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ARの新ハイレゾプレーヤーや、ウォークマン「ZX1」向けジャケット型アンプ

 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 2015冬」が14日、中野サンプラザで開催された。入場は無料。開催時間は11時~17時30分。

中野サンプラザ

 ポータブルアンプやポータブルプレーヤーを中心に、機器の比較試聴ができるイベント。アンプやプレーヤーだけでなく、ポータブルヘッドフォンやイヤフォンメーカーも参加。ユーザーが出展するコーナーなども設けられている。

 ここではフロンティアファクトリーやアユート/Astell&Kernなどを中心に、注目の新製品や参考展示をレポートする。

フロンティアファクトリー

 フロンティアファクトリーのブースでお披露目されているのは、老舗オーディオブランド、Acoustics Research(AR)のハイレゾプレーヤー「AR-M2」。日本での発売は春頃を予定している。価格は未定だが、現時点では138,000円程度をイメージしているという。

ARのハイレゾプレーヤー「AR-M2」

 スマートフォンのようなタッチパネルタイプの大型ディスプレイを備えたハイレゾプレーヤー。ディスプレイは5型で、解像度は1,280×720ドット。ホーム画面にはアイコンが並び、Android OSをベースにしているようだ。

 筐体は金属製で高級感&重量感がある。上部の右側に、ボリュームダイヤルを搭載。直感的な操作で音量の増減ができる。右側面には、音楽再生制御用のボタンも搭載する。ヘッドフォン出力はステレオミニ×1を底部に用意する。

Androidベースのプレーヤーになっているようだ
上部にボリュームダイヤルを装備している
側面にも音楽再生操作のハードウェアボタン
5型のディスプレイを装備する
側面のスライドドアを開くとmicroSDカードスロットが
イヤフォン出力部
背面

 DACチップには、TIバーブラウンの「PCM1794A」を搭載しており、5.6MHzまでのDSDやDXD、FLAC、WAVなどのハイレゾファイルが再生できるという。DSD/DXDはPCMへの変換再生となる。CPUはContrex A7のクアッドコア。

 ストレージメモリは64GBで、microSDカードスロットも装備。ユーザーによるメモリ拡張が可能。無線LAN機能も搭載する。バッテリ駆動時間は8時間。ただし、スペックは最終ではなく、変更になる可能性があるという。

ARのUSB DAC内蔵小型ヘッドフォンアンプ「UA-1」

 さらに、ARのUSB DAC内蔵小型ヘッドフォンアンプ「UA-1」も参考展示。こちらも春頃の発売を予定しており、価格は6万円台を想定。DSDファイルなどを含めたハイレゾファイルをPC経由でUSB DACとして再生でき、ヘッドフォン出力は標準プラグのアンバランスを備えている。

アユート/Astell&Kern

イベントがバレンタインデーでもあるため、アユートのブースではAKマーク入のチョコも配られた

 アユートのブースでは、Astell&KernとJH Audioがコラボレーションした、ユニバーサルタイプのイヤフォン新製品「THE SIREN SERIES - Universal Fit」の「Layla」と「Angie」が体験できる。発売は2月27日。直販価格はLaylaが359,800円(税込)、Angieが159,800円(同)という、超弩級モデルだ。

 もう一つのコラボモデルとなる「AKT5p」も出品。BeyerdynamicのT5pをAKシリーズ向けにチューニングしたモデル。1月から発売されており、直販価格は169,980円(税込)。ケーブルが標準で2.5mmのステレオミニミニ/4極のバランス仕様になっている。

左が「Layla」、右が「Angie」
AKT5p
「AK500N」の試聴ルーム

 2月13日から受注を開始する、AKシリーズの据置型ネットワークオーディオプレーヤー「AK500N」も専用ルームにおいて、ELACの「FS507 VX-JET」や、マークレビンソンのプリメイン「No585」などと組み合わせて試聴できる。

 スロットローディング式のCDドライブと、最大4TBまで増設が可能な4ベイのSSDスロットを備えた一体型オーディオシステムで、USB DAC、DLNAサーバー/コントローラー/レンダラー機能なども搭載。直販価格は1TBモデルが169万円(税込)、2TBモデルが184万円(税込)。

 AKシリーズ第1世代(AK100/100MKII/120/120TITAN)にドッキングするように装着できる、USB DAC兼ポータブルアンプ「THE Glove A1」を展開しているGlove Audio。同社の新製品として、ソニーのハイレゾウォークマン「ZX1」のバランス駆動を可能にする「THE Glove S1」(仮称)が参考展示されている。

「ZX1」のバランス駆動を可能にする「THE Glove S1」(仮称)

 A1は、AKシリーズの光デジタル出力と接続していたが、S1はZX1のWMポートと接続。ZX1の背後に取り付けるジャケットのような形状になっている。

 内部にDACとアンプを搭載。主な機能は「THE Glove A1」を踏襲しており、ヘッドフォン出力はステレオミニのアンバランス、角型4ピンバランス、2.5mm 4極バランスの3タイプを搭載。ZX1のユーザーが、手軽にバランス駆動が楽しめる製品になっている。春頃の発売を予定しており、「A1よりもやや高価になる見込み」だという。

側面
S1を装着した状態でも、ZX1のイヤフォン出力にはアクセスできる
ステレオミニのアンバランス、角型4ピンバランス、2.5mm 4極バランス出力を装備する

 さらに、イヤフォン/ヘッドフォンの2ブランドを参考展示。シンガポールのメーカー「DITA」から、フラッグシップモデル「Truth」と「Answer」を展示している。AKシリーズと組み合わせてバランス駆動で利用できるように、2.5mm 4極端子になっているモデルも展示しているが、具体的な発売時期や、どの端子を採用した状態で販売するのかなどは未定。

DITAのイヤフォンも参考展示。2.5mm 4極端子タイプも存在し、ステレオミニへの変換ケーブルと組み合わせて展示されていた

 MASTER & DYNAMICは、ニューヨーク発のメーカー。本革やステレンススティールなど、高級素材を活用。ファッション性、ディテールにこだわった「リッチ且つナチュラル・ウォームなサウンドが特徴」だという。

 モデルは、ヘッドフォンの「MH40」、「MH30」と、イヤフォンの「ME01」、「ME03」。いずれもダイナミック型ユニットを採用。AKシリーズでも利用できるが、iPhoneユーザーなど、よりカジュアルな層へも訴求するモデルとして取り扱いを検討しているという。

 価格は「MH40」が5万円程度、「MH30」が4万円程度。イヤフォンの「ME01」が2万円程度、「ME03」が25,000円程度を想定している。ME03はセミオープン、ME01は密閉型ハウジングを採用する。

左からヘッドフォンの「MH40」、「MH30」
「MH40」
「MH30」
ME01は密閉型
ME03はセミオープン
ハイレゾプレーヤーAK240の、ステンレス筐体モデルも参考展示。ノイズフロアを低くで、高音質再生ができるという。背面には通常の強化ガラスではなく、ゴリラガラスを使っている
「ZX1」のバランス駆動を可能にする「THE Glove S1」(仮称)

 さらに、AKブランドではなく、iriverブランドの新イヤフォン「AT500」も参考展示。ファイナルオーディオが手がけている製品で、8mm径のダイナミック型ユニットを搭載。1万円以内の価格を目指しているという。

(山崎健太郎)