エコポイント半減で薄型TV販売急増。「11月末がピーク」

-10月25日週には前年比305%増。GfK調査


 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK)は5日、家電量販店店頭におけるエコポイント制度対象3品目(薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫)の販売動向と、今後の見通しを発表した。

 10月8日にエコポイント制度の改定が閣議決定。12月1日以降エコポイントの付与点数を現行のほぼ半分とし、2011年以降は「買い替え」製品のみをエコポイント対象する方針が発表された。

薄型TV・エアコン・冷蔵庫 数量前年比週次増減(出典:GfK)

 これを受けて、GfKが店頭での販売動向を調査。10月8日以降対象3品目の販売が急伸しており、10月25日週の数量前年比は、薄型テレビが306.4%増、エアコン206%増、冷蔵庫50.3%増となった。GfKでは、「対象3品目の需要は、11月末に最大のピークを迎え、エコポイント終了の3月に向けて段階的に弱まる」と分析している。

 薄型テレビについては、半減発表の10月4日週は、数量前年比162.5%増、直近の10月25日週は同306.4%像と、過去最大の伸びとなった2010年3月末を凌ぐ伸長を記録。月次でも2010年10月の薄型テレビ販売数量は、3月を上回っているという。

 GfKでは、「薄型テレビに付与されるエコポイントは最大36,000点と対象3品目の中でも最も高く、付与ポイント半減による影響も大きい」としており、制度変更前にエコポイントを最大限享受しようという機運の高まりと、量販店の積極的な販促により、「急激な駆け込み需要が発生している」と分析。また、「エコカー補助金制度が3週間以上前倒しで終了となった事例も、早期購入、販売を加速させる要因になっていると推測される」とする。

 画面サイズ別の構成比では、付与点数の高い大型モデルが伸長。42インチ以上の数量構成比は制度変更発表前の9月27日週の12.3%から、10月25日週では14.8%と、2.5%ポイント増加。その背景については、「高ポイント付与に加え、32インチなどの中型モデルとの価格差の縮小」を挙げており、46型以上の平均単価は約8,000円下がり、10万円台に突入したという。

 GfKでは、薄型テレビの駆け込み需要は、「ポイント半減前の11月末に最大のピークを迎える」と予想。2010年年間の薄型テレビ販売台数は、前年比で600万台以上増加し、2,000万台を上回る見通し。

 エアコンも、制度変更発表後の10月4日週に大きく伸長し、数量前年比127.0%増を記録、以降右肩上がりに販売を伸ばし、10月25日週は同206.0%増と、前年の約3倍に拡大。エアコンの駆け込み需要も、11月末にピークを迎え、「2010年のエアコン市場は対前年50%増まで達する」と予測する。

 冷蔵庫は、制度変更発表前週の9月27日週で数量前年比13.8%増だったが、発表後の10月4日週には同34.5%増、更に10月25日週には50.3%増と販売伸長が見られた。中でも、付与ポイントが最大となる501L以上の伸びが著しく、10月25日週は101.3%増と昨年の2倍に達したという。エアコンでは、中小容量(400L以下)で、2011年1月以降エコポイント対象外となる4つ星以下のモデルが9割強を占めるため、駆け込み需要は11月末をピークとし年内に集中する可能性が高いという。2010年の冷蔵庫市場は数量前年比15%増の見込み。


(2010年 11月 4日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]