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東洋紡、液晶の“虹むら”を抑えるポリエステルフィルム

 東洋紡は、液晶テレビ/ディスプレイの“虹むら”を解消するポリエステルフィルム「コスモシャイン」(超複屈折タイプ)を慶應義塾大学小池康博教授との共同研究により開発した。生産量は1ライン1,000万m2/月で、2015年に売上高150億円を目指す。

 同社のコスモシャインは、液晶ディスプレイのベースフィルムとして開発/販売されている。従来の液晶ディスプレイに利用される部材では、複屈折量(位相差)が少ないものが必要とされ、それらの位相差は約1,000~3,000nmであった。これは複屈折による色変化、特に材料より発生した位相差により、虹のような色ムラが現れる「虹むら」を抑えるためのものだった。

 今回開発したコスモシャイン(複屈折タイプ)は位相差が約1万nm。位相差を減らすのではなく、従来よりも大幅に高めることで、LED光源を利用する液晶ディスプレイで虹むらを解消できるという。延伸フィルムながら複屈折による虹むらを解消できるほか、液晶からの光をより自然光に近い状態へ変更(偏光解消)。また、様々な素材との優れた接着性も有しているとする。

 主な利用用途はPVA偏光子保護フィルム、タッチパネル用各種ベースフィルム基材、液晶画面の視認性改良(偏光サングラス対応)フィルムなどを想定している。

(臼田勤哉)