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harman/kardon、薄さ32mmで壁掛け/無線サブウーファ付属のシアタースピーカー「SABRE」

テレビの前にあるのが薄型サウンドバー、右端が薄型のワイヤレスサブウーファ。この2つで「SABRE SB35」システムとなる

 ハーマンインターナショナルは、harman/kardonブランドのスリムなシアタースピーカーセット「SABRE SB35」を2月に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は99,800円前後。

 32mmという超薄型のサウンドバーと、2.1GHz帯を使って接続するスリムなワイヤレスサブウーファで構成するシアタースピーカーシステム。付属の金具を用いて、サウンドバーだけでなく、サブウーファも壁掛けできるなど、スリムさを活かしたスマートな設置ができるのが特徴。同時に、HDオーディオに対応したデコーダと8.1chアンプを内蔵するなど、ハイスペックな仕様になっている。

薄型シアターバーとワイヤレスサブウーファで構成
サブウーファの壁掛けもできる
AVラックの下にサブウーファを設置したイメージ

 サウンドバーはアルミ筐体で、外形寸法は1,150×32×110mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.6kg。25mm径のドームツイータ×4、45mm径ミッドレンジ×6を内蔵。アンプの最大出力は20W×4、15W×4を内蔵する。

薄さ32mmのサウンドバー

 2.1GHz帯を使ってサウンドバーとワイヤレスで接続するサブウーファには、112mm径ウーファ×2を搭載。アンプの最大出力は100W。外形寸法は390×86×460mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5.8kg。

サブウーファも薄型。左側面にゴムのインシュレータも装備。床に横置きもできる

 サウンドバーとサブウーファのどちらもスタンドを外し、付属の金具を用いて壁掛け設置が可能。さらにサブウーファは床に横置きする事もでき、縦えば、ソファーやラックの下などの隙間に入れる事もできる。

付属の金具でサウンドバーとサブウーファをどちらも壁掛けできる

 8.1chシステムとなっており、HDMIなどで入力された信号は、「harman Wave サラウンドモードテクノロジー」という独自開発の信号処理を施す事で、臨場感のあるサウンドで再生できるという。同技術は、効果の具合をユーザーが選択する事もできる。さらに、テレビ番組とCMなど、コンテンツによる音量のバラつきを自動調整する「harman VOLUME」も搭載する。

 デコーダはDTS-HDやドルビーTrueHDなどのHDオーディオに対応。入力はHDMIマイクロ×4を備え、1系統はHDMI CECとARCに対応する。さらに、光デジタル音声、アナログ音声入力も各1系統用意。Bluetooth 2.1に準拠したレシーバを搭載しており、対応するスマートフォンなどと接続し、テレビを使わず、オーディオスピーカーとして利用する事もできる。

 周波数特性は43Hz~22kHz。サウンドバーがテレビのリモコン受光部を隠した場合に備えてIRリピーターも付属。サウンドバーの背面接続部分を綺麗に見せるためのパネルカバーも同梱する。

サウンドバーの背面
HDMIマイクロなどの入力を備える
接続部分を隠すパネルカバー付き
付属のリモコン
IRリピーターも付属する

音を聴いてみる

 イーグルスのライヴBDや、「トイ・ストーリー3」などを試聴した。

 一聴して感じるのは、音場の広さとまとまりの良さだ。harman Wave サラウンドモードテクノロジーで広げられたサラウンドは、サウンドバーの横幅を大きく超え、テレビ画面の1.5倍以上と感じられる外側までブワッと広がる。音量を上げ目にすると、自分の真横まで音が広がり、包み込まれるシアターシステムならではの心地よさが味わえる。

 スリムなサウンドバーにも関わらず、厚みのある中低域が出ている。試しにサブウーファのボリュームを下げてみると、その中低域の厚みがどんどん薄くなり、中高域だけが残る。どうやらサウンドバーは主に中高域を担当、サブウーファは低音だけでなく、中域の量感を底上げする役目も担っているようだ。薄型で壁掛けもできるサブウーファの姿から想像できないほど、低音の再生能力は高い。

 特筆すべきは、それにも関わらず、非常に全体のまとまりが良い事だ。サブウーファは自分の向かって右側に設置されていたが、中域がそちら側に偏ってしまわない。しっかりとセンターから厚みのある音が聴こえるのが面白い。聴いていると、サブウーファの設置場所や存在が気にならなくなる。サウンドバーの音と見事に融合したワイドレンジサウンドを構築している。

 サウンドバーは薄型であるため、筐体の鳴きなどを懸念したが、アルミ筐体は剛性が高く、エンクロージャの響きで高域が不明瞭になったりはしない。抜けの良さはハッとするほど明瞭で、セリフが聴き取りやすく、疾走する馬が蹴りあげる石の「パチパチ」という細かな音もクリアだ。

 harman/kardonらしい綺羅びやかな高域と、薄型だが再生能力の高いサブウーファの音が見事に融合している。本格的な単体スピーカーによるサラウンドシステムと比較すると、絶対的な低域の沈み込みや、中高域の解像感などは一歩劣るが、壁掛けもできるスタイリッシュなバースピーカー+サブウーファから再生された音だと考えると、完成度の高さに感心する。テレビが壁掛けなのでAVラックを置きたくない、場所をとる本格的なシアタースピーカーを起きたくない、大きなサブウーファを置きたくない、そこまでケーブルを這わせたくない、それでも、ある程度シッカリした音を出して欲しいというニーズにマッチするシステムだ。

(山崎健太郎)