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パナソニック、4K動画対応ミラーレス一眼「DMC-GH4」を4月24日発売。実売17万円

DMC-GH4(H-FS14140装着時)

 パナソニックは、デジタルカメラLUMIXの新製品として、4K動画撮影に対応したミラーレス「DMC-GH4」を4月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はボディ単体が17万円前後、35mm換算焦点距離28~280mmの「LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」(H-FS14140)が付属するレンズキット「DMC-GH4H」が23万円前後。

 マイクロフォーサーズマウントのハイエンドミラーレス一眼デジタルカメラで、2012年12月に発売した「DMC-GH3」の後継機。ミラーレス一眼カメラで世界初という4K/3,840×2,160ドットの30p/24p動画記録に対応。写真だけでなく、映像制作におけるメインカメラとしての利用も主なターゲットの“ハイエンド・ハイブリッドミラーレス一眼カメラ”としている。

 2月に開発発表され、パシフィコ横浜で行なわれたイベント「CP+2014」にも出展されたが、「今春よりグローバルで発売」として発売日などは明かされておらず、今回が正式発表となった。

 撮像素子は新開発の4/3型 有効1,605万画素Live MOSセンサーで、高速読み出し処理が可能になったことで連写性能の向上や動画/電子シャッター時のローリングシャッター歪みを低減できるようになった。

DMC-GH4
ボディ単体
新開発の有効1,605万画素Live MOSセンサー

 動画記録はMOV/MP4/AVCHD Progressive/AVCHDに対応。このうちMP4とMOVは、3,840×2,160ドットの30p/24pや、4,096×2,160/24pをサポートし、4K記録時のビットレートは100Mbps。コーデックはMPEG-4 AVC/H.264。4K撮影のフォーマットとしてMP4とMOVを採用したのは、MP4は再生互換性が高い点で、MOVはFinal Cut Proなどでの編集を想定したためだという。

 フルHD 60p/30pの高ビットレート記録も可能で、ALL-Intraの200MbpsまたはIPBの100Mbpsも選択できる。なお、100Mbps以上の動画撮影時はSDHC/SDXCカードのUHS-I U3(UHS Speed Class 3)の利用を推奨している。AVCHD Progressive/AVCHDは最高1,920×1,080ドットまで対応する(AVCHD Progressiveは60p/AVCHDは30p)。

 動画撮影時の音声記録は、MP4記録時がPCM/AAC、MOVはPCM、AVCHDはドルビーデジタル(いずれも2ch)。外部マイク入力とヘッドフォン出力も装備。別売のステレオガンマイク「DMW-MS2」などに対応する。静止画の連写は最高12コマ/秒。シャッター速度は静止画が最高1/8,000秒、動画は1/30~1/16,000秒(60p撮影時)。

 「クリエイティブ動画モード」も用意。フルHDのVFR(バリアブルフレームレート)時は最高96fpsに対応し、24p記録での4倍速スローも行なえる。インターバル撮影にも対応。映画製作の画質調整用に、シンクロスキャン/マスターペデスタル/シネライクガンマの各設定機能も備える。カラーバー表示は1kHz音声基準信号出力に対応。タイムコード記録は、レックラン/フリーラン/ドロップフレーム/ノンドロップフレームの切り替えが可能。

“空間認識”で4K動画も滑らかなAF

新ヴィーナスエンジン

 画像処理の「ヴィーナスエンジン」も新開発。ノイズ適応型の「新マルチプロセスNR」により、GH3比でISO感度1段分(平均)のS/Nを改善。ローパスフィルタと広帯域輪郭強調(アパーチャ)フィルタの組み合わせにより、LUMIXレンズの解像性能を引き出し、モアレを抑えつつ限界解像をGH3に比べ最大5%向上させたという。感度はISO 200~25600に対応(動画は最高ISO 6400)。

 階調性能は、演算精度を強化した新ガンマ補正処理と、Live MOSセンサーの広ダイナミックレンジ特性との組み合わせにより、特に低ISO感度側で自然なトーンの描写を可能にしたという。色再現は、色補正精度を従来比約30%改善した3次元色コントロールを搭載する。

 AFには、ヴィーナスエンジンを活用した新機能「空間認識技術」を搭載。ピント位置の異なるライブ画像から空間を認識し、物体までの距離を高速で演算する「DFD(Depth From Defocus)技術」を使ったもので、AF速度は0.07秒。ピント位置付近まで最高速で移動後、コントラストAFで微調整。反転動作を最小化し、AFのスピードと精度を向上させた。

 動画撮影にも空間認識AFが活用でき、ピント抜けの無い、滑らかな追従により「4Kにふさわしい、品位ある滑らかな動画AFを実現した」としている。4K動画撮影は、フルHDに比べ大きな電力が必要となるが、パナソニック独自の放熱/低電力設計により温度上昇を抑えたという。

無線LAN/NFC対応。別売ユニットでSDI出力やXLR入力も

 HDMI 1.4を備え、動画を撮影しながら4K対応VIERAなどへ4:2:2 8bit出力可能。GH4本体で動画記録しない場合は、4:2:2 10bit映像の出力に対応している。なお、パナソニックの液晶テレビVIERAの4K対応モデル「WT600シリーズ」でGH4の4K動画を再生する場合は、MP4形式のみ対応する。

 IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も備え、専用アプリをインストールしたスマートフォンを使って動画撮影などのリモート操作などが可能。NFC対応スマートフォンとのワンタッチ接続も行なえる。

有機ELモニタ側

 EVF(電子ビューファインダ)は236万画素の有機ELに高解像度化(GH3は174万画素)した。モニタは3型/104万画素有機ELで、タッチパネル/バリアングル対応。フラッシュ(ガイドナンバー12/ISO 100)も内蔵する。USB 2.0やHDMIマイクロ出力も備える。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。防塵防滴仕様で、本体外装にはマグネシウム合金を使用。

 付属バッテリでの静止画撮影枚数は約530枚(キットレンズ使用時)。動画の実撮影時間は約110分(キットレンズ使用/AVCHD記録時)、4Kモード記録時は約90分。外形寸法は約132.9×83.9×93.4mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリやメモリーカードを含む重量は約560g(本体のみは約480g)。付属ソフトは「PHOTOfunSTUDIO 9.5 PE」、「SILKYPIX Developer Studio 4.1 SE」、「LoiLoscope 体験版」など。

CP+で展示したインターフェイスユニットの組み合わせ例

 法人向けの別売アクセサリとして、本体の下に装着するインターフェイスユニット「AG-YAGHG」も用意。SDI出力(BNC×4)や、XLR音声入力(2ch)に対応し、外部の4K/HDビデオレコーダや業務用マイクとも接続できる。

 マイクロフォーサーズ用のライカレンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」(H-X015)も5月15日に発売。価格は75,600円。35mm換算の焦点距離30mmの単焦点レンズで、F1.7「SUMMILUX(ズミルックス)」の明るさを実現。7枚羽根の円形絞りで、最小絞り値はF16。7群9枚構成のうち非球面レンズを3枚使用している。鏡筒部に絞りリングを備えるほか、AF/MF切り替えスイッチも備える。外形寸法は約57.5×36mm(直径×長さ)、重量は約115g。

 なお、GH4の発売を記念したキャンペーンも実施。期間は4月24日~6月1日で、「DMC-GH4」またはレンズキット「DMC-GH4H」の購入者全員に、4K対応のUHS-I U3 SDXCカード(32GB)と予備バッテリパックをプレゼントする。応募には、パナソニックの会員サイト「CLUB Panasonic」への登録が必要。

 また、4月1日~6月29日には従来モデル「DMC-GH3」と「DMC-GX7」を対象としたキャッシュバックキャンペーンも実施。GH3/GH3H/GH3A購入の場合は3万円、GX7/GX7C購入の場合は1万円をそれぞれキャッシュバックする。購入後、店頭や同社Webサイトにある応募用紙を使って郵送で応募する。応募締め切りは7月14日。

【訂正】記事初出時、キャッシュバックキャンペーンの対象に「GH4」も加えていましたが、GH4は対象外でした。お詫びして訂正いたします。(3月25日22時25分)

(中林暁)