エプソン、中国の液晶タッチパネル工程をソニーに譲渡
ソニーとセイコーエプソンは2日、エプソンの100%子会社で、中国で中/小型TFT液晶ディスプレイの生産を行なっているSuzhou Epson(SZE)の全持分をソニーの100%子会社Sony Chinaへ譲渡することで合意し、正式契約を締結した。2011年度上期中の譲渡完了を目指す。
エプソンは、中小型TFT液晶ディスプレイ事業の構造改革に取り組んでおり、2010年4月には100%子会社のエプソンイメージングデバイスの生産関連資産の一部(前工程)をソニーグループに譲渡している。この事業構造改革の一環として、今回、エプソンイメージングが行なう同事業の後工程、タッチパネル工程を担うSZEをソニーに移管することが最適と判断したという。
ソニーは、中小型液晶ディスプレイ生産において、ソニーモバイルディスプレイ鳥取事業所における前工程に、SZEの後工程、タッチパネル工程を加えた液晶の一環オペレーション体制を構築し、事業運営のスピードアップや効率化を図る。SZEの有する車載機器やスマートフォン向け液晶ディスプレイ、タッチパネル生産能力を獲得し、市場の要求に応える生産体制を整えるとしている。なお、ソニーでは、現在もSZEを中小型TFT液晶ディスプレイの生産の後工程に活用している。
今回の譲渡の対価は775百万人民元だが、この対価は主に、SZEが保有している現預金のほか、ソニーグループがすでにSZEに発注した製品のSZE保有在庫を含めて算出されている。
(2011年 2月 2日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]