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Android搭載の電球型プロジェクタなど、ソフトバンク支援のIoT製品が登場

 ソフトバンクは27日、新しいIoT製品の商品化を支援する消費者参加型プラットフォーム「+Style」の新製品を、二子玉川 蔦屋家電において展示する一般向けイベントを実施。この中で、Androidアプリが使えるLEDライト型スマートプロジェクタ「Beam」や、ソニーと東芝ライテックの協業による照明機器「マルチファンクションライト」など、さまざまなIoT製品が披露された。

Android OS搭載の電球型プロジェクタ「Beam」
+Style

 +Styleはソフトバンクが提供する消費者参加型プラットフォームで、IoT(Internet of Things/モノのインターネット)製品など、さまざまなアイデアや試作品の商品化を検討する企業と消費者をつなげるもの。Webサイト「+Style」において3月30日より提供開始され、6月末時点では31プロジェクトが掲載されている(終了分を含む)。

 具体的には「プランニング」、「クラウドファンディング」、「ショッピング」の機能を備え、ソフトバンクが商品企画の掲載からクラウドファンディング募集、ユーザーへの通販を支援。ソニー、Samsung C&T Fashion Division、岡村製作所、Cerevo、Foxconnなど国内外からさまざまな企業が参加している。

+Styleの仕組み

 現時点では、全国のワイモバイル店舗などでタッチ&トライでき、実際の購入は+Styleサイト上から行なうが、今後は実店舗での販売も検討しているという。

Android OS搭載の電球型プロジェクタ「Beam」。アプリ追加で動画視聴も

 Beamは、E26/E27型の電球ソケットにセットして使える電球型プロジェクタで、天井からペンダントライトのように吊り下げたり、卓上に置くなどして壁に投影するといった使い方が可能。最大120型、最大輝度100ルーメンの映像を投写でき、解像度は854×480ドット。12灯のLEDリングライトを備え、照明としての明るさは100ルーメンで、30Wの電球と同等の明るさになるという。外形寸法は11×15cm(直径×長さ)、重量は400g。

本体には電源ボタンとピント調整ダイヤルを装備。側面の一部が平らなため、そのまま置いても転がらない
LEDリングライトをつけたところ

 最大の特徴は、Android OS 4.2のカスタムバージョンを搭載し、Wi-Fi経由でGoogle Playからアプリをインストールして機能強化ができること。Beam単独でYouTubeやNetflixなどのアプリをインストールして動画鑑賞などを楽しめる。LEDリングライトの中央にプロジェクタのレンズを備えており、照明とプロジェクタ機能は独立している。CPUは1.3GHzのデュアルコアプロセッサ。ストレージメモリは8GB。2W×2chのスピーカーも内蔵する。

Androidの画面を床に写したところ。スマホの横画面のように四角く表示される
Beam用に設計されたスタンド「Beam Fixture」も用意される

 ディスプレイやホームボタンなどがないため、スマホやタブレットからBeamに無線LAN接続して操作するアプリを用意。アプリに表示されたタッチパッドや各種ボタンを使いながら、初期設定や本体設定が行なえる。将来的には、センサーによって手の動きを認識し、スマホ/タブレットなしでも単体でタッチ・スワイプといった操作を認識できる機能の実装を検討している。

展示機はiOS用アプリ「Beam」を使って操作していた
iPadにアプリを表示させたところ

 無線LANはIEEE 802.11b/g/n。AirPlayやMiracastに対応し、ワイヤレスでスマートフォンの映像を投写することが可能。スマホ利用時の対応機種は、iOS 7以降を搭載したiPhone 4S以降と、Andorid OS 4.0以降。Bluetooth 4.0にも準拠し、Bluetoothマウスやキーボードなどを接続できる。

パッケージのデザインもこだわっている

 実際の使い方として、プライベートでは写真や動画を友人と一緒に楽しんだり、キッチンでレシピを見たり、ダイニングや寝室の照明としての利用を提案。ビジネス利用でも、ショーウィンドウなどの店舗照明や広告表示などで活用できるとする。

 さらに、スマホなどとBluetooth連携することで、目覚まし再生と同時に今日の予定や天気予報を映す、帰宅したら照明を点けて音楽をかける、といった使い方ができるという。

 オランダの新興企業Beam Labsが開発した製品で、Kickstarterによるクラウドファンディングで8,000万円相当の資金を集め、'15年12月に最初の2,000台を出荷。日本進出にあたり、技適申請やローカライズを行なっている。

 +Styleでは27日時点で総額60万円以上の資金を集めており、ユーザーの手元に製品が届く9月頃までに、LEDライト部の明るさをより明るくしたり、CPUをクアッドコアのものに置き換えるなどのアップグレードも行なう予定。今後は+Styleだけでなく、インテリア関連のショップなど実店舗での販売も検討しているという。

Beam. The smart projector that fits in any light socket - Japanese

ソニー、シーリングライト+無線LANでスマホ連携「マルチファンクションライト」

 ソニーは、スマホ連携により、音楽再生やテレビやエアコンの操作などが行なえる照明機器「マルチファンクションライト」を展示。東芝ライテック製のシーリングライト部の中央に、ソニーが開発した「マルチファンクションユニット」をはめ込むもので、無線LAN(IEEE 802.11n)で制御可能。マルチファンクションユニットには調光などの照明機能に加え、内蔵スピーカーによる音楽再生や、テレビ・エアコンの電源オン/オフ操作などの機能を備える。

「マルチファンクションライト」。シーリングライト部の中央に、スピーカー内蔵のマルチファンクションユニットをはめ込む

 +Styleで既に販売されており、間接照明のない「LGTC-10」が53,800円(税込)、間接照明付きの上位モデル「LGTC-100」が64,800円(税込)。住宅建設や住宅設備を担当する企業へのB2B販売を中心に展開していたが、「ソフトバンク(+Style)側から打診があり、個人向けの販売も行なうことにした」(ソニー担当者)。

 1月に開催された展示会「ライティングジャパン2016」で展示され、'16年上半期に製品化を予告していたもので、照明は8畳相当の部屋に適合。下位モデルは白色点灯のみで、上位機種ではスマートフォン用のアプリを使い、RGB3色のミックスによる調色コントロールもできる。マルチファンクションユニットには46mmのフルレンジスピーカー×1を備え、スマホから無線LAN経由で音楽再生できる。

 アプリは今後予定されているアップデートを行なうことにより、外出先からテレビやエアコンの電源オン/オフなどの遠隔操作も可能になるという。

iPhone用アプリで調光や光の調色、音楽再生、各種リモコン操作ができる
照明機能のみを操作するリモコンが付属する

 このほか、“クラウドファースト”の新スマホ「Robin」や、プログラマブルLEDライトなど、生活における身近な問題を解決したり、新しい楽しみ方を提案するさまざまな製品が展示されていた。

nextbitが提案する“クラウドファースト”スマホ「Robin」のストレージ容量は32GB。さらに100GBのクラウドストレージへの同期システムがOSに組み込まれ、ローカル/クラウドの違いを意識せずに活用できる
スマホで撮影した写真/動画をWi-Fi経由で自動的にクラウド側にバックアップし、ローカル側の空き容量を確保。夏以降にPC用のクラウド管理用ソフトも提供予定
iPhoneの音声コントロール「Siri」と連携するスマート電球「Nanoleaf」。声の指示で電源オン/オフなどができる。TEKTOS NIPPONの商品
512個のLEDを透明キューブ筐体に内蔵し、スマホで受信したメッセージの絵文字表示や、さまざまなライトパターンを点灯できる、TEKTOS NIPPONの「Tittle」
ハンドメイド好きな女性向けのLED内蔵「スマートジュエリー」。スマホの通知相手を仕事や恋人など個別の色に光らせて知らせる、などの機能を備える。Luminas craftが提案
Aikonのスマホ向けリモコン「Qmote S」。Bluetoothで連携し、ボタン1個を搭載。押し方のパターンによってカメラシャッターや音楽再生操作などが行なえる。Webサービス「IFTTT」との連携機能も

(庄司亮一)