デジタルAV機器市場は2011年までに約900億円の市場拡大

-富士キメラ総研調査。地デジ移行に向けた需要が牽引


6月10日発表

 株式会社富士キメラ総研は10日、市場概況や今後の市場予測などをまとめたデジタルAV機器市場の調査結果を発表した。

 国内のデジタルAV機器市場は2008年から2011年の間に約900億円ほど市場が拡大し、デジタルAV機器市場規模は合計2兆円超まで成長すると分析。

 その背景は、地上デジタル放送への完全移行に対応した薄型テレビやチューナなどのデジタル放送機器の需要や、次世代DVD規格がBlu-ray Disc(BD)に一本化したことによる買い替え需要、テレビ買い替え時のホームシアター需要などが市場を牽引するためとしている。

 なお、この調査は2009年3月から5月にかけて関連企業各社に対して行なったもの。対象製品は映像関連機器27製品、音響機器16製品、カーAV機器6製品、そのほか11製品。


 液晶やPDPなど地デジ対応薄型テレビは、地デジ完全移行を前に実施された買い替え支援策「エコポイント制度」の影響などにより、市場は拡大傾向にあるとしている。その中でも液晶テレビ市場は大幅に拡大。2008年におけるテレビ市場(CRT/液晶/PDP/有機EL)における液晶テレビの比率は約87.5%で、2013年には約88%を占めると見ている。

 BDレコーダは次世代DVD規格一本化の影響で需要が急拡大。2008年を含めた1~2年を伸び率のピークとして、市場は拡大傾向で進んでいくとしている。高画質録画や番組検索、リンク機能などの従来のレコーダとしての機能に加え、「アクトビラ」や「YouTube」など、インターネットを利用したサービスへの対応や、携帯電話やゲーム機、ポータブル端末などに映像を移して外に持ち出す機能など、レコーダが映像関係のホームサーバー化する傾向が見受けられるという。

 ホームシアターは対象製品でテレビやBDレコーダとのリンク機能が利用可能になったことや、地デジ対応テレビの買い替え需要に牽引される形で、2011年には300億円規模まで市場が拡大すると予測する。

 なお、今後注目されるデジタルAV機器は、屋内のインテリアや贈答品として需要が高まっているデジタルフォトフレーム、米Amazon.Comが発売した「Kindle」によって市場が拡大している電子ペーパー端末などが挙げられるという。


(2009年 6月 11日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]