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4K/30p動画対応で4K PHOTO強化のパナソニック「DMC-G7」

ダイヤルで4K PHOTO選択。3種類の4K PHOTOモード

 パナソニックは、4K/30p動画撮影に対応し、秒間30コマ連写で写真撮影を行なう「4K PHOTO」を強化したマイクロフォーサーズ一眼カメラ「LUMIX DMC-G7」を6月25日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は84,000円前後。高倍率ズームレンズ「H-FS14140」が付属するレンズキット「DMC-G7H」は12万円前後。カラーはブラック。

DMC-G7

 2013年発売の「DMC-G6」の後継モデルで、フラッグシップ機「DMC-GH4」やLTE対応デジタルカメラ「DMC-CM1」などで搭載した4Kで秒間30コマ連写撮影を行なう「4Kフォト(4K PHOTO)」を強化。本体天面左側の[ドライブモードダイヤル]に[4K PHOTO]を追加したほか、新4K PHOTOモードを追加するなど強化した。

 4K/30pまでの動画撮影にも対応。236万画素の有機ELファインダーも新搭載したほか、センサーや画像処理エンジンも最新バージョンに強化されている。

空間認識技術でAF改善

 撮像素子には4/3型、有効1,600万画素のLive MOSセンサーを搭載。ISO感度は200~25,600。画素回路と信号読み出し回路の低ノイズ化により、S/N特性を改善している。

 映像エンジンの「ヴィーナスエンジン」は、上位機DMC-GH4相当のものを搭載。ダイナミックレンジを約25%拡張したほか、色再現性や解像感を向上。適応型の「新マルチプロセスNR」により、エッジやグラデーションを見分けて最適なノイズ低減を実現。デジタル特有のブロックノイズ成分を見分けて、フィルムのような粒状感を実現できるという。

 高速CODECを搭載し、動画記録も強化。高精度動き予測や適応型符号化処理により、圧縮率を向上し、4Kの精細感を高めているという。また、新たに「小絞りボケ補正」を追加。絞った際に発生する回折現象をデジタル補正し、画像の滲み感を抑える。

 オートフォーカス(AF)には、コントラストAFのほか、「空間認識技術」も搭載。ピント位置の異なるライブ画像から空間を認識し、物体までの距離を高速で演算する「DFD(Depth From Defocus)技術」を使ったもので、AF速度は0.07秒。ピント位置付近まで最高速で移動し、コントラストAFで微調整して、AFのスピードと精度を向上させる。新たに微妙な光源を検出し、ピントをあわせる「星空AF」も搭載した。

 動画撮影にも空間認識AFを利用可能。また、パナソニック以外のマイクロフォーサーズレンズ使用時でもDFD技術の一部を活用してAF性能を向上しているという。追従性能もG6比で約2倍に向上。従来の色判別だけでなく、サイズ・動きベクトル検出により被写体を判別。さらに被写体の動きを予測する機能を用いて、追従性能を高めたという。

 内蔵マイクは「風音キャンセラー」を新搭載し、ステレオ感を向上しながら、ノイズ感を低減。3.5mmのマイク入力も備えており、外部マイクを使った録音に対応する。

4K/30p動画撮影対応

 動作撮影機能は新たに最高4K/30pに対応。MP4形式で、3,840×2.160ドット/30p/24p(ビットレート100Mbps)や1,920×1,080/60p(約28Mbps)、1,920×1,080/30p(約20Mbps)、1,280×720/30p(約10Mbps)、640×480/30p(約4Mbps)に対応。AVCHDの1080/60p(ビットレート28Mbps)や、1080/60i、30p、24pなどにも対応する。

 動画撮影中でもAFは被写体に追従する。動画機能が充実しているG7だが、上位機GH4との比較では、高ビットレートのMOV記録などのプロ向け機能が省かれているほか、連続動画撮影時間も29分59秒までとなる。

 高速連写は8コマ/秒(AFS)、6コマ/秒(AFC)。記録メディアはSDメモリーカード(SDXC/SDHC対応)で、LUMIXとして初のUHS-IIスピードクラス3対応。より多くの連写撮影や4K動画撮影をサポートする。

4K PHOTOを大幅強化

 特徴は「4K PHOTO」の強化。4K PHOTOは、'14年発売のフラッグシップ機「DMC-GH4」を皮切りに、「DMC-LX100」や「DMC-CM1」などで採用されているが、DMC-G7では大幅に機能強化された。

ドライブダイヤルに[4K PHOTO]を用意

 4K PHOTOは、4K(3,840×2,160ドット)で撮影した4K動画から1コマを切り抜き、800万画素の静止画を作成する機能。4Kフォトモードに設定すると、切り出しに最適である「記録方式MP4」、「画質設定4K/100M/30p」、「輝度レベル0-255」に、一括で設定が切り替わる。

 新たに本体天面左側のドライブダイヤルに[4K PHOTO]専用ポジションを用意。従来は本体のメニューから4Kフォトモードを選択していたが、DMC-G7ではダイヤルを4K PHOTOにあわせるだけで、4Kフォトモードを呼び出せるようになった。

 また、4Kフォトモードの撮影モードも「4K連写」、「4K連写(S/S)」、「4Kプリ連写」の3種類が選択可能になった。

 4K連写はレリーズボタンを押している間、秒30コマでシャッター音付きで撮影できる機能。シャッター音は動画には記録されない。4K連写(S/S)のS/SはStart/Stopの略で、従来からの4Kフォトモードと操作性は共通。レリーズボタンを押して、秒30コマで撮影開始し、撮影終了時にもう一度レリーズボタンを押して撮影停止する。[4K連写]はレリーズボタンを押している間に撮影続行、[4K連写(S/S)]は、終了時にもう一度レリーズボタンを押すの違いとなる。

 4Kプリ連写は、レリーズボタンを押した前後各1秒間(60コマ)を撮影する機能となる。

 パナソニックでは、被写体の動きが予測できて写真感覚で撮影する場合は「4K連写」、撮影の瞬間が予測できない時には「4K連写(S/S)」、瞬間にあわせてレリーズしたいときに「4Kプリ連写」を使うと位置づけている。

3つの4K PHOTOモード

 4Kフォトモードのシャッター速度は、1/16,000~1/30。従来モデルと同様に、4K PHOTOのアスペクト比は、16:9のほか、4:3、3:2、1:1も選択可能。それらのアスペクト比で、約800万画素の静止画が切り出せる。切り出した静止画には、通常の写真と同じようにExif情報が記録され、撮影日時や露出の設定などが確認できる。

 撮影した4K PHOTOは、MP4形式の動画として保存される。新たにスライドフォトセレクトを搭載し、液晶モニターのタッチ&ドラッグ操作でベスト写真を選択できる。一度に60枚(2秒分)の写真を表示し、その中から切り抜く写真を選択する。ピンチ操作により拡大してピント確認も行なえる

ファインダーは236万画素有意EL

 写真はJPEGのほか、RAWや、3Dレンズ装着時のJPEG+MPOに対応。カメラ内RAW現像にも対応した。

 背面に3型/104万画素の可動式タッチパネル液晶モニターを装備。左180度、上下270度に動かすことが可能で、ローアングルからハイアングルまでの撮影に対応する。輝度は従来モデル比で50%向上し、屋外における視認性を高めている。また、236万画素の有機ELビューファインダーも備えている。ファインダー倍率は0.7倍(35mm換算)、視野率は100%。

 連写や4K PHOTOなどをすぐに選べるドライブモードダイヤルのほか、フロント/リアダイヤル、フォーカスレバーやAF/AE LOCKボタンなどのダイヤル/ボタンも装備し、モニターを見ずに機動力ある操作が行なえるとする

背面

 IEEE 802.11b/g/nの無線LANを装備。iOS/Android向けの専用アプリ「Panasonic Image App」により、撮影した写真や動画の閲覧や保存がスマホやタブレットから行なえるほか、SNSへのアップロードや、シャッター操作などのリモート撮影に対応する。

 AV出力やUSB、マイクロHDMI出力などを装備。外形寸法は124.9×77.4×86.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで約360g。撮影可能枚数は約350枚(LVF ON)、AVCHD動画の実撮影可能時間は約65分。付属ソフトは「PHOTOfunSTUDIO 9.7 PE」、「SILKYPIX Developer Studio 4.3 SE」。

 レンズキットには高倍率ズームレンズ「H-FS14140」が付属。DMC-G7にあわせてマットブラックカラー仕上げとなる。14-140mm(35mm換算で28mm-280mm)の10倍ズームレンズ(F3.5-F5.6)で、光学手ブレ補正のPOWER O.I.S.を搭載する。重量は約265g。

 また、標準ズームレンズの「H-FS1442A」(F3.5~5.6/35mm換算28~84mm)や望遠ズームレンズ「H-FS45150」(F4.0-5.6/35mm換算90~300mm)にもマットブラックが追加される。

(臼田勤哉)