ソニーPCL、単眼式や小型タイプなど新3D撮影システム
-単眼式は光軸セッティング不要。ハンディ撮影対応も
単眼スプリッター方式3D撮影システム |
ソニーピーシーエル(ソニーPCL)は、3D撮影用の新システムとして、撮影前のセッティングなどが不要な「単眼スプリッター方式3D撮影システム」と、機動性を大幅に向上させた「ビームスプリッター方式ハンディRig」の2つを開発。運用を開始した。
一般的な二眼式3D撮影システムは、右目用と左目用カメラに対し、それぞれにレンズが装着されているが、「単眼スプリッター方式3D撮影システム」では2台のカメラが1つのレンズを共有しているのが特徴。
これにより、設営時のレンズ光軸セッティングが不要になり、ズーミングによる光軸ズレも発生せず、超望遠レンズを使うスポーツ撮影や風景撮影などで効果を発揮するという。さらに撮影中の視差調整もほとんど必要ないため、撮影現場で3D映像をチェックし、立体感や奥行き感などの調整を担当するステレオグラファーの負荷を軽減。より効率的な制作オペレーションが可能になるという。
旭山動物園での撮影の模様 |
なお、12月22日から銀座ソニービルで開催される「旭川市×ソニービル 3D旭山動物園」で上映される3D映像も、このシステムで撮影されており、動物の望遠撮影などで効果を発揮しているという。
「ビームスプリッター方式ハンディRig」は、ソニーの業務用ビデオカメラ「PMW-10MD」用に専用設計された3Dリグで、機材を大幅に小型・軽量化したのが特徴。レンズを含む外形寸法は280×450×530mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10kg。撮影シーンに合わせた目幅調整など、ビームスプリッター方式ならではの特長を保ちながら、通常の固定撮影だけでなく、肩に乗せてのハンディ利用も可能。移動撮影などで効果を発揮するという。
ビームスプリッター方式ハンディRig。ハンディ撮影にも対応 | 固定撮影時の様子 |
新システムの導入により、ソニーPCLが保有する3D撮影システムは、光学アダプタ搭載のサイドバイサイド方式カメラシステム×1式、P+S Technik製ビームスプリッター方式Rig×1式、ソニーPCL独自開発のビームスプリッター方式Rig×8式の計10式、小型Rig×2式に加え、単眼スプリッター方式撮影システム×1式、ビームスプリッター方式ハンディRig×1式の計14式となり、様々なシーンに、より柔軟に対応できるという。
(2010年 12月 8日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]