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ホロライブ「ReGLOSS」メンバーと渋谷さんぽ。地方活性×コンテンツを目指すソニー「Locatone」の今

Locatone ReGLOSS 渋谷さんぽ

ソニーの「Locatone(ロケトーン)」というサービスをご存知だろうか。スマホアプリを使って、特定のスポットに行くと位置情報と連携して音声や音楽が流れるサービスなのだが、近年は観光案内やキャラクターIPと組み合わせたリアルコラボイベントなどに利用され始めている。

今回、カバーのVTuberグループ「hololive DEV_IS」のユニット「ReGLOSS」と、渋谷のコラボイベント「ReGLOSS 渋谷さんぽ」(12月17日まで開催中)に参加。イベントでのLocatoneの使われ方を体験すると共に、ソニー担当者にサービスの狙いを聞いた。

「ReGLOSS 渋谷さんぽ」で見える現在の渋谷

SHIBUYA TSUTAYA 6階 IP書店で展開されているスペース

Locatoneのコンテンツは無料のものと有料のものがある。今回体験した「ReGLOSS 渋谷さんぽ」は有料で1,650円となっている。購入はアプリからでも行なえるのだが、SHIBUYA TSUTAYA 6階 IP書店でカードを購入する形でも利用できる。

このリアルカードは、Locatoneでは今回が初の取り組みだそうだが、グッズを集めるVTuberファンとの相性が良く、参加者のほとんどがこのカードで購入しているとのことだ。

これをレジに持っていくと
カードがもらえる。ホロリス的にはリアルなアイテムの方が嬉しい
裏面はReGLOSSの4人
遊び方は、カードを開いた内側に書いてある。Locatoneアプリが必要だ

今回コラボしているReGLOSSは、音乃瀬奏、一条莉々華、儒烏風亭らでん、轟はじめの4人組グループ。イベント開催地である渋谷は、ReGLOSSの活動拠点地であるライブハウス「超VeryBad」がバーチャル渋谷に所在していることにちなんでいる。

巡るスポットは31カ所。スポットで流れるボイスは全てこのイベントオリジナルのもので、スポットにちなんだ会話を聴くことができる。5カ所達成と20カ所達成で、SHIBUYA TSUTAYAにてポストカードや巡回認定証と交換できる。

5カ所でポストカード、20カ所で巡回認定証がもらえる。31カ所コンプはアプリ内で

スマホに加えて、イヤフォンがほぼ必須となるコンテンツなのだが、オススメはオープンイヤータイプのイヤフォンだ。スマホの地図を時折見ながら巡ることになるので、ホロリスの友人と2、3人くらいで巡るのがオススメだろう。ちなみにボイスが流れるスポット以外では、ReGLOSSの楽曲が常時流れる。

オススメは耳を塞がないオープンイヤータイプ

スポットを巡ると、一緒に写真撮影できるARイラストがアンロックされていくので、ボイスの内容を聴きつつ、記念撮影もできる。

こんな感じでARイラストと一緒に写真が撮れる
(C)cover

渋谷というと、駅から宮益坂側は再開発で高層ビルが建ち並び、あまり頻繁に渋谷へ訪れていない人にとっては、「なんか来る度に景色が変わっている場所」という印象なのではないだろうか。筆者も取材くらいでしか渋谷は行かないので行く度に道が変わっていて彷徨い歩いている。

そして、ハチ公口側はとにかく駅前に人が多く、スクランブル交差点に至っては、歩行者信号が青になった瞬間に撮影を始める外国人がひしめき合っている。正直、用事がない限り避けたい場所だ。

そんな渋谷をLocatoneを通じて改めて散歩してみると、「意外とこの場所は落ち着いているな」「この道こんな名称だったのか」と自分が知らなかった渋谷を改めて認識できる。

とくに印象的だったのはモヤイ像だ。以前もハチ公像と比較してマイナーな待ち合わせスポットといった印象だったが、移設後の場所を今回初めて知った。ここでは莉々華と奏の掛け合いボイスがあるのだが、ちょうど取材日に化粧品メーカーのキャンペーンが行なわれており、モヤイ像がパックをしていた。もちろん莉々華を隣に並べて撮影した。

りりーか、モヤイ像パックしてるよ……
(C)cover

リアル×キャラクターIPで新たな価値の創造を目指すLocatone

Locatoneは元々、ソニーのヘッドフォンの事業部が展開していたAR技術をメインとしたサービスで、完全ワイヤレスイヤフォン「Linkbuds」シリーズなどと共に展開していた。

だが、現在はソニーグループが注力する「ロケーションベースエンタテインメント」の一環として、様々な地方自治体や、アニメなどのエンタメコンテンツ、それらを掛け合わせた「現実世界に仮想世界の音が混ざり合う新感覚の音響体験サービス」として展開している。

今回体験したReGLOSS 渋谷さんぽの他にも、声優の津田健次郎さんがナレーションを務める「Holy Night Symphony in みなとみらい」や、町田市と「うたごえはミルフィーユ」のコラボコンテンツ「手鞠沢高校アカペラ部と行く♪市内観光プログラム(Produced by クマちゃん)」、「僕のヒーローアカデミア」と静岡鉄道グループのコラボコンテンツ「僕の静岡まちめぐり」が実施されており、SNSで参加者から好評だという。

ソニーでは、Locatoneに限らず、以前から地方活性の視点でのサービスを展開しており、これまで関わってきた地方自治体は200カ所を超えると、Locatoneを担当している安彦剛志氏は話す。

ソニーマーケティング 企画課 ビジネスプランニングマネジャー 安彦剛志氏

Locatoneの狙いとしては、例えば、田舎に旅行した際に、その場所をよく知らない状態で行っても、Locatoneのコンテンツで観光が楽しめたり、名物観光案内人のおじいさんに会えなかった場合でも、その声の解説が聴くことができたりといった、リアルをより楽しめるコンテンツを目指しているという。

そこに、ソニーが得意としているアニメやVTuberなどのコンテンツを組み合わせることで、馴染みのない場所とファンを繋げたり、リアルの場所とエンタメコンテンツの相乗効果でより楽しめるものを作り出していくのが狙いだ。

このリアルの場というのは、地方自治体だけでなく、例えば美術館、博物館といった施設なども含めてリアルの場と考えている。

人を呼んだり、盛り上げていきたいリアルの場所と、エンタメコンテンツが組んでシナジーを発揮できるサービスになることを目指す。

とくに今回のReGLOSS 渋谷さんぽは、グッズとしてのチケットカードや、配布アイテムに加え、今回のイベントに合わせたグッズ販売もLocatoneの施策としては初めて行なわれている。

グッズコーナーの展開はLocatoneの施策では初だそう
今回のデザインのアクリルスタンドも

アニメやVTuberのコラボイベントとしてはよく見る光景かもしれないが、従来のそういったイベントにLocatoneが組み合わさるだけでも、スマホとイヤフォンを使って、より広いエリアで充実したコンテンツを楽しめるようになりそうだ。


    【開催中の主なLocatoneコンテンツ】
  • ReGLOSS 渋谷さんぽ
    Webサイト:https://www.locatone.sony.net/ch/91/
    開催期間:2025/11/12日(水)~2025/12/17(水)
    開催場所:東京都 JR渋谷駅周辺
  • Holy Night Symphony in みなとみらい
    ナレーションは、声優・俳優の津田健次郎さん
    Webサイト:https://www.locatone.sony.net/ch/53/
    開催期間:2025/11/6日(木)~2025/12/25(木)
    開催場所:神奈川県 横浜みなとみらい21地区
  • 町田市×うたごえはミルフィーユ
    「手鞠沢高校アカペラ部と行く♪市内観光プログラム(Produced by クマちゃん)」
    Webサイト:https://www.locatone.sony.net/ch/86/
    開催期間:2025/10/1日(水)~2025/12/28(日)
    開催場所:東京都 町田市
  • 『僕のヒーローアカデミア』×静鉄コラボ
    「僕の静岡まちめぐり」
    Webサイト:https://www.locatone.sony.net/ch/85/
    開催期間:2025/9/21(日)~2025/12/20(土)
    開催場所:静岡県 静岡市
野澤佳悟