au、Android/ワンセグ搭載などスマートフォン2モデル
-シャープ「IS01」と東芝「IS02」。Android第2弾も予告
auは30日、携帯電話の新モデルとして、Android搭載のシャープ製「IS01」と、Windows Mobile搭載の東芝製「IS02」を発表した。6月上旬以降に発売する。個人向けのスマートフォン「IS series」として展開する。
■ IS01
シャープ製のAndroid端末「IS01」は、5型タッチパネル液晶を備えた手帳のような形状の折り畳み端末。11.2mmピッチのフルキーボードを採用する。プロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインを担当、手帳をイメージし、閉じたときに革の手帳のように馴染むよう、表面に皮シボを施している。カラーはBLACKとLIGHT BLUEの2色を用意する。
Android端末で初めてワンセグを搭載しており、録画も可能。ワンセグアンテナは本体に内蔵する。さらに、シャープの対応レコーダから録画番組の転送に対応する。外部記録メディアはmicroSDカード(最大16GB)。本体データフォルダは約3GB。IEEE 802.11b/gの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを搭載。カメラは底面に備え、約527万画素/オートフォーカス。動画(最大640×480ドット)と静止画の撮影に対応する。
液晶は5型/960×480ドットのNewモバイルASV液晶で、マルチタッチに対応し、ピンチ操作での拡大なども行なえる。なお、画面の縦/横回転には対応せず、横画面のみの表示となっている。キーボードは5列のQWERTY配列でパンタグラフ方式。キーボードの右上にトラックボールも装備する。赤外線通信にも対応し、本体手前に送受信部を備える。FMトランスミッタも搭載する。なお、通話時は音声が外部にも聴こえる仕様のため、主にイヤフォンマイクやBluetoothヘッドセットなどを使ったハンズフリー通話を想定している。連続待受時間は約200時間、連続通話は約310分。
そのほか、YouTube再生や、動画/音楽再生などのアプリもプリインストールしている。PCソフトの「LISMO Port」でCDリッピングした楽曲の転送は行なえるが、DRM付き楽曲は転送できない。9月下旬に無償提供予定のLISMOアプリをインストールすることで、本体での配信楽曲購入や、PCへのバックアップなどが可能になる予定。
キーボードオープン時 | 折り畳み時。皮のような質感が特徴 | 側面 |
トラックボールも装備 | カメラは底面に備える | iPhone 3GS(右)と比較 |
UIは、カード型メニューやタスク管理機能などauオリジナルのものを採用。アプリはメインメニュー1ページに24個(縦3×横8)表示でき、最大5ページ分(120個)まで1台にダウンロードできる。ウィジェットなどを表示するデスクトップ画面は最大4ページ(開発中の仕様)。デスクトップには、よく使うアプリのショートカットを4個まで表示できる。最大外形寸法は約83×149×17.9mm(縦×横×厚さ)、重量は約227g。
IS01発売に合わせて、auのAndroid端末向けアプリを販売する「au one Market」も開始。「LISMO」(9月下旬予定)や「au one ナビウォーク」、「セカイカメラ」などの約200のアプリを提供する。既存のAndroidマーケットも利用でき、合わせて約3万アプリ(3月末時点)が利用できるようになるという。有料アプリ購入代金の決済は、端末の月額料金と合算請求される「auかんたん決済」に8月下旬以降に対応予定。また、8月下旬以降のアップデートにより、Eメール(ezweb.ne.jp)やデコレーションメールにも対応する予定となっている。
アプリを表示するメインメニュー | 起動中アプリの一覧表示画面 | ワンセグ画面。全画面表示も可能 |
YouTubeアプリ | ウェブブラウザ画面 | 地図表示 |
au one Market | カテゴリやランキングなどから選ぶ | Androidマーケットも利用可能 |
縦表示向けのアプリも提供予定 | セカイカメラのアプリ画面 | LISMOの楽曲購入は9月下旬対応 |
■ IS02
OSにWindows Mobile 6.5.3を採用する東芝製のIS02は、4.1型/800×480ドットのタッチパネル有機ELディスプレイと、スライド式のフルキーボードを搭載。外形寸法は123×66×12.9mm(縦×横×厚さ)、重量は158gで、スライド型QWERTYキーボード搭載機種で世界最薄としている。カラーはブラック×ホワイトの1色。縦/横センサーやGPS、電子コンパスも搭載する。
メディアプレーヤーを搭載し、H.264/H.263、MPEG-4、WMV(WVGA/30fps)の動画再生と、AAC/MP3/WMAの音楽再生が可能。内蔵スピーカーはモノラル。
カメラは322万画素でオートフォーカス。動画(最大640×480ドット)と静止画の撮影に対応する。microSDカードスロット(最大16GB)も備える。IEEE 802.11b/gの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを内蔵する。東芝独自の「Touch UI "NX! UI"」を採用する。ウェブブラウザはInternet Explorer Mobile 6。連続待受時間は約280時間、連続通話は約220分。
アプリとして、カメラを使った名刺リーダーや、電子書籍ビューワ「ebi Reader」を搭載。そのほか、KDDI研究所が開発した音声認識エンジンを使ったアプリも開発中だという。
■ IS series向けの新料金プランも
IS seriesの発売と同時に専用のISPサービス「IS NET」を提供開始。月額315円でインターネット接続ができる。なお、既に「EZ WIN」契約済みの場合、新たな手続きは不要で、自動で「IS NET」に切り替わる。「IS02」では、他のISP(PacketWIN対応プロバイダ)も選択できる。「プランEシンプル」「ダブル定額スーパーライト」などのパケット定額サービスを利用した場合、ISシリーズ単独利用時の国内パケット通信料の上限は月額5,985円としている。ISデビュー割の内容
さらに、専用の割引プラン「ISデビュー割」も開始。6月~9月末にIS01/02を新規購入することで適用されるもので、上記のIS NET料金315円と、「プランEシンプル+誰でも割」基本料相当の780円が最大2年間割り引かれる。2台利用の場合でも、メール以外のパケット通信をIS01/02のみで行なうことにより、基本料を1台分(1,095円~7,080円/パケット定額利用)に抑えられるという。
■ FeliCaを搭載したAndroid端末の第2弾も予告
取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、従来のスマートフォンについて「限られた人とデバイスのつながり」とする一方、IS seriesのコンセプトは「人と人とのつながり『Share』」と説明。「Twitterなどのコミュニケーションサービスが台頭する中、スマートフォンを単なるデバイスでは無く、人と人がつながる、誰でも使える、心地よいコミュニケーションツールとして開発した」という。コンセプトワードは「私(I)が私たち(IS)に出会う場所」。KDDIの高橋誠氏
スマートフォンとしての長所である大画面の液晶、フルキーによる操作性や、オープンプラットフォームによる自由度の高さを採用した一方で、従来のケータイに慣れた人にとっては、ワンセグや赤外線通信、Eメール/デコレーションメールへの対応(8月下旬以降予定)など、日本向けのカスタマイズを「auらしさ」としてアピールした。
今回、Android搭載スマートフォンとして初というセカイカメラアプリについても言及。頓智・(トンチドット)との連携により、au端末でしか投稿できないエアタグ(緯度経度に紐づいたタグ情報)を利用可能としたほか、エアタグと一緒に写真撮影ができる新機能「Air Shot」も採用した。今後も両社でAR(拡張現実)サービスの共同事業化を検討するとしている。Android端末の第2弾を予告
さらに、高橋氏はAndroid端末の第2弾も予告。今回のIS01は主に2台持ちを想定しているが、第2弾は1台持ちをイメージした製品だという。発売時期などの詳細は明らかにされなかったが、ワンセグや、IS01では採用されなかったFeliCaを含む従来のケータイの良さと、スマートフォンのオープンさを両立させた端末を今後発売予定としている。
Googleのアジア太平洋販売営業担当副社長のダニエル・アレグレ氏もゲストとして来場。「Androidのモバイルコミュニティの一員としてお迎えできてうれしい。KDDIのおかげで、Androidの能力が活かされた」とコメント 頓智・の井口尊仁CEOも来場した
(2010年 3月 30日)
[AV Watch編集部 中林暁]