エプソン、'14年度までの中期計画を策定。プロジェクタNo.1を維持


 セイコーエプソンは、2012年度を初年度とした3カ年の中期経営計画「SE15後期 中期経営計画」を発表した。

 SE15は2009年3月に、同社の2015年度のありかたを描いた長期ビジョン。2012年度から2014年度までのSE15後期についても基本戦略に変更はなく、プリンティング、プロジェクション、デバイス精密などの領域の強化を図る。

 「プロジェクション」については、高温ポリシリコンTFT液晶などのマイクロディスプレイと光学技術をさら磨き、「競争力を高め、さらなるシェア拡大を図る」としている。

 前期(2009~2011年度)と同様に、「プロジェクタのあらゆる領域でNo.1となる」という戦略は維持し、オフィス・教育向けは、インタラクティブ技術などを進化させ、使いやすさを向上、エントリーモデルのラインナップを拡充する。また、超大画面/高輝度やホーム向けは、マイクロディスプレイと光学技術で画質の良さを進化させ、ラインナップを拡充する。

 さらにHMD(ヘッドマウントディスプレイ)など、新たなジャンルの製品を創造。「HMDなど、お客様の期待を超える新たな製品ジャンルを確立していく」としている。

 プリンティング領域では、マイクロピエゾ技術を生かし、あらゆる領域のプリンティング革新を目指し、インクジェットプリンタ小型化やホーム領域の強化、インクジェットのオフィス導入、エマージング領域の強化などを図る。デバイス領域では、QMEMSや半導体技術融合によるタイミングデバイス、センシングデバイスなどを強化。精密メカトロニクス技術を生かした、ウォッチ、FA機器などの事業を強化する。

 また新規領域では、センシングや省電力、ウェラブル等の技術を健康、スポーツ、医療分野に展開。マイクロピエゾやセンシングなどの、FAや産業機器分野への展開も予定している。

 業績目標は'12年度が売上高が8,900億円、営業利益350億円で、'14年度は売上高1兆円、営業利益700億円を目指す。

【業績目標】

年度2012年度2013年度2014年度
売上高8,900億円9,400億円1兆円
営業利益350億円470億円700億円
営業利益率4%5%7%

(2012年 3月 15日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]