東芝モバイルディスプレイ、姫路の液晶生産拠点を再編

-石川工場への集約、TFPD生産停止で黒字化目指す


7月15日発表

 東芝モバイルディスプレイ株式会社は15日、事業構造改革の取り組みの一環として、姫路地区の2つの生産拠点を再編すると発表した。

 姫路地区にある2つの生産拠点のうち、姫路工場(兵庫県姫路市余部区)については、石川工場(石川県能美郡川北町)に集約。また、関係会社であるティー・エフ・ピー・ディー株式会社(TFPD/兵庫県姫路市余部区)は生産を停止する。

 同社は液晶需要の大幅な後退と価格下落を受け、アモルファス製品を中心とした不採算の生産ラインを停止し、低温ポリシリコン製品へリソースを集中させる構造改革を進めている。今回、姫路工場の機能移転で生産拠点を集約化することで意思決定を迅速化。また、アモルファス生産ラインを閉鎖することで固定費を抑える。

 具体的なスケジュールとしては、姫路工場(従業員数約400名)が持つモジュール生産ラインを、2010年1月をめどに石川工場へ移転。これに先立ち、製造技術や品質管理などの間接部門を、10月より順次、石川工場など他の拠点に移転する。姫路工場からは約310名が石川工場や深谷工場に異動する。

 車載向けのアモルファスシリコン製品を中心に生産していたTFPD(従業員数約530名)は、12月末を目処に生産を停止する予定。他の拠点へ異動する以外の従業員は、東芝グループ会社を中心に再配置するという。

 東芝モバイルディスプレイ株式会社は、東芝とパナソニックの合弁会社だった東芝松下液晶ディスプレイテクノロジーを、4月に東芝が全株取得して名称を変更した子会社。東芝グループ単独経営により抜本的な事業構造改革を行なうとしていた。

 今回の再編により、石川工場を中心として、アレイ・セル・モジュールの一貫工程による高品質生産ラインを構築し、間接部門を集中。経営効率化により、今年度最終利益での黒字化を目指すとしている。



(2009年 7月 15日)

[AV Watch編集部 中林暁]