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4Kスマホの'16年製品化に向け、シャープがIGZO採用の4.1型/2,560×1,600液晶試作

 シャープは11日、IGZO技術を採用し、4.1型ながら、解像度2,560×1,600ドット(736ppi)を実現した、モバイル機器向け液晶パネルを試作した。このパネルをベースに、サイズを6型とすると4K解像度に到達する。シャープではスマートフォン向け4Kパネルに向けて今後も開発を進め、2016年頃の製品化を目指している。

4.1型、解像度2,560×1,600ドットの試作機

 現在の一般的なスマートフォンの液晶パネルは、4.7型で1,280×720ドット(約312ppi)だが、その画素密度を2倍以上、画素サイズを約4分の1とし、約4倍以上の解像度となる2,560×1,600ドットを実現した。

 IGZO-TFTの構造をシンプルにして開口率を高めるなど、IGZO技術を大幅に進化させることで、画素密度の向上に成功したという。

 これにより、従来はLTPSが得意としていた高精細化技術において、IGZO技術を用いることで同等のものができるようになるとする。

4.1型、2,560×1,600ドット

 特に中国で、スマートテレビやタブレット、ノートPCにおける4Kパネルの搭載が進んでおり、一部のユーザーからはスマートフォン向け4Kパネルに関する問い合わせも出ている事から開発したという。

 今後の最先端パネルの取り組みは、LTPS(三重第3工場)で続ける一方で、4Kモバイル機器(スマートフォン/タブレット)向けパネルの需要に備えて、亀山第2工場のIGZO技術を進化させ、LTPS並の高精細パネルが生産できる体制の構築を目指している。

 シャープでは、今回開発を、中小型液晶パネルにおいて基盤となる技術と位置付けており、今後進化させることで、「FFDやMEMS-IGZOタブレット向けパネルなども含め、既存にないアプリケーションの創出に貢献できるパネルを開発する」としている。

画素サイズは約4分の1に
画素内トランジスタ面積の推移

(山崎健太郎)