イーケイ、真空管/トランスを変更可能なアンプキット

-予価88,200円。“改造しやすい”各種機能搭載


300Bを装着した基本形のイメージ

11月中旬発売

予定価格:88,200円

 株式会社イーケイジャパンは、電子工作キット「エレキット」の新製品として、真空管や出力トランスを手軽に交換できるステレオパワーアンプキット「TU-8300」を11月中旬に発売する。予定価格は88,200円。

 イーケイジャパンの創立15周年を記念し、500台限定で生産されるステレオ管球パワーアンプキット。真空管「300B」を2本使ったシングルステレオパワーアンプで、完成後に真空管や出力トランスの交換といった作業が気軽に行なえるようにしているのが特徴。コンセプトは「実験機」であり、製品名にも「TU-LAB」と付けられている。

KT88を装着したイメージ
 真空管は300Bと12AT7を各2本使用。300Bを装着した標準状態での定格出力は、8W×2ch(8Ω時)。対応スピーカーは4~16Ω。300Bのほかに、5極管の3結(3極管結線)も接続可能。8ピンソケットも備え、改造せずにKT88(6550)、KT66、EL34(6CA7)、6L6GCなどの3結を接続できる。

 さらに、スライド式のユニバーサルブラケットを開発し、様々な出力トランスを取り付けられるようにした。市販の300Bシングル用OPTの大半に対応可能。さらに、ボリュームブラケットをスライドできるようにし、軸長が異なる市販のボリュームにも対応できる。ツマミを市販の大型のものに交換したい場合にも有効だという。


様々なOPTが取り付けられるユニバーサルブラケットを開発した

 セルフバイアス方式のカソード抵抗を定電流回路にすることで、想定内のどの球を使っても自動で一定のプレート電流になる設計を採用。また、セルフバイアス方式の欠点であるカソード回路での無駄な電力消費と発熱を抑えるため、グリッドに負電圧を与える固定バイアス方式を併用している。

 ほかにも、ハンダ付け不良や接触不良、真空管の故障などにより過大電流が発生した場合の回路/真空管の破損防止として、左右いずれかの出力管回路が一瞬でも所定の電流を超えるとB電源をシャットダウンし、トラブルがあった側をLEDで表示する機能も備えている。

 B電源には高い電源ハム抑制性能を持ったFETリップルフィルターを使用。リップルフィルターをタイマーでコントロールすることで、電源ONから約20秒後にB電源をソフトにスタートさせる機能も備えている。

 カップリングコンデンサには、高周波領域にも使用できる無誘導構造のポリプロピレンフィルムコンデンサを使用。整流回路での電力損失と発熱の抑制、電源力率の改善なども行なっている。入力端子はRCAのステレオ1系統。パンチングカバー装着時の外形寸法は、400×250×213mm(幅×奥行き×高さ)。


(2009年 9月 3日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]