パイオニアから車載オーディオのハイエンドシリーズ。「TADの思想と技術を投入」

パイオニアは、車載用オーディオのハイエンドシリーズ「GRAND RESOLUTION」を新たに立ち上げ、その第1弾製品として、単体で3ウェイスピーカーシステムを構築できる「TS-Z1GR」、カロッツェリアのウーファーユニットと組み合わせられる2ウェイハイレンジ「TS-HX1GR」を7月に発売する。価格はTS-Z1GRが770,000円、TS-HX1GRが495,000円。両製品ともハイエンド・オーディオブランド「TAD」の思想と技術が投じられている。

TS-Z1GRは17cmセパレート3ウェイ、TS-HX1GRは7.3cm 2ウェイハイレンジ。

「GRAND RESOLUTION」は、音楽をありのままに表現するために、パイオニアの祖業である「音」の技術を進化させ、長年の研究・開発で培った設計思想を追求した車載用ハイエンドシリーズ。「アーティストの想いを正確に伝える“心に響く音”で、“空間と時間の一致が誘う異次元の音楽体験”を提供する」という。

「TS-Z1GR」

今回発売される2モデルは、車室内において理想の音響特性を実現するため、「低クロスオーバーによる広指向特性」と「全帯域にわたる低歪み」をキーワードとした“Open＆Smooth”コンセプトを追求。CSTドライバーや、カースピーカーでは初という蒸着ベリリウム振動板のなど、「TADの思想と技術を投入することで、車室内における自然な音場空間と音の実在感を高次元で実現する」としている。

CSTドライバーは、点音源再生が可能なTADのコアテクノロジーを用いたスピーカーユニット。高音と中音の到達時間差が生まれず、ツイーターとミッドレンジ間に位相のズレが発生しなため、開放的な音の広がりと自然で滑らかな超広帯域中高音再生を実現した。

またツイーター部には、蒸着ベリリウム振動板を採用した。独自の真空蒸着法で加工したもので、軽量かつ高い剛性と内部損失をあわせ持つ蒸着ベリリウム振動板により、「比類なき空気感と実在感を実現する」という。

TS-Z1GRのウーファー部には、不要な共振を徹底的に除去するフルバスケットアルミダイキャストフレームのほか、軽量・高剛性の開繊カーボンと抄紙を組み合わせた「2層構造開繊カーボン振動板」、強力な磁束を獲得し低歪み化を実現する「ネオジムマグネット」と磁気回路を採用している。

ミッドレンジとツイーターの位相と音圧、指向特性を両モデル用に最適化した専用のクロスオーバーネットワークも採用。帯域分割を最適化し、各ユニットの性能を最大限に発揮する。さまざまなシステムに接続できる「バイアンプ接続対応ネットワーク」も装備。

「TS-HX1GR」

そのほか、ボディの塗装にガラス粒子を含んだ特殊塗料を使うことで、造形美を高めたほか、ミッドレンジとツイーターの磁気的な相互干渉を防ぐため、TADでも採用されている「アイソレーションキャップ」も採用している。