング再生数の操作など、不正が疑われるコンテンツについては、AI検知に限らず複数の観点から総合的に判断して、掲載拒否または削除を行なう権利があるとしている。
同サービスでは、AI基本方針の原則に基づいて、「音楽発見の中心に常に人間のアーティストを据える方針を明確にしている」とし、以下の3つの取り組みについても紹介している。
・100%人間主導のエディトリアル選定
Qobuzissimes、アルバム・オブ・ザ・ウィーク、各種プレイリストなど、すべてのレコメンデーションは人間のチームが選定。大量生産型のAI生成コンテンツがプラットフォーム上に掲載されることを防ぐ。
・人間のアーティストを優先するレコメンド設計
「Discover」ページは、Qobuzのエディトリアルチームおよび信頼できるパートナーによってキュレーションされたデータを基盤とし、AI生成トラックを除外します。実在のアーティストの可視性と正当な報酬を確保する。
・AI生成コンテンツの識別および不正対策ツールの継続的強化
Qobuzは、AI生成コンテンツや不正なストリーミングパターンを検知する技術を引き続き開発する。検知された不正再生はロイヤリティの計算から除外され、AI生成コンテンツは確認次第削除される。
そのほか、カタログ向けに自ら音声コンテンツをAI生成しないこと、人間によるキュレーションをAIで代替しないこと、顧客データを外部AIモデルの学習に利用しないことの3つも明確に約束するとのこと。
QobuzのGeorges Fornay副CEOは「AI生成コンテンツの急激な増加は、音楽業界全体に不信感を生み出しています。Qobuzでは、音楽との出会いは“量を最適化するアルゴリズム”ではなく、“人間の情熱”によって導かれるべきだと考えています。今回の施策は、アーティストの公正な可視性と報酬を保証し、リスナーに“人間が主導している”という信頼を提供するという私たちのコミットメントをさらに強化するものです」とコメントしている。

