シャープ、中国南京市の第6世代液晶生産工場に技術協力

-亀山第1の設備やノウハウを投入。中国で「垂直統合」


8月31日発表


 シャープは31日、南京市と南京中電熊猫信息産業集団有限公司が設立した液晶事業会社「南京中電熊猫液晶顕示科技有限公司」より、第6世代液晶パネル生産プロジェクトを受注し、契約書に調印した。

 シャープは、新会社に液晶の生産技術やノウハウを提供するとともに、亀山第1工場の第6世代生産設備を売却。新会社が南京市において進める、第6世代液晶パネル工場の建設と生産に協力していく。工場は2011年3月の稼働を予定している。新工場の投入能力は月8万枚(稼働当初は月6万枚)。

 また、中国における液晶および液晶テレビ事業の強化を図るため、液晶パネルから液晶テレビに至る設計開発を行なう「液晶設計開発センター(開発センター)」を2010年4月に南京市に設立する。

 シャープは、今回の液晶パネル生産と開発センターの設立により、中国において設計開発、液晶パネルおよびモジュールの生産、そして液晶テレビの組み立てまでを行う垂直統合体制を構築。これに伴い、「関連企業の進出が進み、『南京市クリスタルバレー』が構築されることを期待している」としている。

 シャープは、4月の経営方針説明会において、これまで進めてきた液晶パネル/テレビ事業の国内一貫生産の方針を転換。液晶パネルや太陽電池などの生産について、海外の有力企業などと協力して現地生産する新しいビジネス展開に取り組み、積極的に「地産地消」を行なう方針を示していた。


(2009年 8月 31日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]