パナソニック、「フルHD 3D」VIERA/DIGAを4月発売
-2010年「3D産業革命を起こす」。TVの3D対応は+7万円
パナソニックは、世界で初めてフルハイビジョン3D映像に対応したプラズマテレビ「VIERA VT2シリーズ」2モデルや、Blu-ray 3Dディスクの再生に対応した「ブルーレイDIGA」を4月23日より発売する。
3D対応VIERAとDIGA、さらに同梱のメガネやBlu-ray 3D規格対応のディスクを利用することで、フルHDの3D映像を楽しめる。フレームシーケンシャル方式でフルHDの3D映像を視聴可能にするのは、新VIERA/DIGAが世界初となる。
品番 | サイズ | 方式/解像度 | 3D対応 | 発売日 | 店頭予想価格 |
TH-P54VT2 | 54型 | プラズマ/ 1,920×1,080ドット | ○ | 4月23日 | 53万円前後 |
TH-P50VT2 | 50型 | 43万円前後 | |||
TH-P50V2 | 50型 | - | 3月5日 | 36万円前後 | |
TH-P46V2 | 46型 | 30万円前後 | |||
TH-P42V2 | 42型 | 26万円前後 |
品番 | サイズ | 方式/解像度 | 3D対応 | 発売日 | 店頭予想価格 |
TH-L37G2 | 37型 | 液晶 1,920×1,080ドット | - | 2月26日 | 16万円前後 |
TH-L32G2 | 32型 | 液晶 1,366×768ドット | 11万円前後 | ||
TH-L37S2 | 37型 | 液晶 1,920×1,080ドット | 14万円前後 | ||
品番 | HDD容量 | 特徴 | HDMI出力 | 発売日 | 店頭予想価格 |
DMR-BWT3000 | 2TB | Blu-ray 3D 2番組AVC録画 10倍長時間録画 スカパー! HD録画 | 2 | 4月23日 | 30万円前後 |
DMR-BWT2000 | 1TB | 20万円前後 | |||
DMR-BWT1000 | 750GB | 1 | 16万円前後 |
品番 | 特徴 | 発売日 | 店頭予想価格 |
DMP-BDT900 | HDMI×2 新リアルクロマプロセッサplus お部屋ジャンプリンク | 4月23日 | 13万円前後 |
品番 | 特徴 (対応サイズ) | 発売日 | 店頭予想価格 |
SC-HTX700-K | ラックシアター (42~50型) | 3月5日 | 10万円前後 |
SC-HTX500-K | ラックシアター (37~42型) | 9万円前後 | |
SC-ZT2-K | ワイヤレスシアター | 4月23日 | 15万円前後 |
SC-ZT2-K | SC-ZT2-K用 追加サラウンドスピーカー | 10万円前後 | |
VIERAはVT2シリーズの54/50型2モデルがフルHD 3Dの表示に対応。同時発表のブルーレイDIGA「DMR-BWT3000/2000/1000」や、Blu-ray 3Dソフト、同梱の3Dメガネを組み合わせて、家庭内でのフルHD 3D体験を可能とする。また、コントラスト500万:1の新パネル3D対応「フル・ブラックパネル」の搭載による画質向上や、自動画質調整機能、ネットワーク機能「お部屋ジャンプリンク」の搭載などの機能向上も図られている。
3Dには対応しないが、コントラスト500万:1を謳うVIERA V2シリーズも3月5日より発売。50/46/42型の3モデルをラインナップする。また、液晶VIERAのG2/S2シリーズの37/32型モデルが追加。2月26日より発売する。
「ブルーレイDIGA」も上位機種を発表。HDD容量が2TBで、各種高画質/高音質回路を組み込んだ“プレミアムモデル”「DMR-BWT3000」のほか、HDD 1TBの「DMR-BWT2000」、HDD 750GBの「DMR-BWT1000」の3モデルをラインナップする。いずれもフルHD解像度で3Dを楽しめる「Blu-ray 3D(ブルーレイ3D)」ディスクの再生に世界で初めて対応する。
さらに、スカパー! HD録画や、2系統のMPEG-4 AVC同時録画、10倍長時間録画などの録画機能の強化も実施。新リアルクロマプロセッサの採用などで、画質の強化も図っている。上位2モデルにはHDMIを2系統装備し、より高音質な音楽再生などにも利用可能とした。Blu-ray 3D対応で、HDMIを2系統装備したBlu-rayプレーヤー上位モデル「DMP-BDT900」も発売される。
■ 「2010年は3D産業革命」。TVが7万、DIGAが2万のプラス9万で3D対応
西口氏は、パナソニックの目指す最高のテレビの姿として、「その場にいなくても体験できるような臨場感、没入感を求めてきたが、その答えを見た。フルHDに代わる次のトレンドは映画を見れば一目瞭然だ」と語り、映画「アバター」が公開39日で、興行収入でタイタニックを超え、歴代トップになった事例を紹介。日本においても、300万人の鑑賞者のうち、約8割が3Dで見たというデータを説明し、“次のトレンド”が明確に3Dであることを説明した。
映画産業においても3D対応が加速し、2009年にアメリカでは4,000スクリーンに、日本では360スクリーンになったことに言及。「2009年は映画の3D元年だった。コンテンツ、映画館、映像機器など3D産業は一気に加速し、3D映画は2009年の19作品から2010年は31作品以上となり、それらは2010年に家庭用ソフトにもなる。2010年は家庭の3D元年である」と説明。PHLにおける3D映像制作支援など同社の持つリソースを活かして、3Dの産業化を積極的に後押しする姿勢を明らかにした。
また、家庭内3Dを実現したブラックボックス技術として、プラズマについては、高発光効率化とネイティブコントラスト500万:1を実現したフル・ブラックパネルを「プラズマ大革命」と表現。さらに、新Uniphierで実現したMPEG-4 MVCデコーダや3Dマルチタップによる3D高画質化は「ブルーレイ大革命」と表現し、新VIERA/DIGAをアピール。これらにより、「その場に引き込まれるような没入感、フルHD 3Dでパナソニックは積年の夢を実現した。1960年の日本におけるカラー放送開始から、ちょうど50年。2010年、ついに家庭のリビングテレビで、3Dを楽しむ時代がやってきた」と語った。
また、Blu-rayだけでなく、放送においてもBS11のサイドバイサイド放送や、スカパー! HDにおける3D放送の今夏開始予定、J:COMの3D VODサービスなど関連産業の広がりを紹介。西口氏は、「2000年代は“デジタル産業革命”と呼ばれていた。2010年代は“3D産業革命”の時代。それをパナソニックがリードしていく」と3Dにかける同社の意気込みをアピールした。
なお、現在のところ、ソフトウェア会社からはBlu-ray 3Dタイトルを4月23日より前に発売する計画は明らかにされていない。そのため発売キャンペーンとして、「3Dのお試しソフト」を同梱予定で、映画アストロボーイや、グランドキャニオン(自然風景)、ファニーフレンズ(日常風景)など、11本/約20分のコンテンツを収録する。会場に設けられたデモルームでも、これらのタイトルや映画アバターなどを、54型の「TH-P50VT2」で視聴するデモも行なわれた。また、「新しいCMも製作中」とのことで、今後発売に向けてプロモーション施策も明らかにしていく予定。
3D対応のための価格アップについて西口氏は、「テレビで7万円、BDで2万円であわせて9万円」とする。その狙いは「2010年代に“3D産業革命”を起こしたいという意気込みで、できるだけ安い設定で、3Dの世界を創造していきたい、と考えこの価格とした」という。3Dのビデオカメラの製品化についても、「こどもの成長記録なども3Dを撮って残せるように、なるべく早い時期にお届けし、さらに3Dの世界を広げていきたい」と語った。
サイズ戦略については、「まずは大画面ということで、50/54型の2機種とした。今後は上下展開もしていきたいと考えている」と説明。液晶での3D対応については、「中小型が液晶になるが、コンテンツやメディアの広がりを受けて、後々の展開は考えている」とした。
2D-3Dの変換機能については、「研究開発は進めている。ただし、今回は本物の3Dを体験いただきたいと考え、Blu-rayからのフルHD 3Dにこだわって製品化した。今後は増えるかもしれないが、まずは2眼のカメラで撮った本物の没入感ある3Dをまず体験してもらいたいという思いがある(パナソニック AVCネットワークス社 PDPテレビBU 上原宏敏BU長)」という。
(2010年 2月 9日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]