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シャープ、業界初のMEMS-IGZO採用タブレットを'15年上半期発売。高色再現/超省電力

 シャープは6日、業界初となる、MEMS-IGZOディスプレイを採用した7型タブレット「メディアタブレット」を発表した。2015年上半期に法人向け市場を中心に発売する予定。OSはAndroid 4.4。

MEMS-IGZOディスプレイを採用した7型タブレット「メディアタブレット」

 MEMS-IGZOは、次世代の中小型ディスプレイとしてシャープが米Qualcommの子会社Pixtronix(ピクストロニクス)と共同で開発しているもの。「メディアタブレット」に採用されているディスプレイは、7型で解像度は1,280×800ドット。

 MEMS-IGZOディスプレイとは、MEMS(メムス/Micro Electro Mechanical Systems)シャッターとスリット、LEDバックライトで構成されている。MEMSとは微小電子機械システムという意味で、その技術を用いて、超小型ながら、高速に開閉できるシャッターを開発。それをディスプレイに採用している。

 ディスプレイの構造としては、RGBのLEDバックライトが順次点灯するフレームシーケンシャル方式で、画素毎にシャッターを配置。それを高速で開閉させ、画像を表示する。

 順次点灯するRGBバックライトの光に対して、開閉を制御する事で、カラー表示を実現している。時間積分型の階調生成で、原理的にはDLPプロジェクタとも似ている。

MEMS-IGZOディスプレイの構造

 また、シャッターの駆動モードを用途に適したものに変更する事で、消費電力を抑えられるのも特徴。動作制御の速度を速めることで、より鮮やかなカラー表示が可能な「高色再現モード」に、遅くする事で外光下でのカラー表示で視認性に優れた「高輝度モード」、さらに遅くする事でグレースケール/白黒表示になるが、超省電力駆動が可能な「白黒表示モード」も実現。タブレットでは、ワンタッチで表示モードを切り替えられる。

駆動モード切り替えと消費電力の関係

 この特徴を活かし、外光下での作業マニュアルや、地図・路線図などの確認、機器のメンテナンスや、ロードサービスといったビジネスシーンでの利用を想定。色彩表現が重要となる、写真や画像を使った商談ツールとしても利点があるとしている。

 なお、消費電力や駆動時間は未定。外形寸法や重量も未定となっている。

 タブレットのOSはAndroid 4.4で、プロセッサはQualcomm Snapdragon 800。カメラはフロントとリアに各1基搭載。通信機能として、LTE/3Gと、IEEE 802.11a/b/g/n/acのWi-Fiも搭載。LTEはNTTドコモのXi、FOMAと、MVNOのサービスに対応する。IPX5/IPX7の防水性能も備え、水がかかるような場所でも利用できる。

(山崎健太郎)