ニュース

左右分離型イヤフォン「Air」やVR用振動バックパックなど、+Style新製品

 ソフトバンクは8日、IoT製品の商品化を支援する消費者参加型プラットフォーム「+Style」の新製品として、Crazybabyの左右分離型ワイヤレスイヤフォン「Air」や、バックパック型VRデバイス「SUBPAC S2」、自転車向けのスマートフォン連携デバイス「SmartHalo」などを取り扱い開始する。銀座三越店9階において+Style製品の展示・販売を行なう一般向けイベントも、8日から21日まで開催する。

Crazybabyの左右分離型ワイヤレスイヤフォン「Air」

 +Styleは、アイデアや試作中の製品を商品化に向けて支援する消費者参加型プラットフォーム。意見投稿やクラウドファンディングが行なえ、製品購入もできる。

ソフトバンク支援の+Style 4製品を発表。ドローン傘のデモも
銀座三越店9階では+Style製品の展示・販売を21日まで実施

左右分離型ワイヤレスイヤフォン「Air」

 左右のイヤフォン間を接続するケーブルがない、完全分離型のBluetoothイヤフォン。実物の展示は行なわれなかったが、カラーはホワイトとブラックの2色展開となる模様。発売時期や価格はいずれも未定。クラウドファンディングの「Indiegogo」や「Makuake」で出資を募っていた製品で、今後+Styleでも取り扱う形となる。メーカーはCrazybaby。

ハウジングはタッチ操作対応

 ドライバの振動板にカーボンナノチューブ技術を応用し、「原音に忠実な再生」を追求した。CSR製の最新チップを搭載する。ハウジングはタッチ操作に対応。内蔵マイクでハンズフリー通話も可能としている。外装は人間工学に基づくラウンドデザインを採用。内蔵バッテリで15時間以上の連続使用が可能。

振動板にカーボンナノチューブ技術を応用
内部構造

重低音で震える「SUBPAC S2」の専用バックパックセット

 イスやソファにセットして使うシートバックタイプの“触覚音響デバイス”「SUBPAC S2」を、専用バックパックとセットにして屋外でも使えるようにした製品。4月下旬以降に+Style上でクラウドファンディングを開始する。

SUBPAC S2と専用バックパックのセット
背負ったところ

 SUBPAC S2は、布地を貼った板状のデバイスと、ステレオミニの音声入力などを備えた専用コントローラで構成。スマートフォンなどから入力した音源を手持ちのヘッドフォンとSUBPAC S2本体に出力。音楽を聞きながら、重低音に連動した振動が背中に伝わり、映画やゲーム、VRコンテンツなどの臨場感を高めるという。振動の強さはダイヤルで調整できる。内蔵バッテリで動作し、6時間使用可能。ACアダプタで充電できる。

別売のヘッドフォンと組み合わせたところ
バッテリ内蔵の専用コントローラ

 メーカーは米SubPacで、「Androidの父」と呼ばれるアンディ・ルービンが立ち上げたスタートアップ支援企業に支持され、出資も受けている。国内販売はThe Handが担当。これまでにもAmazonやヨドバシカメラで、SUBPAC S2の単体発売や、ベスト状のベルトで身体に固定できる「SUBPAC M2」を発売済で、今回は専用バックパックとセットにしたことで、パソコンやヘッドフォンなどの手回り品とともに持ち運べるようにした。

バックパックの背面にSUBPAC S2が入る
SUBPAC S2をイスに取り付けたデモも

自転車のナビや各種計測ができるスマホ連携デバイス「SmartHalo」

 自転車のハンドルに設置し、スマートフォンとBluetoothでワイヤレス連携して使うスマートデバイス。走行中にスマホを取り出さなくても、目的地へのルート案内や着信通知などを確認できるのが特徴。+Styleの「ショッピング」ページに3月下旬以降、掲載される予定。価格は未定だが、2万円程度を想定しているという。

SmartHaloと専用アプリのマップ画面
自転車のハンドルに装着したところ

 SmartHaloの電子コンパスや加速度計の情報と、iOS/Android用アプリで読み込んだGoogleマップのデータを連動させ、進行方向を本体上面のリング状に配置されたLEDの一部を点灯させて表示。ターンバイターンのナビゲーションができる。電話やSNS等の通知を本体LEDで知らせることも可能。アプリ側には、自転車を漕ぐ平均速度や消費カロリーを記録するフィットネス機能も備える。

SmartHalo本体
SmartHaloの仕様

 本体前面にはLEDライトを装備。振動を検知すると防犯アラームとしても機能する。バッテリを内蔵し、充電専用のUSB端子を備える。

 対応するハンドル径などは明らかにされなかったが、ロードバイクやシティサイクルなど車種を問わず装着できる模様。なお、スマートフォンとSmartHaloのみで完結するため、自転車に取り付けるセンサーなど他のデバイスとの連携機能は備えていない。製造はCycleLabs Solutionsで、販売はBlueGreenGroupが行なう。

連携したスマホの電話着信やSNS通知等のコントロール画面
フィットネス機能の画面
前面LEDライトの点灯/点滅や明るさもコントロールできる
USB端子は充電専用

三角形パネルを自在に組み替えられるLED照明や、「ドローン傘」も

 「Nanoleaf AUROLA」は、三角形のLEDパネルを自在に組み替えて自由な形で設置できる照明器具。スマホ用アプリで色や光り方も選ぶことができ、設置場所の広さやイメージなどに合わせて自由にカスタマイズできる。3月下旬以降に掲載予定。

Nanoleaf AUROLA
スマホ用アプリで色や光り方を選択
パネル単体の裏面。中央下のチップ状パーツを使って他のパネルと繋ぐ

 現在、商品化に向けて+Style上でアイデアを募っているプロジェクトとして、4基のプロペラを備え、ドローンのように浮上する傘「free Parasol(フリーパラソル)」のテスト用機のデモも行なわれた。

 通常の傘のように手で持てるが、電源を入れてプロペラをバッテリ駆動させることで一定の高さを保ったまま浮上し、人の動きを認識して追従する“ハンズフリーな傘”の実現を目指す。

free Parasolのイメージ
試作機を使ったデモも行なわれた

銀座三越店で3月21日まで+Style製品を展示・販売するイベントも

 記者発表会では、+Style事業責任者を務める近藤正充 ソフトバンク サービスプラットフォーム戦略・開発本部 担当部長が、銀座三越店での今回のイベント概要と+Styleの新しい取り組みについて説明。

銀座三越店で+Style 計16製品の展示・販売を21日まで実施

 '16年3月から開始した「+Style」は、3月8日時点で65プロジェクトを掲載中。そのうち5製品の展示と11製品の販売が、3月8日〜21日まで、銀座三越店9階のイベント会場で実施される。主な販売製品は、手のひらサイズのドローン「PXY SMART(ピクシィ・スマート)」や、Android OS搭載の電球型プロジェクタ「Beam」、自転車向けスマートグラス「Solos」など。

手のひらサイズのドローン「PXY SMART」
電球型プロジェクタ「Beam」('16年5月撮影)
自転車向けスマートグラス「Solos」(’16年7月撮影)

 +Styleの新しい取り組みとして、近藤氏は「クラウドファンディングで集まった金額に対してかかる手数料(15%)を無料化する。振込等の決済手数料は別途かかるが、ものづくりをしたい企業が、製品化に向けて手軽にクラウドファンディングを活用できるようにする」と説明。また、産学連携の推進を目的とし、金沢美術工芸大学の学生とIoT製品を創出する取り組みを4月から開始することも発表した。

ソフトバンク +Style事業責任者の近藤正充氏

 三越伊勢丹グループではこれまでにも、「みらいの夏ギフト16」や「2017 HANABANASAI 花々祭」などで、+Style製品とのコラボレーション企画に取り組んできた。三越銀座店長の浅賀誠氏は、「最先端のトレンドをお客様に提案するのが百貨店。最先端のテクノロジーを駆使したIoT製品を、来店いただいたお客様に見て、触れて、体験いただき、新しい発見をしていただくことに意義がある。展示を見ただけでは“これはなんだろう?”となるが、(説明員に)話を聞くと楽しそうなものがたくさんある。テクノロジーの駆使で新しい暮らしを提案したい」と話した。