JVC、MPEG-2/AVCHD選択可能な業務用ビデオカメラ

-Wi-Fi/3G対応でProxy転送の「GY-HM650」など


GY-HM650(外付けマイクは別売)

 JVCケンウッドは、JVCブランドの業務用HDビデオカメラ「GY-HM600」を10月下旬から、上位モデルの「GY-HM650」を12月上旬より順次発売する。MPEG-2とAVCHDのデュアルHDコーデック対応が特徴で、上位モデルのGY-HM650は、無線LANや3G/4Gネットワーク接続に対応し、スマートフォンやタブレットからの遠隔操作に対応する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はGY-HM650が60万円前後、GY-HM600が50万円前後。

 いずれも業界最高という光学23倍(F1.6-3.0、35mm換算29m~667mm)の新開発FUJINONワイドズームレンズを搭載。低照度での高画質撮影に対応する他、オート/マニュアル切替スイッチやフォーカス/ズーム/アイリス調整用の独立リング、光学手ブレ補正を搭載。4段階(Clear、1/4、1/16、1/64)のNDフィルタも備えている。

 撮像素子は、新開発の220万画素1/3型CMOSセンサーで、F11(2,000lx)の高感度でありながら、12bitの高S/N処理で低ノイズを実現。CMOS固有のフラッシュバンドも低減しているという。

 映像エンジンには独自の「FALCONBIRD」を搭載し、業界で初めてMPEG-2 Long GOPとAVCHDを選択可能とした。これにより1台のカメラで用途に応じたHD記録が可能という。記録解像度は最高1,920×1,080ドットで、MPEG-2は35/25/19Mbpsが選択可能で、ファイル形式はMOV、MP4、MXF(GY-HM650のみ)。AVCHDは24/17Mbpsのファイル形式MTS、MPEG-4 AVC/H.264はSDの8MbpsのMOV形式で、GY-HM650では35Mbpsでの記録やHD撮影時のProxyファイル(480×270ドット)作成にも対応する。

 記録メディアはSDHC/SDXCメモリーカードで、カードスロットを2基搭載。2枚のカードへのシームレスな連続記録が可能な「リレー記録」や、2枚同時記録の「デュアル記録」、RECボタン操作通りに記録しながら、もう1枚ではベタ撮りを続ける「バックアップ記録」などに対応する。

 GY-HM650固有の機能として、HD/SDの同時記録や、HDとProxyファイルの同時記録に対応。また、USBホスト端子を介した、無線LAN(Wi-Fi)、3G/4Gネットワーク接続に対応。カメラ本体のFTPクライアント機能により、Wi-Fiや3G/4Gネットワークアダプタに接続し、タブレットやスマートフォンからProxyファイルなどの記録映像を現場からの速報として転送できる。また、ネットワーク経由で、離れた場所からのリモートビューイングや、ワイヤレスカメラ制御に対応する。

 また、メタデータを含むMXFファイル対応や35MbpsのH.264 UHQモードもGY-HM650のみの対応となる。

 記録開始の15秒前から映像/音声を記録する「PreRECモード」や、インターバル撮影用の「Interval Recモード」を搭載。本体にステレオ・マイクを内蔵するほか、XLRオーディオ入力も2系統装備しており、外部マイクを接続可能。MIC/LINEの切り替えに対応する。AUX入力も備えている。液晶モニターは3.5型92万画素、ビューファインダーは0.45型/122万画素のLCOS。SDI出力やHDMI出力も装備する。

 外形寸法は178×416×198mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.4kg(HM600)/約2.45kg(HM650)。バッテリ(SSL-JVC50)やACアダプタが付属する。



(2012年 9月 12日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]