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ニコファーレの360度映像をHMDで視聴する配信技術を開発

NTTとドワンゴが共同開発。視聴品質最適化技術も

 日本電信電話(NTT)とドワンゴは、映像&ソーシャルサービスの高度化に関する共同技術開発の成果を発表した。今回開発したのは、ライブ会場のニコファーレに設置した360度全天周カメラの映像から、視聴者がヘッドマウントディスプレイ(HMD)を通じて好きな方向を自由に見渡すことができる「全天周映像向けインタラクティブ配信技術」と、利用者の環境やネットワーク混雑状況に応じて最適な配信レートを過去の状況から予測する「視聴品質最適化技術」の2つ。

 「全天周映像向けインタラクティブ配信技術」は、ライブ会場のニコファーレに設置した360度全天周カメラの映像を利用して、視聴者が自宅などでHMDを通して好きな方向を自由に見渡すことができるサービスを実現するもの。

 利用者は、舞台から客席まで360度全方向を撮影した全天周映像の好きな方向を自由に視聴可能で、自分の向く方向に追随した映像を直感的に視聴できる。見ている方向の映像を高品質に選択配信する技術を用いており、視聴している方向の映像だけを選択的に高画質配信するため、限られた帯域でも高品質な映像配信が実現できるとしている。

全天周映像向けインタラクティブ配信技術の概要

 「視聴品質最適化技術」は、ネットワーク混雑時の視聴者の体感品質(QoE)を改善するという技術。ニコニコ動画などの映像配信サービスでは、ネットワークの混雑により、映像が停止するという問題があり、サービス利用者の体感品質(QoE)低下を招いていた。NTTはネットワークの状態と、サービス利用者のQoEの関係を解明し、視聴者が実際に感じる映像の満足度を客観的な数値として推定/最適化。この技術を用いて、サービス利用者の環境や混雑状況に応じ、最適な配信レートなどをレコメンドする品質APIのプロトタイプを開発した。ドワンゴは同APIに接続することで、niconicoにおける体感品質の最適化を可能にするアプリを開発。今後niconicoにおいて実証実験を行ない、効果検証を進めるとしている。

視聴品質最適化技術の概要

 なお、これらの成果については、2月13、14日にNTT武蔵野研究開発センタで開催する「R&Dフォーラム2014」で披露する。

(臼田勤哉)