ミニレビュー

ソニー「α7 V」はオートホワイトバランスで気軽に撮れるのが魅力。シャッター音もチェック

α7 V

ソニーから発表された新たなミラーレスカメラ「α7 V」。「ベーシックを再定義する」という「Redefine Basic」というコンセプトを掲げた注目の機種だ。今回、α7 Vの実機を体験できるイベントに参加してきたので、触った印象をレポートする。

α7 Vの主な特徴は、新開発の有効3,300万画素部分積層型CMOSセンサー「Exmor RS」と、近年のαシリーズに搭載されているAIプロセッシングユニットを内蔵した新画像処理エンジン「BIONZ XR2」を搭載していること。進化点としては、「高性能AIAF」「進化した高画質・色表現」「高速性能」が挙げられてる。

動画性能面では、Super35mmクロップながら4K120pでの収録に対応したほか、4K60pはフルサイズで撮影できるようになっている。フルゲート撮影は非対応で、あくまで静止画を主軸としたベーシック機に仕上げ、より本格的な動画撮影機能はCinema Lineへという構図になっていきそうな様子だ。

ちなみに4K60p、120pで撮影する場合だが、デフォルトでは少し画角が狭くなる設定になっているため、「4K動画画角優先」の設定を入にすることで、4K60pではフルサイズ、4K120pではSuper35mmの画角で撮影できる。

4K動画画角優先を入に

そのほかの基本性能については、ニュース記事も参照してほしい。また、ライターの鈴木誠さんが解説するショート動画も公開している。

ソニー「α7 V」登場。注目はオートホワイトバランスの進化!?

市場想定価格は42万円と、ベーシックというワードが一致しているか少し戸惑う金額だが、実際に触れてみると、「ああこれは欲しかったベーシック機だ」と感じる要素がある。それが進化したオートホワイトバランス(AWB)。

従来の機種でも、AWBの調整にはAIを活用した機能が搭載されてきたのだが、今回のα7 Vでは、そのディープラーニングに用いられた量が増加。数万のシーンデータベースを活用したことで、撮影するシーンをカメラが理解して調整しているかのようなAWBになったという。

例えば、白い背景で白い服を着た人物を撮影する際に、従来は全体的に白い画になってしまうことがあったが、α7 Vでは光の色や肌の色も裸眼で見たような色合いに調整。彩度の高い要素が多い、森などを撮影する場合も、青っぽくならずに撮影できるとのことだ。

説明は静止画で行なわれたが、このAWBは動画でも同様に作用するということで、実際にα7C IIと比較して撮影してみた。どちらもホワイトバランスはオート、明るさも変わるのでISOもオートで撮影している。

ソニー「α7 V」オートホワイトバランスを「α7C II」と比較

両方並べているシーンがわかりやすいが、まずソファーの色がだいぶ違う。ソファーの後ろの壁も含めて、α7C IIでは大分色が薄い印象だ。そして、窓際の女性の方にカメラを向けた際に、ISOの変化による明るさの調整速度は同じくらいなのだが、色合いはα7 Vの方が一瞬で現実に近い色に調整される。α7C IIも最終的にはほぼ同じ色合いになっているが、青寄りの色合いからじわじわと変化しているように見える。

実際に、最初のソファーの色も女性の方の色もα7 Vで撮った方がほぼ目でみたままの色合いをしている。これであれば、シャッター速度と絞りだけ決めて、ホワイトバランスとISOはカメラに任せちゃえという状態で、動画が撮れるのでそういう意味で、「ベーシック機」として求めていた機能だと感じられた。

AFの被写体認識も「オート」設定が搭載されたので、パッとカメラを撮りだして、人でも動物でも昆虫でも飛行機や車でも、カメラ側が被写体を判断して追従してくれるので、このサポート機能的な意味合いでもちゃんとベーシック機として仕上がっているという印象は受けられる。

被写体を設定しなくても自動認識してくれる「オート」はベーシック機にこそ欲しい機能

写真や動画撮影の魅力にハマりだした人が、趣味でちょっと良いカメラを買ってみようと手にしたときに、ちゃんと写真や動画が撮りやすくなるような機能が揃っている印象だ。

シャッター音もチェック

連写性能も従来の10コマ/秒から30コマ/秒に進化したα7 V。そのシャッター音も収録した。

単発と10コマ/秒の連写はメカシャッター、30コマ/秒の連写は電子シャッターとなっている。ちなみに電子シャッターの音は、カメラを正面右側側面のスピーカーから音がなっていた。

ソニー「α7 V」シャッター音
野澤佳悟