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パナソニック、3Dテレビを3月以降に市場投入

−発光効率4倍の新パネル、152型も今秋発売へ


4K2Kの表示が可能な152型PDP。等身大の映像表示も可能

1月7日発表

 

 パナソニックは7日、2007年に生産したプラズマディスプレイパネル(PDP)に比べて、発光効率が4倍となるPDPの開発に成功したと発表。さらに、4K2Kに対応した152型プラズマディスプレイを今年秋にも投入する計画を明らかにした。

 また、3Dテレビについては、今年3月以降、北米市場を皮切りに、50型、54型、58型、65型を順次投入するとしている。3Dテレビの価格については「検討中」として明らかにしなかった。


■ 発光効率4倍の新PDP

 パナソニック AVCネットワークス社映像・ディスプレイデバイス事業グループ PDPデバイスビジネスユニット長兼パナソニックプラズマディスプレイ社長の長野寛之氏は、「発光効率を4倍としたPDPは、効率を徹底的に追求するために、すべてを1から設計しなおした新しいパネル。広視野角、フル動画解像度といった特徴に加え、フルHD高画質3Dテレビへの採用、従来の概念を越える高画質、大画面でのビジュアルコミュニケーションを可能にできるなど、リビングでの新たな楽しみ方を提案できる」とした。

 これまで同社は、2008年に発光効率2倍を達成した「NeoPDPパネル」を、2009年には発光効率を3倍に高めた「NeoPDP ecoパネル」を発表していたが、今回の新パネルは蛍光体や発光ガスの新材料の開発や、超高速駆動技術や適応型信号処理技術の開発による電力削減など、パネル発光の全プロセスにおいて改善を図り、発光効率の大幅な向上を達成した。

パナソニック AVCネットワークス社映像・ディスプレイデバイス事業グループ PDPデバイスビジネスユニット長の長野寛之氏 パナソニックのPDPの進化 今後、PDPの省エネ化は半減していくという

 「2003年にフルHD化を図って以来、2倍の効率化を実現するまでに4年がかかったが、2008年にNeoPDPパネルを発表してから3年間で4倍の進化を遂げている。パネルのシミュレーション技術が進化しており、材料、構造などの特性を理解しはじめたことが大きい。現行のPDPの発光効率は、一般的な蛍光灯の発光効率を100とした場合に、約1割の効率にしか到達しておらず、まだまだ成長を遂げていくデバイスである」として、今後も発光効率を改善していく姿勢を示した。

 また、新パネルを採用した42型プラズマテレビの場合、今後世界標準として採用される見込みのIEC動画基準での消費電力が95Wと、100W電球1個分相当という省エネ化を実現。同時に500万:1というコントラストを実現している。

 2010年春から発売されるプラズマテレビの一部製品に、新パネルを搭載していくことになる。

新PDPでは500万:1というコントラストを実現。黒の表現性を高めた 発光効率を4倍にした新パネル 左が発光効率を4倍にした新パネル。右が2009年モデル


 発光効率を4倍にした新PDPは、大きく3つの観点から技術的改良が加えられている。

 ひとつは紫外線変換率の向上だ。新ダイナミックブラックレイヤーと呼ばれる技術を採用。キセノン(Xe)比率を高めた新放電ガスを採用する一方、大きな放電と小さい放電の組み合わせによる2段階放電により、発光エネルギーとなる紫外線を多く発生させることに成功したという。

 2つめには光交換率の向上である。従来の蛍光体は粒子が大きく、それによって粒子の隙間が大きくなり、これが発光ロスの原因となっていたが、新たな蛍光体は小粒子化することで、発光ロスを抑えることができたという。

 3つめは光利用率の向上だ。光の一部を遮っていたブラックストライプの除去や、出っ張りを無くす形状に変更した新フラット電極形状の採用により、光の取り出し量を高めたという。

新PDPの技術的な進化

 「今回のパネルは、新PDP技術革命ともいえるもの。発光効率の向上への取り組みは今後も継続的に進展することになり、2012年度には、さらに消費電力を半減できる方向で技術的目処がついている」(長野氏)とした。


■ 4K2Kの152型PDPはフルHD 3D表示も可能

 一方、152型プラズマディスプレイは、新たなPDPを採用する形で、今年秋にも商品化する。

152型で3D映像を表示している様子
 「152型は業務用途が中心となるだろう。まずは日米欧の同時発売を目指して準備を進めているが、新興国の超富裕層もターゲットとなる。価格は、市場の評価や技術動向を見ながら決定していきたい」(長野氏)とした。

 これまで世界最大規模となっていた同社の150型プラズマディスプレイはフルHD対応だが、152型では4K2K(4,096×2,160ドット)の884万画素という高解像度化が図られており、その関係上、2インチのサイズアップとなった。「今後、150型の生産は終了し、152型に移行していくことになる」(長野氏)という。

 なお、152型プラズマディスプレイは、フルHD画質の3D表示も可能にしている。



■ 3Dテレビを今春から発売。3DカメラやSkype通話も

 3Dテレビについては、50型、54型、58型、65型の4製品が今年春に発売されるほか、152型プラズマディスプレイが今年秋に発売される。これらの製品はすべて、今回発表された新パネルが採用され、国内PDP尼崎第5工場でパネルが生産されることになる。

パナソニック AVCネットワークス社映像・ディスプレイデバイス事業グループ PDPテレビビジネスユニット長の上原宏敏氏
 短い発光時間でも明るさを保持する3D高速駆動技術を採用。「液晶パネルは、走査によって描画する線順次方式を採用しているため、左右のフレームの映像が混ざり、立体像の二重映りの原因となっているが、PDPでは画面全体を切り替える面順次方式を採用しているため、原理的に左右の画像の重なりが少なく、二重映りが少ないという特徴がある。課題としては、蛍光体の残像特性による二重像があったが、これを新短残光蛍光体の採用により、残光時間を3分の1とし、さらに新発光制御により二重像を低減することに成功した」(上原ビジネスユニット長)としている。

 「パナソニックでは、『見るテレビ』、『使うテレビ』へとテレビを進化させてきたが、2010年は3Dテレビ元年と位置づけ、3Dの登場によって没入感を持ったテレビ視聴が可能になる。今後は、『浸るテレビ』へと進化を図っていくことになるだろう」としている。

 価格については検討中としたが、「市場調査では、50型クラスで500〜700ドルの差ならば3Dテレビを購入したいという声が多い。このあたりを勘案したい」としている。

 さらに、同社では、業務用となる一体型二眼式フルHD 3Dカメラレコーダーを、今年秋にも発売すると発表。コンバージェンスポイントの調整機能と、左右映像ずれ自動補正機能の搭載、メモリーカードへのファイルベース収録を可能するなど、「プロフェッショナルが、従来の制作ワークフローを維持しながら、効率的に3Dコンテンツの制作が可能になる」としたほか、「3D対応BDレコーダー、同プレーヤー、3D対応ホームシアターの投入に加え、米ディレクTV社や英スカイ社との放送コンテンツにおける3Dに関する協業など、3Dエコシステムを確立しながら、エンド・トゥ・エンドで3Dの普及に取り組んでいく」(上原ビジネスユニット長)とした。


PDPは液晶パネルに比べて3Dに適しているという 今後テレビは「浸るテレビ」へと進化する 一体型二眼式フルHD 3Dカメラレコーダー。価格は220万5,000円

 一方同社では、SkypeやTwitterなと5社と提携し、新たなVIERA CAST機能を搭載したテレビを、今年春から、日本を含む全世界で投入する計画も明らかにした。

 新UniPhierシステムLSIを搭載することで、720pでのHD画質でのSKypeビデオ通話映像の表示や、リモコンによる操作、高音質を実現しているのが特徴で、専用のSkypeカメラをUSB端子に接続することで、独自のビームフォーミング技術によって、画面から3〜4メートル離れた場所でもクリアな音声を伝送したり、エコーキャンセル機能でスピーカーの声と自分の声を認識して、クリアな双方向会話が実現できるという。

 「単に無料で音声のやりとりをするというだけでなく、遠距離のホームパーティーや遠距離教育など、新たなビジュアルコミュニケーションの形として提案したい」としている。

VIERA CASTが進化し、YouTubeのほかにもSkypeやTwitterにも対応 VIERAを利用してSkypeを利用している様子 VIERAに接続するSkype専用カメラ


(2010年 1月 7日)

[ AV Watch編集部 大河原克行]



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